スイーツ巡り講座 ☆ ガトー・ド・ボワ -4 @ よみうり梅田文化センター | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ


ガトー・ド・ボワ -1
ガトー・ド・ボワ -2
ガトー・ド・ボワ -3







1枚目のトレー りも、さらに地味なビジュアルのフランス伝統菓子の数々。
でも私、こんなお菓子達が好きなんです~。

 
 
 
・バスク オ グリオット 
 


 
バスク地方はフランス南西部~スペイン北東部にまたがる地域。

正式なガトーバスクは、アーモンド入りのソフトタイプのクッキー生地に
この地方の特産品のひとつでダークチェリーの一種のスリーズ・ノワールを入れ、
ローブリュー(バスクの十字架)と呼ばれる飾りをつけて焼いたものです。

フィリングはアレンジされることも多く、ラム酒を効かせたクレーム・ダマンドや
クレーム・パティシエールを加えたものもよく見られますよね。
模様もこんな風にシンプルな格子柄のことも多いかな。

ボワさんでは、フィリングを季節によって変えられていて
今はダークチェリーとグリオットチェリー入り。マロンの時季もあります。
クレームは、パティシエールベースにアーモンドプードルを加えて。
 
生地のほっくりとした食感と、アーモンドの香りが心地よい
とっても素朴ながら、しみじみと味わい深い、私も大好きなフランス伝統菓子です。

 
 
 
 
・バスク オ ショコラ





ショコラのクッキー生地の中に、ショコラ風味のクレーム・パティシエールと
キルシュ漬のグリオットチェリーとダークチェリー入り。

このような伝統菓子は、概してプレーン好きの私ですが・・・
ガトーバスクはショコラも美味しいんですよね。
ショコラ×キルシュ風味のグリオットチェリーの組合せが
大好きなフォレノワールを彷彿させるからかしら。。。

 
 
 
 
・カヌレ




 
フランスのボルドー地方の修道院で古くから作られていたお菓子。
当時は小麦粉にとうもろこしの粉を加えて蒸し焼きにしたものだったそう。
蜜蝋を入れることと、カヌレ型と呼ばれる小さな型で焼くことが特徴で、
そもそもカヌレとは「溝のついた」という意味です。

外側は黒めの焼き色でカリッと香ばしく、中はもっちりとした食感。
ラム酒がほんのりと香る日本でも人気のフランス伝統菓子です。

 
林シェフは蜜蝋の香りが苦手ということで、蜜蝋代わりに
型にポマードバターとクリスタルシュガーを塗り焼成しているので、
黒光りしていない、やさしいダークブラウンの焼きあげられています。
ガリッ、ねっちり感も控えめで、しっとりとやさしい口あたり。 

 
 
 
 
・ファーブルトン





フランス北西部ブルターニュ地方の伝統菓子。
ファーとは粥のことを指し、元々は牛乳と小麦粉を煮た粥で作ったお菓子だったそう。
それが次第に生クリームや卵を加えるようになり、リッチな配合に変わってきました。

クレープ生地のようなもっちりとした食感が特徴。
プルーンやリンゴなどのフィリングを入れることもあり、形状も様々です。

 
焼き菓子のスペシャリテ☆と林シェフが断言されるほどの超自信作。
こんなに美しいフォルムのファーブルトン、私も見たことがありません。

焼成前の温度にも気を配り、厚みともちもち感をだすために
コンヴェクションで焼き上げられているそう。
アパレイユにはラム酒を効かせ、大粒のプルーンがたっぷりと入っています。

 
 
 
 
・ショーソン マロン





サクッ♪と香ばしく焼き上げられたフィユタージュの中には
パート・ド・マロンを加えた香り高いクレーム・ダマンド。
贅沢にマロンのシロップ煮も入っています。

ショーソンといえば、私の中ではポム(リンゴ)が定番ですが、
マロン人気も頷けるとってもリッチな美味しさ。

 
 
 
 
・ピチヴィエ




 
ピティヴィエは、オルレアネー地方の小さな町発祥の伝統菓子。
フィユタージュの中にクレーム・ダマンドを入れ、
表面に放射線状の細い模様をつけ、花びらのような形状に焼き上げられます。

形も構成もガレット・デ・ロワに似たお菓子ですね。
小さめのサイズながら、クレーム・ダマンドがたっぷり。
ピスタチオバージョンもあるそうですよ。

 
 
 

・ケーク サレ フロマージュ




クリームチーズ、オリーブ2種、トマト、ハム、酢キャベツなどが
たっぷりと入った塩味のケーク。
今ちょっぴりブームのお菓子(?)ですよね。

フィリングも生地の食感もまさに十人十色なんですが、
こちらはしっとりとパサッのちょうど中間ぐらいの食感。
噛みしめるほどに味わい深くなっていきます。

最近本当によくケーク・サレをいただくんですが、かなり好みの一品。
それにしても・・・フィリングが贅沢すぎです^^;









どれでもお好きなものをお好きなだけ!と言っていただいたので
色々なフランス伝統菓子を少しずつ。。。

作ってらっしゃるお店が少ないので、見たことのないお菓子ばかりと生徒さん。
でもシンプルなビジュアルから想像する以上の美味しさに
皆さんとても感動してくださっていました。

「今までたくさんのお菓子が生まれては消えていった。
その中で今なお残り、受け継がれていることの意味を考えてほしい」
と伝統菓子に対して林シェフはおっしゃいます。
フランス人にとってこのような伝統菓子は、単なる美味しいお菓子の
ひとつではなく、受け継ぐべき伝統であり文化なんですよね。
日本でもそのような背景とともに作り継がれていってほしいと思います。

 
 
 





たしかに講座をお願いした時に、好きなだけバイキング状態で!
っておっしゃってくださったけど・・・
伝統菓子に続き、生菓子もショーケースから自由に好きなだけ選んでね!と。
あまりに申し訳なく・・・私自ら足を運ぶことはできず(笑)
生徒さんに選んできていただきました。

この時季限定のお菓子に加え、91年「クープ・ド・モンド・パティスリー」
日本人初のグランプリ受賞作品であるアンブロワジー(写真3枚目 右)や
97年「メートル・ド・パティシエ」世界選手権味覚審査一位
特別賞受賞作品であるラ ギャラクシー(写真3枚目 左)も
ちゃんとセレクトしてくれていました。

  
 
 




さらに帰り際にお土産までいただいてしまって。。。
完全に‘ありがとう’を‘すいません’が上回ってしまいましたm(_ _)m
 
林シェフ、今回はお忙しい中、講座を快くお引き受けいただき
本当にありがとうございました。
ずっと一緒に座ってお話してくださったシェフは初めてです^^;
そして申し訳ないついでに、神戸講座もお願いしちゃった私です。。。

 
実は東日本大震災直後のまだ何も分からない状況の時に、こちらのお店を訪れていた私。。。 
その時にお店づくりやお菓子作り、そしてスタッフさんへの想いを色々聞かせていただき、
このお話をぜひ生徒さんにも聞かせていただきたい!と衝動的に
講座をお願いしてしまったのですが・・・
色々な経験を積まれきた林シェフだからこそ話せる
本当に心に響くお話をたくさん聞かせていただきました。

今月の講座では、あるお菓子を先取りで作っていただく予定なので
そちらもとっても楽しみです♪

 
 
 
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店名:ガトー・ド・ボワ ラボラトワール
住所:奈良県奈良市四条大路三丁目4-54
電話:0742-93-8016
定休日:水曜日
営業時間:10:00~20:00
 サロン:10:00~19:30(L.O.19:00)