「アプレンティス
ドナルド・トランプの創り方」
を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
若き実業家ドナルド・トランプは、不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ破産寸前まで追い込まれていた。そんな中、政財界の実力者が集まる高級クラブで、悪名高き弁護士ロイ・コーンと出会う。勝つためには手段を選ばないコーンはトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授。コーンによって洗練された人物に仕立てあげられたトランプは事業を成功させるが、やがてコーンの想像をはるかに超える怪物へと変貌していく。
というお話です。
1980年代。まだ20代の気弱で繊細な若き実業家ドナルド・トランプは危機に瀕していた。不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ、破産寸前まで追い込まれていたのだ。人種差別をして物件を有色人種に貸さなかったと言うのだ。しかし、そんな事実は無いとトランプは訴えるのだが聞いて貰えない。
そんな中、トランプは政財界の実力者の集まる高級クラブで、悪名高き敏腕弁護士ロイ・コーンと出会う。大統領を含む大物顧客を抱え、勝つためには人の道に外れた手段を平気で選ぶ冷酷な男だ。そんなコーンが”ナイーブなお坊ちゃん”だったトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授し洗練された人物へと仕立て上げる。
ルール1 攻撃攻撃攻撃
ルール2 非を認めるな。全否定しろ。
ルール3 どれだけ劣勢に立たされても勝利を主張しろ。決して負けを認めるな。
3つのルールを胸に、コーンに弁護を頼み、政府への反撃を始める。コーンは手段を択ばず政府を脅し、訴訟を取り下げさせることに成功。そこから自信を持ったトランプは次々と自分の夢だったことに手を付けていく。ボロボロになったニューヨークを立て直すため、まずニューヨーク42丁目のボロホテルを買い取り、シンボルとなるトランプタワーに建て替えようというのだ。
困難を極めるがルールに乗っ取り強引なやり方で動き、やがてトランプは数々の大事業を成功させていく。次第にトランプとコーンの関係も変わって行き、コーンさえ思いもよらない怪物へと変貌していく。 後は映画を観てくださいね。
ドナルド・トランプ大統領就任前にこの映画を観れて良かったと思います。こんな人物が、あのトランプ大統領になったんだと思うと考え深いものがありました。若い頃のドナルド・トランプは、よくいる金持ちの息子っぽくて何も考えてないで理想だけ語っている男でした。ちょっと小太りでどん臭くて、鋭いという感じは全くしないんです。
でも、コーンと出会ってからどんどん変わって行き、眼の光も変わったように見えました。大雑把な考え方でガンガン行くようになったんです。まるで誰も自分の前に立つな、立ったら潰すぞ!と脅しているような目つきになり、誰も止めることが出来ないようになっていくんです。
その頃にはもう、今のトランプさんの片鱗をうかがわせるようになっていました。強くて他の人の話も聞かず、誰に嫌われても気にせず、自分の夢を最優先していくんです。夢のためならわき目も降らずにどんな手を使ってでも成功させていく。その根性ってすごいと思いました。どこまでも諦めないんです。こんな風になれたら、そりゃ成功するだろうなと思いました。
一般的に何かやる前って、人に変に思われないか嫌われないか、心配になりますよね。社会人として無難な道を選ぶと思うんです。でもトランプさんは誰に何と言われようと嫌われようと、自分の思った道を行くんです。周りなんてどーでもよくて、やったことに対して、評価は後からついてくると思っているんじゃないかな。強欲と言われようと悪い奴と言われようと、どーでもいいんです。
でも、何故か見た目は気にするんですよねぇ。太ってきたからと言って脂肪吸引をしたり、ハゲが出来てきたと言ったらハゲた部分の頭皮を切り取り縫い合わせるとか、ルッキズム凄いんですよ。奥さんのイヴァナさんにも豊胸手術をさせたり、見た目にうるさいオッサンでした。
若い頃はコーンさんにおんぶに抱っこで、全部コーンに任せてあーだこーだと言っていたのに、自分が成功しはじめるとコーンさんさえも見下すようになっていくんですよ。酷いでしょ。こういう人間っていやよね。夢に向かって努力するのは素晴らしいと思うけど、お世話になった方を見下すなんて人間としてクズでしょ。いつまでも崇めろとは言わないけど、どんなに立場が逆転しても、お世話になったことは忘れちゃダメですよね。
あ、そうそう、トランプさんにはお兄さんがいて、長男はパイロットになったんです。でも、海外ではパイロットと言ってもバス運転手やタクシー運転手と同じ扱いで、不動産会社の社長だった父親は家の恥だとまで言うんです。
最初の頃のトランプさんはそんなお兄さんでも尊敬していて、仲良くしているのですが、成功していくと、お兄さんが助けて欲しいと言ってきてもお金を渡して帰らせたりと態度が酷いんです。邪魔者だとでも言うように酷くて、お兄さんは失意の中で亡くなってしまいます。それでも全然悲しまなくて、それこそ血も涙もないって感じでした。
確かに若い頃からお金に対しての執着はあったんじゃないかと思うけど、それでもこんなにお金によって人が変わるんだと言うことが良く描かれていたと思います。トランプさんは成功したとは思うけど、それがそんなに偉いのかという感じですね。大統領はもちろん1番になったってことだと思うけど、でももう少し人間味があってもいいんじゃないかと思いました。妻のイヴァナさんに対しても酷かったもん。
トランプさんはコーンさんに基礎を創られたと思うけど、トランプさんの中に潜んでいた怪物が出てきて今のようになったのかなと思います。元々、そうなる要素はあったんだろうけど、もしこのコーンさんに出会わなければ、こんな極端な人間は出来なかっただろうと思う反面、こんな怪物になってくれたからこそ、もしかしたらアメリカを強い国にさせることが出来るのかもしれない。2度目の大統領はどうなるのでしょうね。怖いけど、ちょっと楽しみです。
あのセバスチャン・スタンさんがトランプを見事に演じています。ちょっとゲスな部分も良くやってくれました。それに対してジェレミー・ストロングさんはまるで冷たいロボットのような弁護士を演じてくれて、こちらは怖かったです。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。この映画、トランプの宣伝ではありません。そして全て事実かというのも違うようです。ですから伝記映画とは言えませんが、ただ、若い頃にこんな方々と出会って、トランプさんが成長したというのは本当なんじゃないかな。内容をすべて真実と受け取ってはいけないと思いますが、物語としてはよく出来た面白い映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」