「われらが背きし者」の試写会に行ってきました。cocoサイトの独占試写会です。
ストーリーは、
イギリス人大学教授ペリーと妻のゲイルは、モロッコで休暇中にロシアンマフィアのディマと偶然知り合う。ディマから組織のマネーロンダリングの情報を聞いたペリー夫妻は、1つのUSBメモリをMI6に渡してほしいとディマに懇願され、突然の依頼に困惑するが、ディマと彼の家族の命が狙われていると知り、その依頼を仕方なく引き受けてしまう。それをきっかけに、ペリー夫妻は世界を股にかけた危険な亡命劇に巻き込まれていく。
というお話です。
大学教授をしているペリーは、弁護士の妻ゲイルと休暇をモロッコで過ごしていたのですが、妻のゲイルは、休暇にも関わらず仕事が忙しく、ペリーに構ってくれません。仕方なく、1人寂しくバーで飲もうとしていると、同じバーで高いワインを飲んでいたロシア人がペリーに寄って来て、一緒に飲まないかと誘ってきます。人見知りのペリーは断るのですが、相手に押し切られ、一緒に飲む事になってしまいます。
ロシア人のディマはロシアンマフィアであり、何故か初対面のペリーにUSBメモリを渡し、MI6に渡して欲しいと頼まれる。普通に暮らしてきたペリーにとって、ロシアンマフィアとかMI6など、全く関わりが無い人達であり、戸惑うペリーでしたが、頼まれごとをほおり出せない性格のペリーは、仕方なく動き始める。
ディマは、ロシアンマフィアのボスが変わり、以前のような人を大切にする組織では無く、金を追求する組織に変わってしまった事に失望し、その裏金の情報を流そうとしていたんです。MI6と連絡を取ったペリーは、それで終りかと思いきや、ディマと家族の命が狙われているのに、MI6が直ぐにディマを保護出来ない事を知り、彼を助ける為に、ディマと家族たちを助け出し、マフィアから守る為に、妻のゲイルと一緒に、ディマたちに同行することになります。そして、ロシアンマフィアの追撃をかわしながら、イギリスに逃がす為に奔走するのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
「裏切りのサーカス」以来、久々のハードなスパイ映画だと思います。ロシアンマフィアの金の流れを解明する為に、その金が振り込まれる先の口座番号を餌に、自分たちを逃がして欲しいというディマですが、なんか、もう少しやり方があったんじゃないかなぁと思ってしまいました。ペリーみたいな大学教授に頼んでも、普通なら上手く行かないっしょ。今回は、まぁ、小説だから何とか動いたけど、普通、動かないっすよ。大学教授って、変人が多いですから、人の為に正義感を持って戦うなんて、あり得ないと思うけどなぁ。
でも、ペリーはカッコ良かったですよ。だって、ユアン・マクレガーだもん。いざとなったらフォースを使える人だしね。(笑)でも、この作品は、マフィアのディマ役のステラン・スカルスガルドが良かったなぁ。カッコイイんですよ。オッサンなんだけど、家族を守る為に、必死で作を巡らすんです。それが、上手く行くかどうかは、映画を観て欲しいんだけど、こんなに気骨のあるマフィアが袖にされるような組織になっていくなんて、そりゃ、ロシアンマフィアの質が落ちたとしか言いようがないんだろうなぁ。
MI6の指揮をしているヘクターを、次期007の候補になっているダミアン・ルイスが演じています。静かだけど、内に秘めたドロドロした思いを抑えきれないような、ちょっと人間的な人物を演じていて、好感が持てました。私は、好きなタイプかなーって思いました。カッコ良いですよ。
思ったんだけど、こんな事件に巻き込まれて、その後、普通の大学教授に戻れるのかしら。夫婦の仲は、ゴタゴタの吊り橋効果で、戻ったように見えたけど、でも平凡な仕事に戻っても、襲われるっていうトラウマと、何もドキドキする事が無いという虚脱感とで、私だったら、何もやる気にならないかもって思うなぁ。何が現実か、良く分からなくなりそうですもん。
そんな事を思ってしまった映画でしたが、私は、この映画、お薦めしたいと思います。派手なスパイ映画では無く、ハードで暗いスパイ映画ですが、私、結構、このタイプ好きなんです。一般受けはしないかも知れませんが、ミッション・インポッシブルなどのスパイ映画よりも、よっぽどリアルな気がして、人の心が良く描かれていると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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