「私は絶対ゆるさない」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
東北地方の田舎でごく普通に暮らしていた中学3年生の葉子。そんな彼女の平凡な日々が若い男達に無理やり輪姦されたことで崩壊する。ひょんなことから出会ったレイプ犯の1人の養父と援助交際の契約を交わした葉子は、地獄からの脱出、そして男たちへの復讐のためにひたすら金を貯め続ける。高校を卒業し、東京へと向かった葉子は全身整形を施し、昼間は真面目な学生、夜は学費や生活費を稼ぐために風俗で働くという生活をスタートさせるが・・・。
というお話です。
東北の田舎町で普通に暮らしていた中学3年生の葉子。正月元旦に無人の駅で母親の迎えを待っていると、何処からか車で近寄ってきた男たちに拉致され、そのまま家に連れ込まれ、男たちにレイプをされてしまう。一晩中、弄ばれた後、寝入った男たちから逃げ出し、歩いていると、あまりの酷い姿に驚いたおじさんやおばさんが、警察か病院に連れて行こうかと聞くのだが、家に帰ると言って聞かず、駅まで送ってもらう。自力で家に帰ると、正月からどこを遊び回っていたんだと怒鳴られ、父親には暴力を振るわれてしまう。母親も、葉子の酷い姿を見ても何も言わず、バカな子だとしか言わずに、庇ってもくれない。
レイプされた場所にカバンもメガネも置いてきてしまった葉子は、仕方なく、もう一度、その家を探して行き、メガネとカバンなどを持って帰ろうとすると、レイプ犯が一人いたが、一人では何も出来ない。帰り道、レイプ犯の養父という男が声を掛けてきて、送ってやると言う。そして車の中で、援助交際をしてくれないかと言われる。もう、どうでも良くなっていた葉子は、それを承諾。この田舎町から抜け出す事を思いながら、お金を稼ぎ始める。
高校を卒業し、東京へ出て行く葉子。親はお金が無いと言って全く援助をせず、自力で大学へ進む事になる。昼は学生、夜は風俗で学費と生活費を稼ぐ日々。そんな日々の中、風俗の店で出会った男性に良くして貰い、結婚を考えて欲しいと言われる。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
15歳で集団レイプされた方の手記を映画化したものです。結構、強烈な内容で、辛い話でした。後からなら、いくらでも、警察に行くべきだったとか、病院に行くべきだったと言えるのですが、その場で、その当事者だったら、怖くて、こんな事になってしまうのかも知れないと思いながら観ました。だって、15歳、中学3年で、まして田舎育ちで何も知らない女の子ですからね。まさか、そんな事をされるとは、思っていなかったのではないかと思います。とても可哀想でした。
その後、レイプ犯に復讐したいと思っていたのだと思いますが、復讐は何もしていなかったですね。私なら、色々な手を使って現実に復讐しますが、彼女は、自分の内部を殺す事によって復讐したと考えたようでした。
ま、そこまでは解かる。確かにそうなるかも知れないけど、その後、どうして風俗で働くのかが解らないんです。私なら、そんな事があって、自分が汚いと感じてしまって、気持ち悪いと思ったら、もう、そういう世界を見たくないと思うのですが、自分から風俗に突っ込んでいくって、どうしてなんだろう。気持ち悪くないんだろうか。そういう行為が気分悪くなりそうなんだけど、平気だったようなんです。で、その世界で生きて行き始めるんです。
人それぞれだから、仕方ないのですが、やっぱりイヤでした。看護師の免許も持っているのだから、そちらの世界で仕事をして、性行為がしたくなったら、男を買うので良いと思うんだけどなぁ。もう、男に虐げられるのがイヤなんだから、今度は虐げる方になれば良いのに。私は性格曲がっているんだろうか。
映画に関してですが、主人公の目線で撮ったということで、レイプされる目線や、風俗で接待する目線などで撮影がされているんです。でもね、これ、凄く見難かったです。この手法、なんで他の監督がやらないかというと、観ている人が辛いんですよ。この部分だけは主人公の目線でという感じで一か所のみならまだしも、ずーっとこれやられると、周りが見えないから。
例えば、日常生活でゴーグルをかけていると横が見えないから、毎回、首を回さなくてはいけないでしょ。それと一緒で、横を見ようとすると、画面を横に回すから目が泳ぐんです。映画は、出来れば、画面の中心1点を観ながら、その全体を観るのが良くて、それだから2時間集中しても大丈夫なのですが、毎回、回ったりしていると、目が疲れるし、脳も疲れるんです。そして、自分が見えない部分がある事で、イライラするんですよ。
そんな訳で、この映画は、非常に疲れました。本人の苦しさを描くなら、本人目線という手法では無く、他でやって欲しかった。悪魔で、映画は平面的な映像なので、観る人の事を考えなくてはいけません。あ、でも、アクションゲームや映画なら、真正面に向かって行く事しかないので、この手法も良いと思いますよ。
もし、今、レイプなどの被害にあったら、必ず、病院と警察に行ってください。もし、勇気が出ないなら、そういう被害にあった人が助けを求められる電話があるので、各地域の相談センターに連絡してください。自分の身を守る事が一番優先です。被害を受けたのは自分です。何も悪くありません。相手を潰す為に、出来る事をやりましょう。噛み付かれたなら、噛み付き返せば良いし、もし出来なければ、誰かにやって貰えば良い。相手を潰す権利があなたにはあります。権利は行使すべきです。そして、傷は必ず治ります。治らない傷なんて無いんですから。周りの人はみんな味方ですから、大丈夫。前を向いて下さいね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、ちょっと内容が衝撃的なので、誰にでもお薦め出来るかというと、ちょっとどうかなぁ。女性の問題を真剣に考えてくださる人には観て欲しい。こんな場合もあるんだと解ります。そしてこの映画を観て、女性の性被害を考えて欲しい。女性は全く悪くないんです。何故か時々、女性なのに被害者を非難する人がいるから驚きます。頭が悪い女か、又は、醜い容姿の女なのかな。男性から欲望の目で見られたことが無くて嫉妬しているのかも知れませんが、マジでテメェらいい加減にしろって殴りたくなります。私がこういう事を声に出して言うと、夫が口を押さえますが。(笑)ま、そんな映画ですので、もし、気になったら、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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