「ランサム 非公式作戦」1987年に実際にあった外交官誘拐事件を元にしたフィクション映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ランサム 非公式作戦」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

内戦下のベイルートで韓国人外交官が行方不明になった。その事件が忘れ去られた頃、現任の外交官ミンジュンは、消えた外交官が生きている情報をつかむ。身代金を手にベイルートへ向かったミンジュンは襲われたところを韓国人のタクシー運転手・パンスに助けられ、見返りを求めるパンスと行動をともにしながら戦火のベイルートを突き進んでいく。

というお話です。

 

 

レバノン内戦下のベイルートで韓国人外交官が忽然と姿を消した。事件後、何の情報も無いままレバノンの内戦は悪化。外交官は見つからず、韓国人は全員、レバノンを退去した。

 

時間が経ち、事件が忘れ去られた頃、現任の外交官ミンジュンはたまたま省内に残っていた時にかかってきた電話に出る。すると声は聞こえないがモールス的な信号が受話器から聴こえてくる。それは関係者しか解らない信号でのメッセージだった。消えた外交官が人質として生きていることを知らせる暗号だったのだ。

 

 

時は大統領選挙とソウルオリンピックを控えた1988年直前の1987年。政府は悪評が広がるのを恐れて事件を隠蔽し、電話を受けたミンジュンが身代金を手にレバノンへ向かう事に。内戦下のレバノンでは現地の警察でさえ信用出来ない。

 

現地に降り立つや大金を狙った武装組織に襲われピンチに陥ったミンジュンは、居合わせたタクシー運転手として働く韓国人のパンスに救われる。金のためなら何でもするパンスを、韓国政府からの見返りをチラつかせて同行させることにしたミンジュン。

 

奇妙な協力関係で結ばれた二人は、時にぶつかり、互いを認め合いながら戦火が吹き荒れるベイルートの街を突き進んでいくのだが。果たして二人は捕らわれた外交官を無事に救うことができるのか? 後は映画を観てくださいね。

 

 

この映画、外交官のド・ジェスンが誘拐された実際の事件を元に作られています。もちろん内容はフィクションだと思いますが、外交官誘拐事件が本当に起きたそうです。

 

車で移動中の韓国外交官が武装集団に突然襲われ、外交官だけ誘拐されるんです。その時代、日本がバブル期に入った頃で武装集団は日本の外交官を誘拐したつもりだったようですが、韓国外交官だったためにどうしたらよいか解らずに放置していたようなんです。そして何か月後かに本人が隙をついて本国に連絡をして、生きていることが解り、ミンジュンが救出に向かうんです。

 

 

ベイルートの事情に詳しい元CIAの人や現地の協力者に頼み、外交官を拉致している集団に連絡を取って、身代金を払うから返して欲しいという交渉をするんです。そして500万ドルを払うという事で合意して、人質である外交官を助けようとします。でもね、韓国政府は大統領選とソウルオリンピックを控えていて、テロ組織などにお金を払って助けたとなると問題になるからと言って隠蔽し、裏で動くことにするんです。

 

助けられれば良いけど、失敗したら大統領の再選に影を落とすので成功したら報道しようと思ったようなんです。そして身代金もケチって半分は払うけど、もう半分は払わないと言い出したりして、酷い国だなと思いました。昔から平気で約束を破る国なんですよね。自国民でさえ裏切るというのに驚きました。

 

 

ミンジュンはまだ若手でこれからという外交官です。これから色々な国に派遣されてという時に、たまたま電話を取ってしまうんです。そしてレバノンに行くことになってしまいます。まぁ、ちょっと自分の欲もあってこうなるんですけど、それでも武装集団が待つ国に同胞を助けに行くなんて、簡単には出来ることじゃないですよね。まして1987年頃ですよ。まだネットが普及しておらず、情報手段がほとんどない時代ですからね。凄いと思いました。

 

観ていたら、必死で国際電話が出来る場所を探す場面があり、つい、え?スマホでいいのにと思ってしまったけど、この時代は携帯でさえ無かったのよね。いやぁ、みんなどうやって暮らしていたんだろう。ネットも無かったんでしょ。外交官の救出だなんて、恐ろしくて出来ませんよね。誰も信用出来ないし。

 

 

驚いたのは国を守る警察でさえお金を盗もうと狙ってくるってこと。ミンジョンがベイルートに着くと、直ぐに空港の係官が外交官が来たと連絡して、警察官が持ってきた身代金を横取りしようと追ってくるんです。え?守ってくれるんじゃないの?と思うけど、もう治安なんて無いんです。お金があったら早い者勝ちで、奪った人の勝ちになるようなんです。こんなんじゃ、何度身代金を運んでも無理ですよね。

 

この時代、電子送金なんて便利なモノはありません。すべて現金です。内戦状態の国なので小切手もありません。観ながら頭を切り換えていかないと、まったくストーリーについていけなくなります。なので若い人は1987年時代の事を知ってから行かないと、何で???ということになるんじゃないかな。私は既に生まれいてた時代なので理解出来ましたが、若い方には難しいかも。

 

 

もちろんお決まりの通り、一人で出かけたミンジュンの前には手伝ってくれるパンスというタクシー運転手が現れます。偶然なんだけど、誰かいないと無理よね。で、パンスが助けてくれます。最初は裏切ったり、騙したりとありますが、段々と2人の息が合っていきます。いいコンビでしたよ。「神と共に」でも共演しているふたり、ハ・ジョンウとチュ・ジフン。今回は普通の人間の役ですがカッコ良かったです。

 

このコンビで誘拐された外交官の奪還に成功するかはお楽しみです。最後まで息が付かせないような展開が待っていました。よく出来ていたと思います。面白かったです。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。ちょっと古い時代の実話を元にしたフィクションですが、上手くポリティカルアクションに仕上がっています。アクション映画としては超を付けたいけど、韓国政府の動きが胸糞悪くてイラッとしたのでつけませんでした。実際にそうなんだろうけどね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ランサム 非公式作戦」