「ワイルド・ローズ」夢を取るのか子供を取るのか。二つを天秤にかけないで欲しいな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ワイルド・ローズ」を観てきました。

 

ストーリーは、

カントリー歌手になることを夢見ているローズ=リン・ハーラン。しかし、2人の子どもを抱えるシングルマザーで、刑務所から出所したばかりの彼女にとっては、夢の舞台は憧れの場所でしかなかった。家政婦としてローズが働き出した資産家のスザンナは、彼女の歌を聞き、その才能に感動し、彼女をサポートしていく。卓越した歌唱力とカリスマ性で夢へと一歩ずつ近付いていくローズ。しかし、彼女は家族とスターへの階段との間で選択を迫られる。

というお話です。

 

 

荷物をまとめて刑務所から出てくる女性がいる。名前はローズ=リン・ハーラン。ドラッグを届けたことにより服役していたのだった。12ヶ月入っていた刑務所を出所し、途中で寄り道をしながらも実家へ帰る。実家には母親とローズの2人の子供が待っていた。

 

久ぶりに母親に会った娘と息子は、喜んでいるのだと思うが、ちょっとよそよそしい。育ち盛りの8歳と5歳の小さな子供にとって、1年の歳月はとても長かったのだ。以前にやっていた歌手の仕事は、GPS監視で夜7時から朝7時までは自宅に居るようにとの裁判所からの命令があるので出来ず、かといって、刑務所帰りの彼女に直ぐに仕事が見つかる訳が無い。仕方なく、母の友人のツテで家政婦の仕事を紹介される。

 

 

資産家のスザンナの家に家政婦として入ったローズは、ヘッドホンでカントリーを聞きながら掃除をしていると、スザンナがローズが聞いている音楽を聞き、カントリー曲を聞き始め、カントリー歌手だというローズを気に入ってくれる。気を良くしたローズは、図々しくスザンナに、カントリーの本場であるテネシー州のナッシュビルに行くためにお金が欲しいとねだってしまう。さすがにスザンナはそんな大金を、最近来たばかりの家政婦に渡すわけがない。しかし、2人の関係は良好だった。

 

スザンナは、BBCの友人にローズの事を話してくれ、彼女の歌っている動画を送ると、ローズが尊敬しているというDJのボブ・ハリスを紹介してくれる。そのイギリス行のチケットなどもスザンナが用意してくれて、至れり尽くせりの待遇にまたも気を良くして、電車の中で酒を飲み大騒ぎをしてしまい、気が付くとバックなど一式を盗まれていた。イギリスへ着いて、何も持っていない彼女はBBCまで走って向かい、ボブ・ハリスとの対面を果たす。そこで、自分で曲を作りなさいと言われ、いままでカバー曲しかやってこなかった彼女は、またも壁にぶち当たる。

 

 

それでもナッシュビルを目指しているローズに、スザンナが自分の誕生日に大きなパーティを開くから、そこで歌って、クラウドファンディングでお金を集めれば、直ぐにナッシュビルに行けるわと言ってくれる。そして来週のパーティまでに練習をして歌うことになるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

ある女性の紆余曲折の物語でして、主人公のローズの歌声がとても良いんです。あまりカントリーという曲を聞いたことが無いのですが、気持ちの良い歌だなぁと思いました。ローズは、歌は素晴らしいのですが、人間としてはクズなんです。最初、刑務所から出てきて、実家に帰った時は、マジでこの女、クズだなぁと思っちゃいました。だって、普通、本当に子供の事を思うなら、刑務所から出たら真っ直ぐに子供の所に向かうでしょ。ローズは男の所に行って、飲んでヤルことをしてから、家に帰るんです。いきなりクズでしょ。

 

 

実家に帰って、母親に仕事を捜しなさいと言われるんだけど、歌を歌うつもりでいるんです。でも、脚にGPSが付いていて夜は外に出られないし、まして、以前に歌を歌っていたクラブは1年も経っているのでローズ以外の人物を既に雇っているんです。何処までも、頭が悪いローズなのでした。で、仕方なく、母親の友人の紹介で家政婦として働くのですが、家政婦と言いながら、酷い掃除の仕方で、これ”ハケンの品格”の大前さんが見たら”お時給分働きなさい”と怒られますよ。

 

でもその家の女主人スザンナに気に入られて、良い方向に行くのですが、スザンナのご主人に刑務所帰りで子供が2人もいるという経歴を知られてしまうんです。お金持ちの家だったら、この経歴では危険と見なして家政婦としては雇わないですよ。ローズは、経歴にそれらのことは一切書かず、内緒にしていたんです。それはダメですよね。一度、そういう事をしてしまうと、何処へ行っても信用をされなくなってしまいます。嘘を付くと、必ずと言って良いほど、それ以上の不幸を背負うことになるんです。どうしてそういう事が解らないのかなぁ。

 

 

子供たちですが、自分勝手な母親に振り回されっぱなしで、ローズはいつも自分の母親に子供を押し付けて、夢に向かって歌の事を優先してしまいます。うーん、若いから夢に向かって頑張りたいのは解るけど、それなら子供を作るべきじゃなかったと思うし、それでも夢を追いたいと言うなら、子供を養子に出すとかを考えたら良かったんじゃないかな。

 

母親に振り回される子供たちの姿は、あまりにも可哀想で、子供の頃にこれを体験したら、心の傷としていつまでも残ると思いました。母親との間に溝が出来ると思います。映画では、仲良さそうにしていたけど、そう簡単ではないと思いました。

 

 

映画としては、とても考えさせられる映画で、シングルマザーが、自分の夢を取るのか、子供を取るべきなのかと葛藤する姿が、とても生々しくて、感動する作品でした。夢は大切だけど、誰もが成功する訳では無いし、というか成功する方が少ないくらいで、特に歌手なんて、歌が上手い人は沢山いて、その中で秀でるのは並大抵ではありません。これは映画だから良いけど、夢を叶えようとするなら、何かを犠牲にするのは当たり前と思ってやらないと、成功なんてしないと思いました。それは歌手だけではないですよね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても良い映画なのですが、超を付けなかったのは、ローズのクズっぷりが鼻に付いてしまい、好感が持てなかったからです。私、図々しい女、嫌いなんです。ごめんなさい。でも、映画としては、とても上手く出来ていて、感動しました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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