「アンダーニンジャ」
を観てきました。
ストーリーは、
太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより忍者の存在は消滅したかに見えたが彼らは現代社会でも暗躍を続けていた。忍者組織「NIN(ニン)」の末端忍者の雲隠九郎は、暇を持て余していたある日、重大な任務を言い渡される。それは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、「アンダーニンジャ」と呼ばれる組織の動向を探るというものだった。
というお話です。
日本の歴史を陰で常に動かしてきた忍者。栄華を誇った彼らだったが、戦後GHQによって組織を解体され消滅したかに見えていた。しかし、現代でも忍者は秘密裏に存在し、日常に潜み、世界中で暗躍している。その数は20万人とも言われている。
ただ、末端の忍者は仕事にありつけないことも多く、「NIN」所属の下人・雲隠九郎もその一人だった。ボロアパートで暇を持て余す暮らしをしていた九郎は、ある日、重大な忍務を言い渡される。それは戦後70年以上に渡り地下に潜り続けている謎の組織を調べること。組織の名は「アンダーニンジャ」通称「UN」。
「UN」が潜んでいるという情報を得て、講談高校に学生として潜入する九郎。
転入試験日、追試を受ける野口彩花と出会い、彼女から学校及びクラスの情報を手に入れようと交流を持つが、どーも勘違いされたようだ。クラスメイトの野口彩花は高校生らしからぬ言動をする九郎を不信に思うも、何故か少し気になってしまう。
そんな最中、「UN」によって「NIN」の精鋭忍者たちが次々に襲われていく。「UN」の目的は一体何なのか。そしてついに、講談高校での襲撃が始まる。UNの暗殺者が校内に侵入し、生徒や職員を次々と惨殺していく。外部からの侵入者に加え、ずっと校内に潜んでいるUNは何者なのか。想像を超える戦いに巻き込まれていく、九郎と野口はどうなるのだろうか。後は、映画を観てくださいね。
うーん、私は好きですよ。カッコいいアクションを観せながらもギャグを盛り込んでいくという福田組のやり方、嫌いではないです。どちらかというと好き。でもね、前作の「聖☆おにいさん」しかり「アンダーニンジャ」しかりなのですが、脚本が粗いような気がします。このアンダーニンジャは私は原作を読んでいないので、あれ?というような部分も多くありました。
原作を知っていてこの映画を観るのなら設定を知っているので問題はありませんが、映画って、映画だけ観る人の方が多いので、細かい設定なども理解出来るような脚本にしないと面白くならないんですよ。それが出来ないのなら、単純なストーリーの原作漫画を選ばないと観ている人は何を観せられているのか理解出来ないまま映画が終わってしまうんです。
忍者組織は今も動いていて、影で治安を守っているということなんですよね。だけど表立って言えないから、忍者たちが小説家のところに夜な夜な行って、自分たちが解決してきたってことを訴えているってことでしょ。組織がNINとUNの二つしか出てきていないという事は、NINが忍者組織の大手ってことで良いのかな。他にも小さな忍者組織があると思ってよいのかしら。それとも1つにまとまっているのかしら。
人工衛星を打ち上げているくらいだから相当力を持っている組織だろうと想定出来るけど、宇宙服として使える忍者服を持っているUNも凄い組織ですよね。こんなに凄い組織が戦っているのに、政府は何もしていないのかな。警察庁管轄でもみ消しているのかしら。それなら一般人を虐殺するなんて作戦はダメでしょ。目立ちすぎるもん。その辺りは適当な感じでしたね。
原作を読んでいないので確実な事は言えませんが、原作に忠実に作っているのかしら。ラスト付近の九郎の戦いが原作と違っているようだったけど良かったのかな。この漫画、まだ連載をしているようなので、終わっていない原作を映画化するっていうのが、そもそも間違っていると常々私は考えているんです。原作者の望む形で映画化が出来ればよいけど、どうしても途中でラストを作らなければいけなくなるので、原作に込めた思いをぶった切る形になりますよね。原作者の思いを汲んで脚本を作ってくれていれば良いんですけどね。
この映画では、結局、UNが何を一番望んでいたのかはわからないままなんです。高校を破壊し、忍者を殺していくだけが目的じゃないと思うんです。日本をぶち壊すと言っていたらしいけど、それが目的なのかな。でも、そうするとUNの人々も酸素不足で死ぬことになるんじゃないの? どーもこの戦いって、無駄なような気がしたんだけど。原作漫画を読めば、それも解決するのかな。
UN忍者にはリクルーターがいるようで、天音さん演じる猿田も抜け忍としてUNにスカウトされていました。そのUNの偉い人は誰がやっていたのかしら。真っ白な防護服を着てガスマスクまでしているので、顔が全く見えませんでした。もし続編があればわかるんだろうけど、どうかなぁ。この映画、伏線的な部分が沢山あるのに、一切回収が出来ていないんです。
まず小説家の先生がどう忍者と繋がっているのか、NINの組織はどこにあって誰が総括しているのか、UNの方もしかり。そして仕事が無い下人が多いという説明があったけど、下人は組織の一員として給料を貰うのか、出来高制なのか。出来高というなら仕事を受けなくても良いはずで、それなら抜け忍という概念はおかしいですよね。組織の一員ではなくバイトなんですから。それ以外にも、色々と細かいことを上げていくとキリがないんです。
でも、役者さんたちのギャグは面白かったし、大笑いさせていただきましたので、その部分は良かったんじゃないかな。佐藤さん演じる小説家も変だったし、九郎のお隣の大野さんも川戸さんも面白かったし、浜辺さんのギャグも良かったな。コメディ部分は本当に笑えました。本編には全く関係が無いんだけどね。
加藤、蜂谷、猿田と主事に関しては、ほとんどギャグがありません。この3人は真剣パートだったのかな。真剣に戦って凄いアクションを見せてくれていました。猿田役の天音さん、良かったなぁ。凄くカッコ良かったんだけど、最後のアレは加藤が卑怯ですよね。まぁ、忍者だからそういう戦い方もあるんだろうけど、あの終わり方は可哀相でした。冷酷な加藤をお楽しみに。
私は面白くて随分と大笑いをしていたのですが、感想を書いてみると内容の筋が通っていないので上手く書けないんです。脚本が良い作品だと、感想ってあっという間に書けちゃうんですけど、今回は何度もつまづいてしまい、書くのに時間が凄くかかってしまいました。良いところを拾おうと思っているんだけど拾えないのよねぇ。凄く面白いんだけどねぇ。
キャストはピッタリで、とっても上手かったです。九郎と大野の場面で山崎さん、きっと笑ってたんだろうな。それに佐藤さんのタオル撒いて出てきた場面も笑ったなぁ。天音さんの場面はカッコ良くて嬉しくなりました。ムロさんと木南さんの出てくる場面はヨシヒコを思い出してしまい噴き出しちゃいました。メレブとムラサキそのまんまじゃん。福田監督作品、面白いんだけど、脚本がなぁ。ギャグに力を入れていると内容がモタモタしてしまい一般客には面白いと思って貰えなくなります。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。私は笑えたし、とっても楽しめたのですが、ストーリーを追っていくと、どーも理解不能な部分が出てきてしまいます。それにネタ回収が出来ていないのでやりっぱなしの内容になっています。それでもキャストは良いし、沢山笑えるので、私は楽しめました。こういう映画は、あまりこだわって観ないで、大笑いして流す方が良いのかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S 今話題のフジテレビが制作なので、あまり宣伝が出来なくて辛いかもしれませんね。面白くて笑えるんですけどね。
「アンダーニンジャ」