FUTOSHI HASHIMOTO special dessert -1 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ


 
1月28、29日のデセールイベントをもって
ケ・モンテベロを卒業された橋本太シェフ。
4年と少し・・・本当にありがとうございました。

いつもいるはずの場所に、いるはずの人がいなくなってしまう・・・
正直なところ、まだ全然実感がわきません。
橋本さん自身も、スタッフの皆さんも、この日はまだ
同じことをおっしゃってました。
きっとこれからじわじわと、淋しさがこみ上げてくるんでしょうね。。。

なんて、センチメンタルな気分に浸る隙は全くなく、
美味しく楽しかった、初めてにして最後のデセールイベント。
そして相変わらずの橋本節(笑)
橋本さんの写真を撮ろうとしたことがおありな方なら
分かっていただけると思いますが・・・ブレブレでほぼNG★
正面を向いてる、イケメンな写真が1枚もありませんでしたm(_ _)m

5部制×2日間×各6名しか参加できなかった貴重な
橋本シェフのラストを飾るデセールイベント。
シェフの想いの詰まった素晴らしいデセールをご紹介させていただきますね。
最後まで笑顔で♪

 
 
 


 
一皿目は、温かいデセール。
温かいモエルーピスターシュとリュバーブのソース、イチゴと金柑のコンポート、
アーモンドミルクとバニラのクリーム。

最初はこの時季ということもあって、ショコラのデセールを考えていたそうなんですが、
ちょうどイチゴや柑橘系のフルーツに甘みがでて、美味しくなってきたのを感じ
ショコラの時季ではない気がしてきたんだそう。
世間の雰囲気よりも、真の旬を大切に!というわけですね。

私は柑橘系の中でも、冬系の金柑や柚子が大好きなんですが、
そういえば・・・橋本シェフの金柑を使ったお菓子って食べたことないかも?!
ご自身も、今まであまり使ったことがないだけに逆に使ってみたかったとのこと。
この金柑のコンポートが、とってもふくよかで、ジューシー!
甘すぎず、金柑本来の酸味と香りが生かされていて、大変美味しゅうございました(笑)

 
 
 




イチゴ、金柑から連想したのがピスタチオ。
さらにそこに、酸味のリュバーブとナッティ感をUPさせるアーモンドミルクをプラス。
もちろん、全層一緒に底からすくって!
 
ピスタチオのモエルーは、底に薄く敷かれているだけなんですが・・・
一体どれだけのピスタチオを?!を舌を疑いたくたくなるほど
濃厚なピスタチオの香味が押し寄せてきます。
 
そこにリュバーブのキュン♪とくる酸味、イチゴの甘酸っぱさ、
金柑の爽やかで馨しい柑橘香、そしてアーモンドミルクの
フレッシュなビター臭とヴァニラの甘い芳香が折り重なり、
様々な風味と香り、食感、温度差が次々と顔を覗かせ、
最後には渾然一体となってまろやかに口溶けていく至福の感覚。。。
これこそまさに、デセールの醍醐味!
 
モエルーが熱々ではなくほの温かいのも、それぞれの個性を殺すことなく
さらに一体感をも描き出すポイントだと思いました。

 
 
 
 



二皿目は冷たいデセール。
紅茶とキャラメルのパルフェ、ライチ風味のリンゴのコンポート、
マール酒のグラニテ、ウィークエンドベルガモット、カシスとライムのソース。

紅茶×カシスはプティ・ガトーにもあり、橋本シェフのお菓子の中でも
好きな組み合わせのひとつです。

一瞬カシスソースのかかったところにしかパルフェがないのかと思い、
リンゴやウィークエンドとの配分を悩んだんですが・・・
チュイルの下にも隠れていました(笑)

実は最初は、長いパルフェの上に、ずら~っと一列に
リンゴのコンポートを並べようと考えられていたそう。 
でもそうするとビジュアル的に寒そうになってしまうのと、
提供したそばから溶けていってしまう・・・
かと言って間にクランブルなどをしくと、水分を吸って美味しくなくなってしまう・・・
そこで、このようなちょっぴり小さめのサイズに落ち着いたんだそう。

 
 
 


 
パルフェにはウバを使用。
お菓子にウバを使われるのって珍しいなと思いうかがってみると…
スッキリとした渋みと細く長く続く香りがポイントだったんだそう。
なんともなめらかな、舌の上を滑り落ちるようなテクスチャーに仕上げられています。

紅茶→カシスとくれば・・・ラ・フランス!
でもラ・フランスの状態が安定していなかったので、今回はリンゴに。
そのリンゴでラフランスのイメージを描き出すために、
ライチ風味のコンポートにして、甘い香りを纏わせています。
食感も洋梨のようにやわらかく仕上げられていました。
細かく刻まれたリンゴのシャキシャキ感もアクセントに♪

 
そして、menuを見た瞬間から気になっていたマール酒のグラニテ。
橋本シェフのスペシャリテともいえる「マール」というショコラのお菓子が
あるんですが(記事にしたはずなんだけど・・・見つけられない★)
ショコラとマール酒を使った理由、このお菓子に込めた想いなどを
以前じっくりとお伺いしたので、マール酒はとても気になる存在で。。。 
 
お皿が運ばれてきた瞬間に、甘く妖艶な香りがふうわり・・・
お口に入れた瞬間には、ドワッと芳香が押し寄せてきますが、
一拍おくと、スッと香りが鼻腔からぬけていきます・・・
これだけガツンとお酒を効かせることができるのも、
今回限りの限定デセールだからこそですね。
お代りしちゃいたいほどの美味しさでした。 
 
 
クリームだけでは重たくなってしまうので、何か生地的なものをと
添えられたウィークエンド。
橋本シェフのウィークエンドは、しっとり、もっちりとしたちょっぴり珍しい食感なんです。
この存在感のある生地に、ライチとも相性の良いベルガモットの香りを纏わせて。

マール酒のグラニテ、リンゴのコンポート、パルフェの順にお口に入れて、
カシスとライムのソースをお好みでつけて。
時々ウィークエンドでお口の中をリセットして。
全てにおいて計算し尽くされた、橋本シェフのお菓子に、
そしてデセールに対する考え方が集約されたとも言えるひと皿でした。 
 
つづきます・・・