先日の昼間のこと。

 

道を歩いていると、

後ろから
「落としましたよ」

 

 

見知らぬ女性が

ニコッとしながら、

私が落としたものを

渡してくれました。

 

 

 

 

 

 

拾っていただいたのは

名刺サイズの紙でできた

ポイントカード。

 

ペラッと薄くて

拾いにくいものです。

 

 

私が、歩きながら

バッグをゴソゴソしていて

落としてしまった。

 

 

落ちたことに気づいて

わざわざ拾ってもらったことが

うれしかったです。

 

 

 

お礼を伝えると、

「フフフ!」

 

これはまた

素敵な笑顔で

去っていかれました。

 

 

つかの間の出来事でしたが、

心がほどけるような

ほっこりした気分になれた。

 

 

「笑顔」って、

気持ちのやりとり

でもあるなぁ

…と、感じました。

 

 

 

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「笑顔」といえば、

こんな苦い思い出があります。

 

 

 

前職はアパレルで

婦人服の販売をしていました。

 

 

まれに「変な人」が、

お店に入ってくることがあって。

 

 

その日は晴れた日でしたが、

大きな黒い雨傘を持った

シニアの男性が

ひとりで入ってきました。

 

 

「ワシの嫁さん候補を探しとる」

 

 

お店のスタッフは

そのとき3人。

全員女性です。

 

 

ほかのお客さまがいなかったのが、

せめてもの救い。

 

 

 

店内は広く、スタッフ全員が

その男性と

距離がありました。

 

 

ひとりひとりを吟味するように、

傘の先で指している。

 

 

店の空気は、緊張で

かたまりました。

 

静まり返った店内に

その人の足音だけが

響いていた。

 

 

 

私は、目を合わさず

心の中で

「早く帰ってくれないかなぁ」

 

そんなことを

考えていました。

 


すると…

 

 

その男性は、私に向かって

「ちょっとは、ニコッとしろ!」と、

捨て台詞のような言葉を残して

帰っていきました。

 

 

 

 

 

 

接客のプロなら、

どんなときでも

笑顔で対応するべきと

考える人も

いるかもしれません。

 

 

販売員だからって、

だれにでも

笑顔になるわけではない。

 

 

ニコリとしなかったのは

私なりの意思表示でした。

 

 

 

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「笑顔」は

気持ちの交換でもあり。

 

 

あなたに

心を開いていますよ、

のメッセージでもあり。

 

 

「笑顔」は

無料かもしれないけど…

 

値段がつけられないほどの、

素晴らしい価値があると

思っています。

 

 

だからこそ、私は

気持ちのこもった笑顔を

大切にしていきたいです。