
先日、レコールバンタン大阪校 カフェ&バリスタコースの学生による
「デセールコンクール」が開催され、審査員としてお招きいただきました。
テーマは「バレンタイン」 2名ひと組のチーム戦です。
このコンテストの優勝作品は、ヒルトンプラザ内カフェ ド グレース にて
商品化されるため、パティシエコースの学生にとっては夢のデビューステージとなります。
審査員は「パティスリー・ド・グラース」の亀川善実シェフと「カフェ・ド・グレース」の井上さん
「パティスリーモンプリュ」の林周平シェフと私の4名。
林シェフと亀川シェフはこのコンクールに先立ち、
3週間前に、学校にてアシェット・デセールの授業を開講。
コンクール前日には1次審査が行われ、通過した6皿を審査させていただきました。
審査は“ビストロスマップ”風に(笑)
2チームずつの対戦で、審査員全員で協議して勝者を決定。
「勝者は?」 「せ~の、こちら!」と手で示すというスタイル。
勝ち抜いた3チームの中から、別室にて最終審議をして優勝チームを決定しました。

「Amour secret(アムール スクレ)」
温かいマロンのスープに洋梨のコンポート。
チュイルとヴァニラアイスを重ねて。アーモンドのキャラメリゼをアクセントに。

「Valentine❤」
ホワイトチョコのパルフェとフランボワーズのムースに
ハート型のショコラのサブレ。フランボワーズソースに浮かべて。

「Bouquet(ブーケ)」
フロマージュブランのムースの中にはフランボワーズのジュレ。
オレンジのゼストを散らしたチョコレートソースと薔薇を添えて。

「薔薇のババロア ~フランボワーズソースと共に~」
フィヤンティーヌショコラの土台に薔薇のババロア。
中にはフランボワーズソース。ベリーと薔薇でデコール。

「思い出のラブレター」
ラブレターに見立てたクレープの中には、カスタードクリームとリンゴのコンポート、
ヘーゼルナッツのキャラメリゼ。ベリーのソースとシナモンを添えて。

会場では仕上げのみが5分ほどで行われたのですが、
その間審査員は、こんな風に側に寄って見ることができたんです。
まさに、ビストロスマップ風!
でもこんなに近くで見られたり、カメラやビデオが近付いてきたりしたら
緊張しちゃいますよね。。。
そんな中、最優秀作品に選ばれたのは・・・

すでに抹茶ときな粉でお皿に模様が描かれています。
チュイルも2種類。 むむっ、できる雰囲気!?

チームワークもばっちり!
丁寧かつ段取り良く作業が進められていました。

「The vert chocolat ~心~」
温かい抹茶のクラッシックショコラに、冷たいヴァニラアイスと
2種類のゴマのチュイルを添えて。
お好みで黒蜜のソースをかけていただきます。
赤すぐりを南天の実に模して、デコールも上品な和の雰囲気に統一されています。
クラッシックショコラ×アイスという一見よくある組み合わせですが、
温度差、食感、味のバランスが素晴らしく、完成度の高いひと皿でした。
黒蜜のソースをかけて、自分で味の変化を楽しめるのも嬉しいですね。

このデセールコンクールは、美味しいかどうかはもちろんのこと、
提供される「カフェ・ド・グレース」の雰囲気や客層に合うかということも重要なポイント。
こちらのお二人は、実際にお店に足を運び、何度も試作を重ねられたんだそう。
夏のパフェコンクールに続き、レコールバンタン大阪校のコンクールで
審査員を務めさせていただいたのは今回で2回目なんですが、
どのアシェットデセールも本当に美味しく、高レベルな戦いだったと思います。
学生さんらしいアイデアや、細かいところにまで真剣に取り組む姿勢に
プロの審査員の皆さんも感心されていました。
優勝したお二人は心から喜び、負けた生徒さんは心から残念そうな様子。
でも大切なのは勝ち負けではなく、ここに到達するまでのプロセスと
ここからさらに成長していこうとする前向きな意識。
そういう意味で、とても意義のあるコンクールだったと思います。
生徒の皆さん、ご指導くださった学校関係者の皆さん、
そして審査員の皆さま、本当にお疲れ様でした。
またこういう機会がもうけられるといいですね。
この優勝作品は、ヒルトンプラザ内にあるカフェ・ド・グレースにて
2/7~14日の1週間限定で販売されます。
お店の方と相談されて、またどのようなデセールに変化するのか・・・
私も期間中にぜひお伺いしたいと思っています。