「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観てきました。
ストーリーは、
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、対照的にいつも自分らしさを失わないクリフだったが、2人は固い友情で結ばれていた。そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。やがて1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み映画史を塗り替える事件が発生する。
というお話です。
TV俳優として人気ドラマに出演し、有名となったリック・ダルトン。西部劇ドラマ「賞金稼ぎの掟」で、彼のスタントマンとして活躍したクリス・ブースを付き人として、現在は映画スターへの道を模索していた。何度か声はかかるものの、当たり役となる作品には出会えず、先は見えない。その頃、リックの家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督とその妻のシャロン・テートが引っ越してくる。
リックは悪役として起用され始めるが、あまりパッとせず、浮かない気分でいたのだが、共演した子役の女の子に最高の役者だと褒め称えられ、自身を取り戻すのだが、現実はそんなに甘くない。そんな時、イタリアの映画監督から声を掛けられ、マカロニ・ウエスタンに出てみないかとのオファーがあり、拠点をヨーロッパに移す。
リックの付き人をしているスタントマンのクリスは、スタントの仕事を探しているが、リックの口利きでも採用されず、今は付き人の仕事ばかりだった。しかし、親友のリックの手伝いをすることに不満は無く、彼の運転手などもしていた。ある日、彼を送った帰りに、道でヒッチハイクをしている女性を見つける。若い彼女を送っていくと、以前、撮影場所として使われたスパーン映画牧場に着いてしまう。
そこには何故かヒッピーの多数の若い女性と少数の男性が住んでいた。驚いたクリスは、牧場主のジョージ・スパーンに何かあったのではと思い、彼に合わせろと言って無理やり中に入って行くと、彼は生きており安心する。ヒッピーたちはクリスの車をパンクさせ、不敵に笑っており、怒ったクリスは一人の男をタコ殴りにし、パンクしたタイヤを交換させ、家に帰る。しばらくして、そんな出来事も忘れ、リックと一緒にヨーロッパへと旅立つクリス。
イタリアで4作品の主演を務め、妻を連れてハリウッドへ帰ってくるリック・ダルトン。イタリアでは成功するも、既にハリウッドでは使ってもらえない事は予想出来ており、リックはクリスに、付き人として雇っていることは出来ないと話す。クリスも察しており、仕方ないという事で、とりあえずは夜を迎える。その夜、彼らの身にあることが起きることに・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、俳優のリック・ダルトンとスタントマンで付き人のクリス・ブースの日常にあった出来事を描いているのですが、彼らの人生は、現代に生きている私たちと同じ悩みを抱え、苦しみ、友人を大切にし、酒を飲んで楽しむという、時代は変わっても、生きている人間は同じなんだなという事を教えてくれていました。
そんな彼らの人生に色々な人物が関わってきて、彼らが忘れてしまうような事が、相手には大きな事であり、問題が大きくなっていったりするんです。もちろん反対に、相手の何気ない一言が、リックの心を癒して、彼が飛躍するきっかけになったりと、人間、どんな風に相手に関わっているのか分からないという事が描かれていました。
リックのお隣に引っ越してきたポランスキー一家は、そこで幸せに暮らしており、妻のシャロンは、やっと映画に出始めて、自分が出演した映画を嬉しそうに観る場面もありました。屈託のない笑顔は、彼女が本当に映画界のドロドロしたものに惑わされておらず、幸せに暮らしていたんだろうというように見えました。そんな彼女が実際は、突然にマンソン・ファミリーに殺害されたのだから、酷い話ですよね。ま、この映画では、そこは置いておいてって感じなんですけどね。
この映画、3時間近くあるのに、私は、全然感じなくて、必死で観てしまいました。だって、誰が何処に、どうやって繋がってくるのか、ずーっと謎なんですもん。いつ、ネタが明かされるのかと思って、見入ってしまいました。面白かったです。
人間の人生って、不思議な繋がりがあって、一歩違えば、それが死に繋がったり、免れる事になったり、それこそ神のみぞ知るという事が実際にあるんですよね。私は、どんな神も大して信じていないけど、その人それぞれの運の強さというものは在るように思っていて、その運を掴んだ人が成功するんだろうなぁと思いました。
この映画でも、ハリウッドの誰もが”運”を掴みたがっているけど、ほとんどの人間は運を手にすることが無く、この世界から離れていくのだという事も描かれていたような気がします。そして、運を手に入れて、幸せを手に入れたと思われたシャロン・テートは、現実に殺害されてしまう。人生は、そんなに上手く行かないものです。
この時代背景、凄く面白かったです。観る前に、一応、シャロン・テート殺害事件などは調べてから行ったのですが、この時代って、人々が活き活きしていたようで素敵ですね。ベトナム戦争反対の声が大きくなり、ドラッグなどが横行し、街の中は危なそうだけど、でも、人は生きるために必死だったように見えました。
彼らが住んでいるビバリーヒルズですが、LAに行ったら、オプションツアーやタクシーに頼むと、その山に建っているスターの家を周って、紹介してくれます。ビバリーヒルズのスターの家の地図というのが、私が行った頃はお土産屋さんに売っていました。この映画の中のように、山をグネグネと曲がりながら登っていくんです。もし、LAに行ったら、ぜひ、ビバリーヒルズのスターの家ツアーに行ってみてくださいね。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。難しい事を考えず、素直に観て、楽しんで良い作品だと思いました。リックとクリスという二人の男性の人生は、私たちと何一つ変わらず、夢を掴んだと思ったら指の間から逃げて行き、いつも不安で、それでもそれなりに楽しい事もあり、友人も出来ていくんです。この映画を観ると、人生、そんなに捨てたもんじゃないよって思えて、良いと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド|映画情報のぴあ映画生活
![]() |
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド オリジナル・サウンドトラック
2,592円
Amazon |
![]() |
文庫 ファミリー上: シャロン・テート殺人事件 (草思社文庫)
1,296円
Amazon |
![]() |
文庫 ファミリー下: シャロン・テート殺人事件 (草思社文庫)
1,296円
Amazon |