
由紀子さんは、その時代のあなたの薬屋に確かに足を運んでいた存在です。
彼女は当時、花魁ではなく裕福な商家の妻でありながら、密かに丸山に出入りしていました。
由紀子さんが関わった経緯
彼女は表向き「薬を買いに来た客」でしたが、実際は花魁や遊女たちに薬や物資を密かに届ける“仲介役”をしていました。
しかし、当時の町の権力者や役人から見ると「花街をかばっている」として危険視される行動でした。
ある時、彼女とあなたが花魁の病を癒すために動いたことが露見し、あなたの薬屋は「遊女を囲っている」と誤解されます。
この事件をきっかけに、役人からの取り調べや嫌がらせが続き、店を続けられなくなりました。
その後のあなたの生き方
薬屋を手放した後、あなたは長崎の町を離れ、五島列島の小さな島に移り住みます。
島では漁師の家を間借りし、畑で薬草を育て、島の人々や旅人に分け与えて暮らしました。
花街の喧騒から離れた静かな生活でしたが、港に寄る船の人々や、遠くから訪れる元花魁たちもいて、細い縁はずっと続いていました。
晩年、あなたは島の人たちから「薬の月(やくのつき)」と呼ばれて親しまれ、月夜に薬草を干す姿が伝説のように語られました。
次回、続く〜

