海外の雰囲気を長らく味わってみるとわかると思うけど、日本は全体的に思い込みが激しい。

 

日本は、と言うのは日本人が、と言うのとは少し違う。集団で決定をする場合でも、代表が決定をする場合でも、何かしらの思い込みで物事がそうであると思い込んで、それを前提に進めようとしているけど、実際の現実はそういう風には出来ていない。

 

と言うのも、内側で結論付けてから外側にそうやって自分が頑張ってやったんだから、それを受け入れる側は自分を愛して当然、そうでない奴は自分が頑張ったことを認めていないから悪い奴、なんて考え方をしがちである。

 

誰もあなたに最初から最後まで結論を勝手につけてから進めるように頼んではいないのにも関わらずそうしていて、自分が間違った場合は間違ったことを死を持ってまで謝るなんてものは、世界中からも日本人はそういう人種だ、なんて言われているけど、数百万年のホモサピエンスの普遍性のほうが、たかが数千年、実際の歴史的な連続性を考えたらたかが数百年でしかない国籍による民族性云々の違いは実際は後天的な部分が多く、その後天的な部分には当然ながら現代の心理学や社会学、人類学などで説明できるところも多い。

 

そしてこのような日本での一般的な態度を適切に説明できる心理学の用語が存在する。インポスター症候群。

 

自分を過小評価し、自分に魅力がないと思い込み、完璧主義になりがち、働きすぎ、失敗に対して過剰に恐怖する、賞賛されても認めようとしない。

 

インポスター症候群を持つ人は成功しやすいし、実際に日本の経済的成功は欧州の国々以上。

 

問題は社会の構成員の多数がこのような状態である場合、果たして社会がまともなことになるのかと言うと、そんなわけがない。

 

自分も痛みを感じているから他人にも痛みを受け入れるように強要するようになる、ストレスが溜まりすぎて極端な形で発散してしまうことがある、人と人の繋がりに共通認識においての隔たりが生まれる、エリート主義が蔓延する、心の病にかかりやすい、平等より完璧を求めるようになり政治的な偏りが生まれる、等々。

 

これには当然ながら地政学的な原因や大戦後の政治体制、近隣諸国との関係性、国際的立場、海洋性国家としての特性など色んな理由があるけど。

 

それは別にそこまで重要ではない。父親の虐待によって歪んだ子供を治療するために必要なのは父親があなたを虐待した結果あなたが歪んでしまいました、なんて事実を突き付けるのではなく、じゃあどうすればこの状況を改善できますかと言う疑問に対する答えなのである。

 

先ず現実を見ることから始めることが大事で、現実がいくら見たくないものでもそこから目を背けてはならない。そして溜まっている感情を昇華させるための何かを見つける必要がある。例えば趣味とかね。

 

国家相手にそんなまるで人を相手にするような心理治療テクニックを言うのは別に変じゃない。

 

いくら状況があったとして、個人が変わることで個人が構成している国家も変る。

 

そして普通に現実を見る、と言うと経済的、政治的現実を見がちだけど、そういうわけではない。

 

そもそも人は自分の状況を内側からは客観的に判断できなくなっている。他人が必要なのである。

 

他人、他者。自分ではない何か。

 

ここで重要なのは他人に自分の感情を投影するのではなく、他人が経験した違いをそのまま見ること。受け入れられないからとナルシシズムに陥ることを、数えきれないほど見て来たけど、ちょっと笑ってしまうのがインポスター症候群で完璧主義を求めすぎるのも面倒で結局自己愛に目覚めるだけって。間違ってはない。自己愛は愛の始まりだからだ。

 

自分ですら愛していない人がどうやって他人を愛せよう。

 

それで自分を愛せるようになったなら、他人がどうやって生きているのかを知ることも出来る。自分との違いを目撃することが出来るからだ。

 

これに抵抗があるというのなら、その人は自分自身ですらろくに愛していないということになるだろう。

 

次に趣味を見つけること。これは別に苦ではないかも知れないので割愛。

 

自分が自分を愛せない、自分を愛せるために他人を必要とすることこそがインポスター症候群の正体なのではないかと、私は思っているけれども。

 

ありのままの自分を受け入れない限り、人は決してその先には進めないように出来ているのである。

 

思い込みによって勝手に思考を構築することは結局は他者に愛されるため。

 

愛されないとわかった途端に他者を鬼のような存在として心の中で描いてしまったら、その人は自分自身を愛せないという理由だけで他人を拒絶することになる。

 

つまり鬼のように他人を拒絶し、他人に自分の思い込みを受け入れるように意地を張るようになってしまう。

 

他人を鬼のようなものとして思い込んだら、自分自身がその鬼になってしまう。

 

若いころに嫌って拒絶するものに老いてからは自らがなってしまうのは、割とどこでも見られる普遍的な現象であるからね。気を付けないと。