「近畿地方のある場所について」
を観てきました。
ストーリーは、
オカルト雑誌の編集者が失踪する。彼が記事をまとめていたのは、幼女失踪事件や中学生の集団ヒステリー事件など、過去の未解決事件や怪現象の数々だった。同僚の編集部員・小沢悠生は特集記事を埋めなければならず、オカルトライターの瀬野千紘に引き継ぎを頼み、取材を始める。すると謎が“近畿地方のある場所”につながっているようだという事に気が付く。
というお話です。
ある日突然に失踪してしまったオカルト雑誌の編集者。彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪、中学生の集団ヒステリー、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件と怪現象だった。彼はなぜ消息を絶ったのか。いまどこにいるのか。
同僚の編集部員・小沢悠生は、突然に空いてしまった雑誌の紙面を埋めなければならず、オカルトライターの瀬野千紘にその記事の引継ぎを頼み、彼女と共に記事の取材を始める。彼の残した資料をまとめ始めると、彼自身がある山へツーリングに出かけて赤い鳥居をくぐると祠がありその中に人形が沢山供えてあるという奇妙な動画が撮影されており、気になる内容だった。
他にも女子児童が家まで40mの間で消えてしまいその叔父がダムへ身投げしたという動画、オカルトチェーンメールの動画と記事、オカルトユーチューバーが首つりの家と呼ばれる事故物件で生配信をしてその後に消えてしまうなど、幾つものおかしな話が集められていた。民族学者に聞くと、まさるさま、ましろさまなど似通った名前の言い伝えもあるらしい。
すると、どの事件も「近畿地方のある場所」へとつながっているようなのだ。小沢は段々とのめり込んでいき、彼にも怪しげなものが付きまとうようになってしまう。瀬野はこのままでは小沢まで失踪してしまうと考え、近畿地方へと乗り込むことに…。後は、映画を観てくださいね。
話題のホラー映画、観てきました。はい、怖かったんですが、話がバラバラしているんです。日本の怖いお話は言い伝えとか伝説から来ていて、それが伝えられながら変わっていって、恐怖がいくつもに重なっていくという感じかしら。昔話にある「まさるさま」が言い伝えられる途中で変わって行き、「ましろさま」とかなんとか子どもたちが遊びで使っていたりして、色々な因縁がその話に絡んでいったんだと思うんですよね。
「まさるさま」という伝説があって、山にいた男性・まさるが母親にべったりだったんだけど、母親が亡くなってしまい嘆いていたまさるに山の神様が、母親の代わりになる女性を柿を餌に連れてくればよいと教えて、まさるは柿があるからこっちへ来いと村に住む女性を呼んでいたようなんですけど、誰も怖くて近づいて来なくて、結局まさるは亡くなってしまい呪いとなってしまったらしいんです。
その言い伝えが大きくなっていき、色々な場所で怪異となって不幸を引き起こしていたということなんだと思うんだけど、なんとなく話がうまく繋がっていないんです。母親が亡くなり変わりの女性を手に入れられなかった男の怪異が発端だということは解ったんだけど、その後、小学生の息子を亡くした母親の霊とかが出てきたり、付随してきた呪いのようなモノがはっきりしないんです。
鳥居に女って書いてあるメモがきっかけで様々な呪いも集まってくるみたいなんだけど、それも何だかよく解らないんです。霊が集まってきて、目を付けられた人は死ぬとか、取り込まれるとか、怖いんだけど冷静に理由を考えると繋がってこないんですよ。もう”まさるさま”とは遠く離れてしまっているんです。なので、その呪いを解いたり、跳ね返したりする方法は全く分からないんです。
最初の方は確かに映像が怖いし、何が襲ってきているのかわからないので凄く怖いし、失踪した人はどこに行ったのか解らないし、解らないことが多くてそれが怖いんです。でもその呪いの原点が”まさるさま”ということが解ってきて、鳥居と女のメモと実際に存在する鳥居、そして何らかの宗教が崇めていた石が出てきて、まさるさまはどこにいったんだぁ~って感じなんです。
もしかしたら私が見落としたり、聞き忘れたりしたのかもしれないけど、どうしてもまさるさまから繋がっていかないんです。そして最後にこの取材の目的が解ってくるんですけど、それもいきなり出てきたねって出来事があったりして、うーん、まぁ、いいんだけど、もう少し話としてまとまりを持たせて欲しかった。
怖いのは認めます。でも怖いという理由がただ見た目だけで、本当にストーリーで怖いと思わせる作品ではありませんでした。物語自体は無理矢理色々な怖い話をくっつけて、繋がってないけどまぁ、怖いからいいよねって感じなんです。怖さだけを楽しむなら良いけど、ストーリーを観てしまうと冷めてしまいます。
あの、これ書いちゃうとネタバレになるかもしれないけど、赤楚さん演じる小沢と菅野さん演じる瀬野さんが謎を探っていくんだけど、小沢が取り付かれてしまって悪い方向に向かい、瀬野が引き戻しながら目的に向かっていくという進み方なんです。でね、この菅野さんが怖いのよ。
菅野さんが出演していたホラー映画で「催眠」というのがあるんだけど、主演が稲垣さんで菅野さんを助けようとする心理カウンセラーなんだけど、この時の菅野さんが何故か天井に潜んでいて稲垣さんの後ろの天井から狙っているという場面があって、凄く怖かったんです。私、今でも怖くて、ホラー映画を観ると、あの場面の怖さと比べてしまうんです。今回は、その怖さ再来と言う感じで菅野さんの存在が怖く見える場面がありました。
なので、ホラー映画として怖いのかと言われれば確かに怖いです。でもね、ストーリーは問題だと思いました。世にも奇妙な物語のように違う話をそれぞれ探っていくというなら解るけど、近畿地方のある場所に伝わる話が、日本中に散らばって怖い話になっていると言うことを解明したいんでしょ。それならまさるさまに繋がらなきゃダメだよねぇ。母親を思う息子、息子を思う母親ということは解ったけど、それ以外の事件はバラバラなんだよね。と私には疑問が残ってしまった映画でしたが怖かったです。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。ホラー映画なので怖さを求めるという点からすれば、確かに怖いです。ゾッとする場面もいくつかあり、良いと思いました。でもストーリーを観てしまうと繋がらない部分があり、私は最後の方で冷静になってしまいました。少し残念でした。ま、怖いので、それを楽しみに、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「近畿地方のある場所について」