おいらの古い某ブログより転載・・・
もう20年も前の話だな…
某住宅会社系の増改築会社に就職し、最初は神奈川県横浜市港南区(だったっけ?)に配属された。
そこで“ポ”な支店長と先輩に「潰される」のを見かねた隣の営業所のI泉先輩が、金沢区の支店(「能見台」が「京急 谷津坂」と呼ばれていた頃)に配属替えをしてくれた。
このI泉先輩はかなり前に日記に書いた様に「若鮎の会」所属の面倒見の良い「兄貴分」で良く飲みに連れて行ってもらった。
ある日、「業者さん」主催の「飲み会」があると言う連絡が入ったので、I泉先輩と鎌倉の建具屋さんに行く事になった。
先輩の仕事が終わるのを待っていたら結構遅なってしまい外は真っ暗。
住宅街を通り抜け朝比奈へと社用車の「ホンダ シティ(←初代)」を走らせる。
朝比奈峠を越えれば「逗子ハイランド」、そして「小坪トンネル」を過ぎ れば鎌倉・・・
朝比奈峠は結構急な峠でして、中頃に「横浜霊園?」もあるし夜中独りでは歩きたくない所←場所的に歩いている人は皆無(現在は知りませんが)
丁度、その霊園の手前に差し掛かった所(時刻にして23:00頃だっただろうか?)運転中の先輩が
『おっ!オンナが歩いてるよ!! ヒロシゲ(当時のおいらの仇名)声掛けろよ!!』
『え? オンナですか? どれどれ??(先輩には逆らわない素直な私)』
車窓の外には黒いワンピースに黒いつばの広い帽子を被った女性が歩いている・・・
『ひゅ~っ! お姉ちゃん、墓地でお茶しない?』
と走り去りながらノリのよい先輩の方が声を掛けた・・・
その女性はこちらを見もせず、ミラーから消えて行った・・・
が、
突然、先輩が
『ヒロシゲ、もう終バスないんじゃない?』
『そうですかね? そう言えばなんで女独り歩いているんでしょうかね?』
『真っ暗な中に黒い服着て歩道じゃない方を歩くか? 普通??』
『戻って確認してみます??』
『そうしよう・・・』
終バスがあるかどうか?は不明であるが、夜の11時ともなれば車の通りもほとんどない・・・
近所に宅地もない・・・
Uターンして、先ほど擦れ違った場所辺りに戻っても、何も居ない・・・
大体、ガードレールの向こうは崖だ…
『二人して幻を見るって事はないよな??』
『幽霊なんですかね? 墓地も近いし・・・』
『馬鹿だな、幽霊ってのは足ないだろ??』
『そうですね、足はありましたよね・・・』
『しかし、俺の声に無反応だったな・・・』
『霊も男を選ぶんじゃないですか??』
『・・・・・・』
その後、鎌倉の建具屋さんまで無言の車内の空気は重くじめじめしていた・・・