「みなに幸あれ」今回はちょっとネタバレです。でないと説明が出来ないし理解不能の部分がありました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「みなに幸あれ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

祖父母が暮らす田舎へやって来た看護学生の“孫”は、祖父母との久々の再会を喜びながらも、祖父母や近隣住民の言動にどこか違和感を覚える。祖父母の家には“何か”がいるようだ。やがて、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が彼女に迫り…。

というお話です。

 

 

看護学生の孫は家族で田舎に帰る予定でしたが、母の具合が悪くなり家族より一足先に1人で祖父母の家に行くことになります。祖父母の家に着き久しぶりの再会に喜び、少し散歩に出ると同級生の男性に再会します。再会を喜びますが彼の父親は具合が悪そうで少し心配になりますが、その場は分かれます。

 

祖父母の家に帰るとおかしな音に気が付きますが、気にせずに寝ることにします。夜、物音で目を覚ました孫は、祖父母の奇妙な行動をみます。彼らが出てきた部屋をそっと覗いてみると、見知らぬ男性が拘束されて寝かされています。驚いた孫は祖父母に聞きますが、話していなかったのかと不思議がるだけで、見知らぬ男に関しては別に何も言いません。

 

 

そこへ、後からやってきた両親と弟が、騒ぐ孫に何言っているのと怒ります。言っていなかったかもしれないけど、知っていたでしょと母親は言います。何を?これは誰?どういうこと?と質問を投げかけると、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫ってくる。あとは、映画を観てくださいね。

 

この映画、賛否あるみたいだけど、展開が今まで観たこと無くて面白いと思いました。この理屈って私も考える事あるけど、まさか映画でやってくれるとは思いませんでした。うん、確かにそうなのよ。何事もプラスマイナス0となると考えると、どこかでマイナスしておかないと、自分がプラスにならないのよね。

 

 

この世の中の”幸せ”の量が決まっているから、誰かに不幸になって貰わないと自分が幸せになれないという理屈なんだと思うんです。でもこれ、ちょっとおかしいんですよ。幸せって個人個人、感じ方が違うでしょ。だからもしSM好きな人だったら、痛い事されても嬉しいじゃないですか。それって、幸せを貰っちゃってるって事でしょ。だから量が決まっているというのが、無理があるんですよね。

 

例えば、誰かを監禁して、その人が出会うハズだった幸せを潰すから、その分、家族が幸せになれるというなら、何となくそうかなと感じますよね。だけど、人間なんて、生きているだけで人から何かを奪っているんだから、こんな風に無理やり拉致するとかは必要無いと思うんだけどなぁ。スーパーで残っていた卵を買えた人と買えなかった人、買えた人が幸せで買えなかったら不幸でしょ。何か行動をすれば、必ず勝ち負けがあって、幸せと不幸に分かれているハズなんです。

 

 

そう思うと、みんなで幸せに何てなれる訳が無いと思うし、戦争はその究極の戦いでしょ。戦争は嫌だけど、いつでも誰でも、日常的に戦争をしていると感じるのは私だけなんだろうか。映画館だって、好きな席が取れれば幸せだし好きな席が取られていたら不幸でしょ。電車に乗ったって、座れたら幸せだし座れなかったら不幸でしょ。そう考えると、いつもいつも、人間って戦っていて嫌だなぁと思います。そんな事考え始めると、外に出たくなくなりますよ。

 

映画に話を戻して、孫のみが、その損得の仕組みを知らなかったという設定で、親が教えていなかったというんだけど、誰もが知っているのに、一人知らないなんてあり得ないでしょ。みんながやっている公然の秘密というなら、子供たちは面白がって子供の中で話が盛り上がるだろうから、一人だけ知らないハズがないんです。そして子供は残酷だから、不幸人に酷い事をするんじゃないかな。考えるだけでも怖いです。

 

 

不幸人を痛めつけて不幸にして自分たちは幸せになるというのは、まぁ百歩譲って解るんだけど、なんで祖母が子どもを産むの?もう、理解不能でした。それ幸せとか不幸に関係ありますか?もしかして、子供が生まれるのは幸せとか言っちゃってんの?今どき、子供が生まれたら不幸だという人が半分くらいいると思うけど。もしかしたら、両親も孫二人も、全員祖母から生まれていたりして。おいおい、スライム繁殖みたいだね。
 

不幸 vs 幸せというのはある程度理解出来たけど、最後の子供は、全く理解が出来ませんでした。ホラーとか不気味だからやったのかな?確かに気持ち悪かったけど、それ以上に何で祖母が?ということで頭の中が一杯になってしまいました。老人は欲情するなとは言いませんが、何?生殖能力が復活したって事。人を痛めつけて、不幸を随分と沢山取り払ったから、その分、大きな幸せである子供を授かったってこと?



 

なんかもう、幸せの基準が私の感覚と違うので、ホラー映画と思って、何やってもいいんだよってことなら良いんだけど、内容を理屈付けようとしても無理そうでした。みなに幸は無いんだよね。一部の人間だけが、幸せを独占するということなんです。そしてその幸せも、ちょっと一般的な幸せとは違うのかな。だって、不幸になっていったら目から血が出たり、身体の具合が悪くなったりするんですよ。きっと、この世界と同じ場所じゃなくて、パラレルワールドのどこかなんでしょうね。この人たちの不幸とは身体が壊れる事なのかもしれません。

 

主演の古川さんは、やっぱり上手いです。彼女一人でホラーを深めていたような気がしました。ほとんどの場面に彼女が出ていて、周りにおかしな家族がいるって感じでした。家族は本当におかしかったですよ。祖父母も両親も弟も、何か話しているんだけど、顔がのっぺら坊のようなイメージで、特徴が記憶に残らないような、そんな風でした。嫌だったなぁ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とっても違和感のある、不思議なホラー映画でした。この考え方は面白いと思いましたが、理解不能の無駄なホラー要素は、もう少し理解出来るように説明をして欲しかったです。古川さんはとっても良かったと思います。不思議な魅力のある俳優さんですもんね。今後も他の作品で頑張って欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「みなに幸あれ」