「夕方のおともだち」を観てきました。
ストーリーは、
寝たきりの母親と暮らし、市の水道局に勤める真面目な男・ヨシダヨシオ。筋金入りの“ドM”である彼は、街で唯一のSMクラブの女王様・ミホのもとへ通い詰めているが、近頃なぜかプレイに身が入らずにいた。やがてヨシオは、その理由が、かつて彼をこの世界に目覚めさせた“伝説の女王様”ユキ子のせいだと気づき始める。
というお話です。
ヨシダヨシオは寝たきりの母親と暮らし、市の水道局に勤める一見真面目な男。一方で筋金入りの”ドM“な一面を持ち、夜な夜な街で唯一のSMクラブへ通いつめ”女王様“ミホからお仕置きを受けている。
しかし、ここのところどうもプレイに身が入らない。その理由はヨシオには分かっていた。ヨシオをこの世界に目覚めさせ、突然目の前から姿を消してしまった”伝説の女王様“ユキ子が忘れられず、いつもどこかでユキ子の残像を追いかけながら暮らしていたからだった。
母親の介護をしながら水道局で働き、全く楽しみの無い生活を続けていたヨシダヨシオは、ある日、同僚に誘われてSMクラブへ。そこでユキ子女王様と運命的な出会いをし、Mに目覚めたのだった。その日からSMクラブへ通いつめ、女王様のお仕置きを楽しみにしていたのだが、ある日突然に辞めてしまったのだ。
その後、女王様として雇われたミホのところへ、ヨシオは通い詰めている。しかし、以前のようなエクスタシーを感じなくなってしまったのだった。
そんなある日、明るい太陽のもとミホと埠頭で釣りをしていると、思いもしない所で彼女を見かけ、ミホを置き去りにしてユキ子を必死に追いかける。ヨシオがたどり着いた果てにあるものとは。そしてヨシオとミホに待つ結末とは? 後は、映画を観てくださいね。
とってもエッチな衝撃作でしたが、面白かったです。山本直樹先生が原作の漫画を映画化したものです。このSMクラブって、話には聞くのですが、本当にこういうプレイをしているんですかね。観ていたら、あまりにも痛そうだし、本当に死んでしまうような事をしていたので、危ないよなぁと思いました。
だって、主人公のヨシダヨシオは、裸にされて縄で縛られて口輪をされて、首まで海に入れられているというお仕置きを受けているんです。少し波が来ると頭まで海に浸かってしまい、それ、死んじゃうんじゃないの?って映像から、この映画が始まるので、ちょっとビックりしちゃいました。それ、SMクラブじゃなくて、外に出てプレイしているけど、それもアリなの?って思いました。
そんな場面から始まった映画ですが、この主人公はとても真面目で、寝た切り?の母親を介護しているんですね。この母親、夫が亡くなってから寝たきりだというお話でしたが、どーも胡散臭いんです。だって、寝たきりと言いながら、自分でおむつは変えているようだったし、床ずれも出来ていないようだったんです。それでも、動かない母親の為に、毎日食事を用意し、おむつを廃棄し、真面目に仕事に行っては、直帰して介護をするという事をしていたんです。そんなヨシオがSMクラブにハマり、直帰して即刻で介護をした後にSMクラブに通うという事をしているようでした。
最初に出会ったユキ子女王様はいなくなり、ヨシオは興奮しなくなっていきます。本当の事言って、どうして痛めつけられて興奮するのかが理解出来ないので、イマイチ、ユキ子女王様への執着について、理解が出来ないのですが、まぁ、その辺りは、恋愛感情的なものに近いのかなと解釈することにしました。だって、痛めつける方なら、自分が優位の立つのだから、気持ち良いのかなと思うけど、痛めつけられて嬉しいっていうのが、どーも理解が出来ないんです。その辺りが、私には共感出来ないので、理解が薄いのかな。
SMの事は、ちょっと理解が問題でしたが、それ以外に関しては、ヨシダヨシオの気持ちは理解出来ました。母親の介護をしているけど、きっとヨシオは、母親の寝たきりは精神的なもので、自分に甘えているのか嫌がらせをしているのだと思っていたと思うんです。ミホとの会話の中で、母親に物差しで叩かれたというセリフがあり、どうも母親に結構虐待を受けていたようなんです。それがヨシオのMになった現況なのかなと思わせる部分があり、母親への思いがSMの世界にハマることになったのかなと思いました。
そして、ユキ子女王様がいない日々が、彼を追い詰めていきます。ミホに対しての気持ちは、女王様というよりは友達という感じに近いのかなと思いました。だから、母親が寝たきりになった代わりに、女王様に痛めつけられたかった、母親を感じたかったのかなと解釈したんです。これで合っているのか解りませんが、そんな母親への思いが現れていたような気がします。
ヨシオを演じた村上さん。昔から好きな俳優さんなんです。年をとっても、現役でカッコいいですね。虹郎さんのお父さんとは思えません。素敵です。そして、ミホ役の菜葉菜さんも素敵でした。自然体がとっても綺麗なんです。お二人が演じてくださったので、この映画が、ただのエロい映画にならず、凄く考えさせられる映画になったと思います。汚く観えませんでしたもん。SEXシーンもありますが、凄く綺麗なの。女性が観ても、全然、素直に受け取れる映画だと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。但し、好き嫌いがあるかな。それに、私のようにSMの気持ちが解かりづらい人間にとっては、ちょっと”何で?”という場面でつまづく感じがあるかもしれません。でも、観て行くと、これはその部分がメインではなくて、もっと人間的な部分が大切なんだなというのが解ってきます。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「夕方のおともだち」