「LAMB ラム」怖いんだけどホラーと言って良いのか。でも怖かった。羊のアダちゃんは可愛いケド。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「LAMB ラム」

を試写で観ました。

 

Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。

というお話です。

 

 

山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。二人には娘がいたが、幼くして亡くしたようだった。二人は悲しみを乗り越え、今は平穏に羊飼いとして暮らしていた。

今の時期、羊の出産ラッシュで、毎日のように子供が産まれていた。イングヴァルとマリアには嬉しい毎日だったが、ある日、1匹の羊が産んだ子供を見て驚いた。その子は、羊の顔をしていたが、人間の身体を持っていたのだった。



 

子どもを亡くした二人は、奇跡だと思い、その子に、亡くなった子供の名前・アダと名付け、自分たちの子供のように育てることにする。顔は羊だが、首から下は普通の人間の子供なのだ。

どんどんと成長し、歩けるようになったアダ。二人はとても可愛がって育てているが、マリアは、子供を産んだ羊が目障りになっていく。

そして都会に行っていたイングヴァルの弟が帰ってきて、アダを気味悪がるが、イングヴァルは、この子は幸せを運んできたと言って、弟にも受け入れるように促す。家族は、とても幸せな日々を過ごしていくのだが、やがて”それ”は、彼らを破滅へと導いていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、”A24”が配給という事で、話題になっていますが、確かに凄い内容でした。はっきり言って、細かい部分を考察して楽しんでいると、スカッと肩透かしを食うという感じの内容で、想像力が豊かでないと、あれっ?という感じで終ってしまいます。私も、随分とあれっ?と思って、一体何だったんだろうと考えているまま、過ぎて行ってしまうという部分が幾つもありました。

でも、後から考え始めると、また、色々な思いがムクムクと盛り上がってきて、ゾッとするという感じを味わえました。あまり詳しくはネタバレになるので書けないのですが、少しだけヒントを入れて書いて行きますね。

 

 

子どもを亡くしたイングヴァルとマリアの夫婦。もう悲しみは振り払ったようですが、何か二人には、ぽっかりと穴が開いているような、そんな感覚があるように見えました。そんなある日、二人の前に、羊の顔をしているけど、人間の身体を持った子供が現れるんです。最初は驚いて、君が悪いと思ったかもしれませんが、どう見ても人間の子供なんです。二人は、亡くなった子供が帰ってきたというように、その子を可愛がります。

 

そりゃ、そうですよ。映画で観ていても、かわいい子供だもん。顔は羊だけどね。お面を被っていると思えば、それは、まぁ、かわいい子供と思えたのだと思います。言葉は話せないけど、理解は出来ていて、頷いたりして返事をします。まぁ、一緒に暮らしているのだから、かわいいと思います。でも、外から来た弟は、「キモッ!」と言います。そりゃそうよねぇ。顔は羊で身体は人間なんだから。通常の反応だと思います。どっちの気持ちも分かるけど、まぁ、一緒に暮らしていれば慣れますよ。

 

 

アダちゃんは、どんどんと大きくなって、人間の食事をして、言葉を理解し、両親と一緒にお散歩に行ったりします。うーん、シュールな絵ですが、まぁ、そんなこともあるのかなという感じで観てください。

 

母親のマリアは、キリスト教から来ているのかなと思いました。アダは羊なのでイエス・キリストという感じかしら。キリスト教では、羊は良い者、山羊は悪い者という考え方があるので、羊だったのかなと思います。でも、羊から生まれたのに、身体が人間って、はっきり言って、キモいよね。父親は何なんだろうと思うでしょ。そこは、ネタバレになるので書けません。私、手塚治虫先生の「ペーター・キュルテンの記録」という漫画を読んでいて、獣姦の場面があり、それを思い出したんだけど、それは、ちょっと忘れて良いかなと思います。

 

 

そうそう、アダちゃんは、身体は人間なんだけど、手の先は、5本指じゃなくて、2本爪でした。それじゃ、ご飯は食べ難いよなぁと思ったけど、日本みたいに箸じゃないから、爪にスプーンとかを挟んで食べれば出来るのかなと思いました。顔は山羊だけど、段々とかわいく見えてきます。目がパッチリで、まつ毛も長いので、よくTwitterとかインスタに載っている女の子そっくりなのよ。映画を観ていると、慣れて行くので、本当にかわいく見えるのよねぇ。自分の目が恐ろしいです。笑いました。

 

イングヴァルの弟がやってくるんだけど、どーも、他に行くところが無くなって、そこに戻ってきたのかなと思いました。だって、車から捨てられるんですもん。でも、彼は、ミュージックビデオを作るくらい、売れていたロックグループみたいでした。昔の事ですけどね。彼に関しても、実はっていうことがありそうなんだけど、どうなんでしょ。その辺りも、あまり書けませんが、まぁ、気になる存在ではあります。

 

 

気になることが沢山あるんだけど、解決はしないかもなぁ。スルッと話しが進んで、終わってしまうので、自分で想像をしないと、何だったのかな?となってしまいます。アイルランドの山岳地帯で、羊飼いを生業として生きている二人が出会った、奇妙な羊。亡くなった子供の化身かと思ったけど、そうではないようです。

 

アイルランドは精霊や魔女などを信じている、古くからの言い伝えを大切にしている国です。大きな自然の中には、何が住んでいて、何が生きているのか解りません。人間が、傲慢にそれを取り上げたり、干渉したりすることは、良しと思われていないのかなと思いました。あるモノは、あるがままに受け入れて、人間が手出しをしてはいけないのかもしれません。そんな気持ちになりました。


 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この100分ほどの映画の中にギュッと詰め込んで、観ている人間に、全く自分の考えが及ばないという事を思い知らせているような映画でした。頭をガンッと叩いて、サッサッと去っていってしまうような映画だと思いました。面白いでしょ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「LAMB ラム」