「平場の月」
を観てきました。
ストーリーは、
妻と別れ、地元に戻った青砥健将は、印刷会社に再就職し平穏な毎日を送っていた。そんな青砥が中学生時代に思いを寄せていた須藤葉子は夫と死別し、地元に戻りパートで生計を立てている。さまざまな人生経験を積んできた2人は意気投合し、再び自然にひかれ合うようになった2人は、やがて互いの未来についても話すようになるのだが。
というお話です。
妻と別れ、地元に戻って印刷会社に再就職し、平穏に日々を生活する、青砥健将。自宅で母の介護をしていたが、認知症と診断され施設に入れて一人暮らしとなる。
青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子は、夫と死別し地元に戻ってきた。現在は一人住まいで、病院内のコンビニでパートとして働いている。
青砥が検査に行った病院で再び出逢った二人は、少しずつ、離れていた時を埋めていく。飲み屋で二人で飲んだりしていたが、ある日飲み屋に入れず、須藤の家で飲むことになる。それからは頻繁に家飲みになり距離は縮まっていく。
ある日、アパートの部屋から月を眺めていた須藤。「お前、あのとき何考えてたの?」青砥にそう問われ、「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね、ちょっと」
そう答えた須藤。再び、自然に惹かれ合うようになった二人。
やがて未来のことも話すようになるのだが。後は、映画を観てくださいね。
この映画、同年代のお話なので刺さりました。うーん、良かったよぉ。泣けました。この年代だからという、ちょっと引いた恋愛の仕方が上手かったなぁ。踏み込むまでに時間がかかるんですよねぇ。既に人生経験を積んできてしまっているから、どうしても怖さも出てしまうし、その上、この年で誰かに迷惑をかけたくないという考えも出てきてしまうし難しいですよね。
原作を読んでいないので原作通りなのかは解りませんが、よいストーリーでした。今回、後半でネタバレする予定ですので、もし観ていない方はここら辺で引き返していただいた方が良いかもしれません。この映画の後半を観て、思うところがありまして、どうしても書きたいことがあるんです。ごめんなさいね。
二人の中学時代はよくある普通の生徒のように見えましたが、須藤は家庭に問題があり、頑なに自分は一人で生きていくという考えを持っていたようでした。母親が若い男性と出ていき、5年ほど経った今戻ってきたようで、父親は戻ってくるなと怒っているんです。須藤自信も親を軽蔑しているようでした。
それから何十年も経ち、いいおじさんおばさんになった二人は人生経験も豊富で、それなりのおっさんおばさんになっているんです。二人とも一人になり同じ地元で暮らしているので再会します。でもさ、こんなに同級生と再会ってしますか?私、全然しないんだけど。というか、私が顔を覚えていないのもあるんだけどね。昔から人の顔を覚えられなかったので、そのせいかしら。
中学の頃に二人はどう見ても両想いだっただろうなという雰囲気なんだけど、この頃の須藤は母親が男と出ていったというのがトラウマで男女の関係が嫌だったんじゃないかと思うんです。恋愛の為に家庭を捨てていくというのが許せなかったんじゃないかなと思うんです。
大人の2人はどんどん惹かれ合って行き、とてもお似合いになります。まぁ、この二人ですからね。ビジュアルが美しいので、この年齢でも全く問題がありません。普通の50代がこれやると、ちょっと引かれてしまうと思うけどね。私は恥ずかしくて出来ないなぁ。(笑)
そろそろネタバレに入って行こうかな。実は須藤が病気になります。大腸がんで人工肛門となるんです。私の父がやはり50代で大腸がんになり人口肛門となったのですが、今から35年以上前なのでまだまだ良い道具ではなくて、ストーマはあったのですが、今よりも使いにくかったと思います。今は随分と良いモノになりました。
この映画、凄く良いと思ったのは、人口肛門のストーマを付ける映像があったり、どういう状況になるということも描いてくださっていて、本当にありがたいと思いました。一般の方はどうなっているか知らない方がほとんどでしょ。お腹に腸がポコッと出てきているところにストーマを付けるんです。
付けて直ぐは臭っていなくても臭いが気になってしまう様子も描かれていて、そうそうと思いました。どんなに綺麗にしていても気になってしまうようなんです。あとストーマの空気音もあんな感じで聞こえます。普通の人はガスを自分の意思で止められると思うけど、腸から直接なので止められないんです。
この様子を良く描いてくれました、本当にありがたいです。これを他の人に説明するって難しいんですよ。どうなっているかだけでも知っていて欲しいんです。大腸がんは日本人が一番かかりやすいガンだったんじゃないかな。
いつ自分もなるか解らないし、もしなった時に、人口肛門と言われても絶望しないで欲しいんです。父は人口肛門と言われた時にそこまでして生きたくないと言いました。もちろん先生も家族も説得して人口肛門にしたのですが、何も知らないと恐いし嫌だと思うでしょ。でも慣れてしまえば楽なんですよ。だからこの映画で人口肛門を説明してくださって嬉しかった。
映画の話にもどって、須藤は大腸がんになりますが、ちゃんと手術を受けて人口肛門で生活を始めますので、ちょっとネタバレになりましたが、その後もまだまだ続きがあります。でも、このお話は50代以上にはとてもよくあるあるの展開だと思いました。若い頃に病気になる人もいるけど、やっぱり中年になっての方が多いでしょ。
何とも言えないお話で、感動しました。泣けました。長い人生の中で、色々なことが起きて色々な経験をして、それでも生きていくのは大変です。時にはくじけるし、もうダメだと思うし、悲しくてオンオン泣いてしまうこともあるし、本当に人生って山あり谷ありばかりです。でもふと感じるしあわせを大切に生きていきたいですよね。あ、最後に、星野源さんの曲が凄く良いです。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは若い人よりも中年の方に刺さるんじゃないかな。私にはグサッと刺さりましたよ。でもこの年齢になって恋愛が出来るのは本当にしあわせだと思います。恥ずかしがらずに手を繋いだりって素敵よね。うん、ウチもやろうかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
「平場の月」












