「シンシン SING SING」罪を犯した人々が演劇を通して心を通じ併せていくお話でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「シンシン SING SING」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

無実の罪で収監された男、ディヴァインGは、刑務所内更生プログラムである「舞台演劇」のグループに所属し、日々演劇に取り組むことで生きる希望を見いだしていた。ある日、刑務所で一番の悪人、通称ディヴァイン・アイことクラレンス・マクリンが演劇グループに参加。演劇グループは、次の公演に向けた新たな演目の準備に取り掛かるが。

というお話です。

 

 

シンシン矯正施設に収監されているディバインGは、受刑者仲間で構成された小さな劇団に参加することで希望を見出していた。受刑者はリハビリの一環としてこの演劇に取り組んでいて、演劇監督の指導の下、ディバインGは俳優兼劇作家として取り組み、高く評価をされていた。

 

劇団員が一人減ったため団員ボシュをしたところ、刑務所内でも犯罪まがいのことをしているディバインアイが応募してくる。ディバインGとマイク・マイクは彼を入れるべきか検討し、ディバインアイを入団させることに決める。

 

 

新人を入れた劇団は次の公演に向けた新しい演目を考え、ディバインGが書いた真面目な戯曲をやることに決まるが、しばらくしてディバインアイが爽快なコメディをやる方が良いのではないかと言い出す。ディバインGは今の脚本をコメディに書き直すかどうするかと悩むが、演劇監督が色々なキャラクターを織り交ぜて書いて見ると言ってくれて彼に脚本を頼むことに。

 

出来てきた脚本は爽快なコメディでシェイクスピアのハムレットが出てきたり歴史上の人物が出てきたりと面白いお話で、配役決めでハムレット役をディバインGとディバインアイが取り合うことになってしまう。そしてオーディションで決まったのはディバインアイ。彼はその決定に報いるために演技を必死で勉強していくのだが。後は、映画を観てくださいね。

 

 

アメリカの受刑者たちが刑務所内の更生プログラムで演劇に向き合っていくというお話です。以前も同じような映画がありましたよね。「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台」という題名でフランス映画だったかな。同じ刑務所での演劇プログラムのお話ですが、内容は違いました。
 

この刑務所内で演劇更生プログラムを行うって、海外ではよくあるんですかね。日本の刑務所でもこういうプログラムってあるのかしら。確かに演劇を勉強することで他人の気持ちになって考える訓練になるので、被害者の気持ちも理解出来るようになるのではという事なんだろうけど、実際の所このプログラムで再犯率が減るのはごくわずかだそうです。ま、わずかでも減ってくれるならやる価値はあると思います。

 

 

主役のディバインGは冤罪で収監されているという事らしいのですが、なんで無罪で刑務所に入っているのかなぁ。この映画、色々と不思議なところがありました。で、自分の無罪を公聴会で証明すると言って証拠を集めていたりして、それって弁護士さんがやることじゃないの?そんな不思議な場面もありましたが、アメリカの現状を知らないので、そこはスルーして、劇団のディバインGとディバインアイの関係を追うことにしました。

 

ディバインアイは刑務所内でも同じ受刑者を騙してお金を搾り取るような酷いことをしている人間です。そんな人間なのに、なんでディバインGは劇団に入れることにしたのか。彼の表面的な部分ではなく、心の深い部分に何か光を見出したのかもしれません。その光がディバインGさえも惑わすことになるとは思わずにね。

 

 

色々な問題が起きていきそれぞれの受刑者の立場も変わっていくのですが、そんなに大きな事件が起きるというのではなく、静かに変わっていくというような感じで、映画自体は淡々と進んでいくような感じでした。とても良い内容の映画ではあるのですが、全体が暗くて、同じテンポなので眠くなりました。

 

主役のディバインG役のコールマン・ドミンゴ以外の役者は、この刑務所に収監されていて演劇を勉強した役者が出演していたそうです。それ以外にも関係者などが大勢参加していて、現実に違い状態で映画化されていたんじゃないかな。ディバインGの話はフィクションだとしても、演劇プログラムなどは同じような事をしていたんだと思います。

 

ただ、どうしても考えてしまうのが、これ刑務所でしょ。犯罪者が入っているんですよね。それなのにこんな風に楽しそうにカリキュラムをこなしたり、食事もしっかり食べているし、裏ではタバコでもドラッグでも手に入ってしまうんでしょ。本当に罪を償っているんだろうか。犯罪をして悪いことをしたと思っているんだろうかと考えてしまいました。こんな状態だから出所しても再犯率が高いんじゃないかな。

 

 

人権というけど加害者の人権より被害者の人権の方が大切じゃないの?罪を犯したなら厳しい償いをすべきだと思うんだけど、刑務所でぬくぬくして、仲良しごっこをして何年かしたら外に出れるのでは何の償いにもならないんですよ。だから刑務所に入りたかったとか言って殺人を犯すような事件が起こったりするんじゃないの?イスラムのような拷問は良くないと思うけど、もう少し罪の償い方を考えた方がいいような気がしました。

 

話を映画に戻して、更生プログラムで演劇というのは良いと思いました。それぞれが他人の気持ちを体感し、時には被害者の役をやれば少しはその罪の重さを感じるのではと思うからです。でも、全員が感情移入出来る訳ではないと思うので、ディバインGとマイク・マイクのような”こいつなら出来るかもしれない。”という目利きが出来る人がいないと大変なのかな。難しいですね。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。面白いというよりも良い映画だなぁ~という感じでした。私は途中で眠くなりましたが持ちこたえました。あまり期待していくと、穏やかで何も起きないような内容なので、軽い気持ちで観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「シンシン SING SING」