ここ数年、ヨーロッパからのヘンレ社、ベーレンライター社、ペータース社などなど楽譜の出版社が校訂をしている担当者や研究者を引き連れて来日セミナーがありました。

 
私が初めてヘンレ版を使ってレッスンしてもらったのは、高校音楽科に進学しようと決め、中学でそれまで通っていた大手教室から母校の音楽教室に入った時です。
先生から『ベートーヴェンのソナタ、ヘンレ版で持って来て』と言われて、初めて同じ作曲家が書いたクラッシック作品を国内外いろんな出版社から出していることを知りました。(ピアノをやってるのに今から考えると遅すぎる)
 
当時でも5000円ぐらいしたと思うけど、その価値が弾いたり教えたりしていくうちに納得できるようになってきました。
 
ヨーロッパはクラッシック音楽の伝統があり、ひとりの作曲家がその音楽をどう書いたかを研究しています。
自筆譜が残っていなかったり、残っていても手書きなのでその作曲家のクセやいろんなありとあらゆる資料を専門の研究者が読みとき
何百年前の作曲家が書いたものを現代の演奏者が演奏できるように楽譜にしてくれている。
演奏者にとっての配慮があり、どこまでが、ひといきか音楽の息づかいがわかりやすく、変なところで段が変わっていたり、譜めくりもなく、楽譜まわりの余白も適量でとても見やすく演奏しやすい。
 
輸入版のひとつのネックとなっているのが、輸入されているので当然少しお値段がはるが、この文化はないものにも変えられない。
日本とアメリカでは曲げられていることが多いそうです。実際そうです。
 
楽譜は本来イラストのないもの
先入観でイラストを見てしまうのではなく、生音の美しさから聴き手が想像力を膨らますのが音楽の良いところです。
 
普通、音大生、ピアニスト、ほかの楽器の演奏家も
真ん中にリングのある大きなスケッチブックで演奏しているのを見ないのは理由が上記でわかると思います。
真ん中にクルクルがあって余白が大きいと譜読みの邪魔でしかない。譜読みに邪魔が入ると音楽の流れが無くなってしまう。
(著作権の関係で本当は譜面のコピーも本来禁止です。)
 
だからとくに子供の生徒には、音大に行くから輸入版を使う、趣味だから安い目の国内版でいいか、では、なくて、楽譜の世界の本当の姿を見せて、音楽を読み込む譜読みにつながっていくように、本当のことを教えて、知ってもらって楽しいと感じもらえるようなレッスンでありたいと思っています。
 
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