【演劇】「パラサイト」これは観るべき作品です。日本版に置き換えて、より面白くなっていました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【演劇】「パラサイト」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

 

90年代の関西
堤防の下にあるトタン屋根の集落。川の水位より低く一日中陽がささず、地上にありながら地下のような土地で金田文平の家族は家内手工業の靴作りで生計を立てて暮らしている。


一方対照的な高台にある豪邸では、永井慎太郎、妻の千代子、娘の繭子、引きこもりの息子賢太郎がベテラン家政婦の安田玉子とともに暮らしている。

 

ある日、文平の息子の純平は、友人がしていた家庭教師のバイトを引き継がないかと言われ、妹の美姫が偽造した大学の在籍証明を利用し、永井家の娘・繭子の家庭教師としてアルバイトを始める。永井家の息子の賢太郎が引き籠もりで絵を描いていると聞いた純平は、知り合いに帰国子女のアートセラピーの教師がいると言って、妹の美姫を紹介し、兄妹揃って、豪邸のアルバイトの職を得てしまう。

 

その後、美姫はズルい手を使い、当主の運転手を解雇させ、父親を運転手として紹介し、今度は、家政婦も追い出して、母親を家政婦として雇わせることに成功する。金田家の全員が、永井家に寄生して生きるようになるのだが…。

 

というお話です。

 

 

映画のパラサイトは、皆さんご存知ですよね。韓国映画で、アカデミー賞を取った作品です。そのパラサイトが舞台化され、上演されました。私は、一か月ほど前に、始まって早い時期に観ることが出来ました。

 

この舞台、本当に良く出来ていました。舞台を日本の関西に変えて、大阪の生野区周辺に住む人と、高台の芦屋市周辺に住む人との格差を描きながら、阪神淡路大震災を絡めて、解りやすくストーリーを作ってありました。

 

映画でも、父親が最後に金持ちの当主を刺し殺してしまうのですが、そこが、イマイチ、どうして刺したのか理解が難しいんです。確かに、自分たちは半地下の貧しい暮らしで苦しんでいるけど、それが不幸だと思っているように見えないんです。なので、金持ちが憎いと思ったかもしれないけど、刺し殺すほどの憎しみを感じられないんです。

 

そこを、この舞台だと、阪神淡路大震災があり、河近くの人々は流されたり、建物の下敷きになったり、家が火事で燃えたりして、死んだり、住むところが無くなっているのに、それを高台から眺めて、大変そうだねと見下げている姿があり、家を失くした金田は、あまりの違いに憎しみを持っただろうと言う事が、とても理解出来るんです。そこら辺の脚本が、とても上手いと思いました。

 

 

映画のパラサイトも面白いのですが、やっぱり韓国なので、どの心の動き方がちょっと違うんです。そこが、この舞台版だと、舞台が大阪になってるし、日本人として(金田は在日設定だと思います。)描かれているので、同じ日本人が観ると、とても納得するんです。演出・脚本が鄭義信さんなので、韓国版を翻訳してくださって、解りやすくほぐしてくださった感じなんですよ。とても良かったです。
 

そして、出演者が、またとんでもない俳優を揃えていて、今、これだけの俳優が揃った舞台が観れるのは珍しいというくらいだと思います。古田さん、宮沢さん、伊藤さん、江口さんが金田家。山内さん、真木さん、恒松さんが永井家。キムラ緑子さん、みのすけさんが、家政婦一家。もう、これだけで凄いでしょ。あまりにも有名俳優ばかりで、目がチカチカしちゃうほどでした。

 

この舞台を観ると、本当に貧困差って残酷な事なんだなと言うのがよく解ります。現在、貧困層が増えているという話をニュースで聞くと、格差は無くならないだろうと思うけど、もう少し、平均的にならないかなと思います。

 

どうして賃金が上がらないんだろう。大企業ばかりが儲けて、それを社員に振り分けずに温存しているからなのかしら。それに、税金を本当に喰ってますよね。補助金名目で、大企業が貰っているけど、大企業なんだから、税金から補助を受けないで、自分の所でやって欲しい。そして補助金分を使って、学費を無料にするとかすればいいのに。

 

 

過去最高の税収と言いながら、国民がこんなに貧困なんておかしいですよね。税金を多く取れたというのは、国民が裕福になって沢山収めたのではなく、ただ、全員からむしり取って、税金を取られたために貧困になっているとしか思えないんです。大企業が好調だったからとか言うけど、税金って増えてますよね。今の岸田が悪だと思うので、コイツを何とかしなければと思います。

 

話を戻して、この舞台、宮沢さんがとても頑張っていました。だって、彼、日本に帰ってきたころ、日本語がおかしいと言われていたほどなのに、今は、大阪弁もしっかり演じていて凄いです。頭が良いんだろうなぁ。それに伊藤さん、舞台でも上手いですね。ちょっとしたしぐさが、本当に気を使っていて、観ていると伝わってくるんです。若手が実力を付けているので、上の人達も頑張ってましたよ。さすがでした。

 

ここまでレベルが高いと、もう何の文句も無く、ため息しか出ません。これ以上、何か言おうと思うなら、劇場のTHEATER MIRANO-Zaの段差が少ないので、とっても観難いという感じかしら。背が低い女性には、辛いと思いました。私は、左のブロックの少し中心よりだったので、斜めに観れて、前の人の頭が邪魔にならなかったので、よく観れました。正面ブロックだと、背が低い方は辛いと思います。

 

 

本当に面白かったです。今もまだ、大阪で上演中ですので、もし、チケットが手に入るようでしたら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「パラサイト」