横浜フランス映画祭2024
「日本のシドニー」
を観てきました。
ストーリーは、
小説デビュー作が日本で再出版されることになったフランス人女性作家シドニー。日本の出版社の招きで来日することになるが、あまり乗り気ではない。しかし約束をしてしまった手前、行かない訳にはいかない。
日本に着いたシドニーを担当の編集者・溝口が迎えに来る。見た目はカッコいいのだが、シドニーのバッグを持ち、後ろを付いてくるのがどーも気になってしまう。そんな不安を抱いたシドニーは、来日し、荷物を置きにホテルに入ると、そこには交通事故で亡くなった夫アントワーヌが待っていた。何故ここに?と尋ねるシドニーに”僕は君の妄想だから。”と返す。
編集者・溝口のアテンドで京都や奈良をめぐり、記者会見や読者との交流会に参加するシドニーは、次第に溝口の人柄に魅かれてゆく。だが、部屋に戻るとシドニーの前にはアントワーヌの姿が。
日本の伝統や文化、そして美しい風景によりシドニーの心は柔らかくなっていく。溝口への気持ちも膨らんでいく。アントワーヌとのフランスでの生活が強く残っていたシドニーだが、新しいモノに触れ、新しい自分を発見していく。後は、映画を観てくださいね。
この映画、3月に開催されたフランス映画祭2024で上映された作品ですが、そろそろ日本公開されるのかなと思いまして感想を書くことにしました。映画祭後に直ぐに書くつもりでしたが、今回のオリンピックでも判るように、フランス時間というか日本と感覚が違うので日本と同じように考えていると、ちょっとはぁ?という部分があるんです。そんな事があり、疲れてしまって直ぐに感想が書けなかったのですが、そろそろ書いて見ます。
フランス映画祭で上映された作品が随分と上映され始めているので、この作品も上映されると思います。
フランスの有名女優イザベル・ユペールさん主演で日本の俳優伊原剛志さんが相手役を務めています。内容は、有名作家をフランスから日本へ招くことになり溝口が担当をすることになります。シドニーはフランスの有名作家で、夫を交通事故で亡くして、それ以来、ずっと夫を忘れられずにいるんです。
そして何故か日本に来て、ホテルの部屋に入ったら夫が待っているんですよ。はぁ?となりまして驚くんですが、フランスから離れて精神的に何か不安があったからなのか、シドニーが呼び出したようなんです。そしてシドニーは日本は幽霊とか呼び出しやすいのかしらと考えたりします。
最初、担当の溝口がとても他人行儀というか、日本だと初めて招いたお客様にある程度の距離を保つでしょ。でも、それがシドニーにはおかしく映ったようで、変な担当だなと思ってしまうんです。でも、観光に連れて行ってもらったり、朗読会やサイン会などを担当してもらい、彼がとても日本的な人で礼にならった対応をしていて、シドニーの為にされていることを理解するんです。そこから溝口との距離が縮まっていき、惹かれ合っていくんです。
恋愛映画としては王道だと思うけど、そこに亡くなった夫の幽霊が現れるというのが、ちょっと笑ってしまう感じでした。夫の幽霊はシドニーの妄想だと思うから、シドニーが心の奥底で望んでいながら隠してしまっていることを言葉で表して、もっと自由に生きるべきだと言うんです。面白かったですよ。
京都の和風ホテルに泊まり、部屋に夫の幽霊が現れると日本は幽霊が出やすい環境なのかなと考えるんです。いやいや、普通は日本のホテルに幽霊は出ませんから。(笑)アントワーヌが言うには出てきやすいみたいなことを言っていた気がします。
亡き夫を懐かしく思いながらも、新しいステージに踏み出さなければと思い始めるシドニーの気持ちがよく解りました。寂しくても自分は生きて行かなければならないのですから、一歩踏み出して、色々な人とのコミュニケーションを取り、新しい作品も書いていかなければいけない。そんな映画でした。
イザベル・ユペールさん、もう71歳になるそうですが美しくて艶があって愛らしいですね。伊原さんと恋愛していても全然違和感が無いんです。素晴らしいです。フランス大女優のお一人で、これからも沢山の映画に出演されていくのでしょう。楽しみです。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。何か大事件が起こるような映画ではありませんが、静かに日本の歴史や文化を愛でつつ新しい恋愛を経験していく姿が描かれていて素敵でした。この映画を観ると、日本ってやっぱり綺麗だなぁと感動出来ると思います。今年中に公開予定です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「日本のシドニー」