「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」モンテッソーリ教育を確立した女性の半生です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「マリア・モンテッソーリ 
愛と創造のメソッド」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

20世紀初頭のイタリア、ローマ。マリア・モンテッソーリはフランスの有名な高級娼婦リリ・ダレンジと出会う。リリは娘に知的障害があり、自分の名声を守るためパリから逃げてきたのだった。リリはマリアを通して、障がいを抱える子どもではなく強い意志と才能を持つ1人の人間として、ありのままの娘を知っていく。

というお話です。

 

 

高級娼婦のリリ・ダレンジーは母親の死後、障害のある娘ティナを引き取らなければならず、危機に陥る。大人気の高級娼婦に知的障害の娘がいることが知られれば、大スキャンダルになってしまう。自分の名声を守るためにティナと共にローマに移り、公的機関の障害児を預かって研究している施設に連れて行く。そこでは所長医師のジュゼッペ・モンテサーノと医師のマリア・モンテッソーリが障害児を助けるための研究をしており、リリはそこにティナを預けたいと頼むが、預かる場所が無いので毎日連れてきて欲しいと言われる。

マリア・モンテッソーリは長くジュゼッペと仕事をしており恋愛関係でもあるのだが、ジュゼッペとの結婚をマリアが拒んでおり、既に子供も生まれているのに一緒に暮らすことが出来ない。国からジュゼッペには給料が出ているが、マリアたちはボランティアとして働いている状態なのでマリア一人で子供を育てるのは無理なのだ。ジュゼッペは結婚しようと言うのだが、マリアは男性の所有物として生きる事は我慢が出来ないと了承しないのだ。



 

リリは、ローマに滞在を続け、ティナを研究所に通わせながら人脈も広げていきます。ティナが進歩し始め、自分の意志で文字を書いたり、答えを導きだしたりすることが出来るようになり、マリアの教育方法が成功しているという証明となります。リリはマリアに感謝し、何故自分でやらないのかと問うと、国はジュゼッペという男性にお金を出しているのであり、マリアは無給で働いていることを告白します。

リリは女性が成功するには自分でお金を稼がなくてはダメだと教え、彼女の教育法に共感してパトロンになってくれる人を探すようにと促します。そんな時、ジュゼッペがマリアとの結婚を諦め、家のために別の人物と結婚を決めてしまう。二人の関係は決定的に壊れ、マリアは自分一人で男性社会と戦っていくことを決意します。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画は、世界的に広がる教育法「モンテッソーリ教育」を生んだ女性マリア・モンテッソーリの半生を描いている作品です。モンテッソーリ教育って、日本では藤井聡太さん、海外だとGoogleの創始者やスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ピーター・ドラッカー、マーク・ザッカーバーグと錚々たるメンバーがあげられます。

 

そのモンテッソーリ教育というものが何か、私はよく理解出来ていませんが、映画の中では愛を持つて根気強く子供たちに接して、個々の考え方を尊重するように描かれていました。色々なおもちゃで遊び触れることによって感覚が鋭くなり知能の向上が進むようなんです。根気強く遊びに付き合い信頼を勝ち取れば教育も出来るようなんです。通常の学校だと個々で根気強くなんてありえませんもんね。全員に対してサラッと勉強を教える感じでしょ。

 

 

映画はこのモンテッソーリ教育についてを描いているのではなく、マリア・モンテッソーリという人物がどんな人で、どんな考え方を持っていて、どれだけ苦労をしていたのかということが描かれていました。何たって20世紀初頭ですから女性の権利なんてほとんど無くて、男性の所有物という認識しかなかったような時代です。

 

そんな時代に初めて女性で医者になったのが彼女でした。大学でも随分と迷惑がられたようですが、それでも一人で交渉をしながら勉強をしたようで、解剖学の授業も大変だったようでした。そして医者の免許を取ったのに、きっと病院に雇われることも無く、こういう教育の研究機関で働くことになったのかなと思いました。

 

 

映画では、マリアがジュゼッペと共に研究をして確立してきた教育なのに、マリアの存在など無いように、国の役人や審査をする人々はジュゼッペと話を進めていくんです。マリアが横から説明などをしても、全く聞く気はありませんでした。それくらい、女性の地位が低い時代だったんです。

 

この教育法はマリアが確立させたにも関わらず、彼女には給料も払わずなんですよ。このジュゼッペという男もマリアを理解しているように見えて、家のことや男社会が当たり前と考えていたんだと思います。もしマリアのことを理解していたら、彼女に対してお金を払っていただろうし、子供も一緒に育てていたと思います。

 

 

そんなマリアを理解する人物として高級娼婦のリリが出てきます。この女性はフィクションのようですが、知的障害児を持つ母親として出てきて、娘を恥じてパリからローマに移ってくるんです。この時代は子供に対しての理解はそんな感じだったんですね。現代でも障害児が全ての社会で受け入れられているとは思いません。もう少し彼らが自由に生きて、周りが助けることが出来るようになると良いなと思っています。

 

このモンテッソーリ教育というものが全ての人々に理解されるようになれば、障害児だからという考え方も無くなるような気がしました。誰にでも苦手なことはあるし、出来ない事もある。それは障害がある無しに関わらず同じです。それを責めなくて良いような社会になれたら、優しくてゆったりした人間になれたら素敵な世界になるんじゃないかな。まぁ、これだけ外国人が増えてしまったら、そんなゆったりしたことは言っていられないかもしれませんが。良き日本が失われつつあることが悲しいです。

 

 

マリアの半生を描いていますが、現実とは少し変えてあるようでした。フィクション部分が多かったようです。シングルマザーで息子を養父母に預けて仕事を続けていたようですが、この映画では父親側に引き取られてとなっていたので、どちらが本当なのかは判りません。でも息子が10代となった時にマリアに引き取られ、大人になってからは母親の仕事を手伝ったようです。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。実際のお話に随分とフィクションが混ぜてありましたが、解り易くストーリーを作ってくれたのだと思います。もう少し、モンテッソーリ教育について説明が欲しかったけど、それは別のモンテッソーリ教育の映画を観れば良いですもんね。これはモンテッソーリ教育を確立したマリアさんの半生のお話でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」