「知らないカノジョ」
を観てきました。
ストーリーは、
大学時代に出会い、結婚したリクとミナミ。8年後、小説家を目指していたリクはベストセラー作家となる。ある朝、リクが目を覚ますとミナミの姿がなく、打ちあわせのため訪れた出版社では人々と全く話が噛みあわない。やがてリクは自分がなぜか文芸誌の編集部員になっていることに気づく。そして街には天才歌手として活躍する“前園ミナミ”の姿と曲があふれていた。
というお話です。
大学時代に小説家志望の神林リクはミュージシャンを目指す前園ミナミと夜の大学構内で出会う。警備員に見つかり2人で逃げる2人は互いに惹かれ合い、付き合うことになる。お互いに小説家、ミュージシャンという夢を追い続けながら、2人は結婚することに。
8年後、リクは超人気のベストセラー作家となるがミナミは志半ばで夢を諦めていた。リクの仕事が忙しくなりすぎてすれ違いが続き、ミナミのメンタルも最悪となりとうとう2人は喧嘩をしてしまう。眠りについた二人だったが、次の朝、起きてみると隣に寝ていたミナミがいない。リクは一人だった。
そんな時に電話が鳴り、直ぐに会社に来いとキツく言われたリクは、作家に対して編集者がそんな言葉を言うなんてと怒りながら会社に行くと、何故か自分を作家としてではなく1編集者として見ているようだ。周りの反応などを見ていると、どーも自分はその会社の編集者の一人らしい。困惑するリクが外に出るとそこには沢山のミナミの広告が。ミナミは有名ミュージシャンとなっていたのだ。
先輩の梶原に相談をすると笑われたが、元の世界を取り戻すのに協力はしてくれるらしい。梶原の力を借りて今のミナミに近づく手立てを講じるのだが、ミナミには既にパートナーとなる人物がいた。後は、映画を観てくださいね。
この映画、2021年に日本公開されたベルギー映画「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」という映画のリメイクです。2020年のフランス映画祭で上映され、良い映画だなと思った作品です。この映画の予告を観た時に同じストーリーだなぁと感じていて、宣伝予告を観たらリメイクだと聞き、あー、あの映画だねと思い出しました。
日本版だと彼女の夢がシンガーソングライターに変更になっていましたね。元の映画だとピアニストなんです。なのでSF作家志望で中学校教師となってしまった夫は、元妻と全く接点が無くて近づくのに苦労するのですが、日本版はミュージシャンと編集者だから取材という名目で近づくことが出来るので少し楽なんじゃないかなと思いました。
リクとミナミは学生の時に知り合い結婚します。しあわせな毎日を送りながらも夢に向かって努力を続ける二人。そしてリクの小説が認められて人気作家となって行きます。8年後、2人は大体30歳くらいかな。まぁ、どんな夫婦でも最初の倦怠期が来る頃かしら。リクは人気作家になってしまい、仕事仕事の毎日。ミナミが彼のために家事をしてくれていることを全く顧みません。
ミナミはリクが全然目を合わさなくなっていることに気が付き色々と話しかけますが、リクは面倒臭がって相手にしません。これリクの気持ちが痛いほど解るんだけど、仕事が乗っている時って脳も仕事だけに集中しているから横から声をかけられても脳がその言葉に反応出来ないんですよ。容量全てを仕事に使っているので、余裕がないんです。だからミナミを嫌いになったとかではなく、相手に出来る脳の容量が無いんです。
きっとミナミも自分が成功していたらその状態が解っていたと思うんだけど、ミナミはリクの応援のために音楽を途中で諦めて、全部リクのフォローに使っているんです。そうすると、どうしても自分の方を向いて欲しくなる。そりゃそうですよ。ミナミにとってはリクだけなんですから。答えてくれないと寂しいでしょ。
そんなすれ違いがあって2人は喧嘩をしてしまいます。すると、目が覚めたら逆転世界になっているということなんです。リクは出版社の編集者で、ミナミはトップシンガーになっていて、リクが近づけるような存在ではなくなっているんです。どういうこと??と考えるけど元の世界には戻れず、その世界でミナミに近づこうと手を尽くします。
その時に頼りになる先輩の梶原さん。梶原さんはリクとミナミと同じ大学にいて、リクと同級生になっちゃったんだけど、4年間留年していたので先輩なんです。彼にも辛い過去があったりして、彼だけでもお話になりそうなんだけど、今回はリクとミナミのお話なので梶原さんのお話はちょこっとだけでした。
そんな梶原さんが協力をしてくれて、ミナミに近づくことが出来、色々な話をすることが出来るのですが、ミナミにはいやぁ~なマネージャー田所がいて嫌がらせしてくるんですよ。田所はミナミを商品として売り出すことには長けていたと思うけど、彼の愛情は嘘臭かったなぁ。一応、恋人ということだったけどパワハラで関係を結んだんじゃないのぉ?と疑いたくなる感じでした。
そんなお姫様を助けたい王子様。もー、中島さんが演じていると、つい王子様と言いたくなっちゃうわ。(笑) 助けたいんだけど、どう考えても立場が違うし、リクと付き合っていた過去は消えているので今回が初対面。通常考えれば無理な展開よね。絶体に付き合うなんてあり得ない状況なんだけど、何故かミナミはリクが気になり近づいていきます。
ミナミのおばあさんがキーになっているんですよ。おばあちゃんは認知症を発症しているんだけど、何故かリクのことを憶えている様子。もしかしたら認知症になると精神だけ色々な次元に飛んで他の世界を体験しているから、時々話が合っていたり合わなかったりするのかもしれないですね。そういう仮説が成り立つなら、このおばあちゃんはリクがいた世界に飛んで戻ってきているのでリクの事を何故か大切な人だと感じたのかもしれません。マルチバースの時代ですからねぇ。(笑)
そんなSFチックなお話ですが、ベースはラブストーリーなので恋愛映画を楽しんでいただければ良いと思います。素敵なストーリーになっていますよ。愛憎劇のようなドロドロは無く、相手の事を思っての行動をとっているので、ほんわかあり、感動あり、涙ありの素敵な恋愛映画です。
元の映画とちょっと違っているような気もしますが、この映画は綺麗にまとまっていて満足出来るようになっています。感動してまた中島さんが好きになりました。うーん、カッコいい。私のタイプではないですが好きなんです。miletさんも上手かったですよ。歌が上手いのはもちろんだけど、演技も酷くはありませんでした。監督が三木さんなので綺麗に撮られていましたね。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。ベタベタした恋愛映画ではなく、サクッと気持ちよく観れる作品だと思いました。出演者も良い俳優さんを集めているので安心して観ていられます。面白いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「知らないカノジョ」