「私が愛した大統領」を観てきました。
ストーリーは、
1930年代アメリカ、多忙なフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領(ビル・マーレイ)は一番の理解者である従妹のデイジー(ローラ・リニー)と過ごすひとときが何よりの安らぎだった。1939年6月、ドイツとの開戦危機に備えアメリカの後ろ盾が欲しい英国王ジョージ6世夫妻が実家を訪問。歴史的なトップ会談が行われた夜、デイジーは思いも寄らなかった大統領の秘密に触れてしまう。
というお話です。

ルーズベルトの従妹にあたるデイジーという女性からみた、フランクリン・ルーズベルトという大統領についてのお話です。う~ん、人物としては、全く尊敬出来ない人だけど、政治手腕は素晴らしかったのかも知れません。女の目から見れば、どんだけ女をなめてるんじゃって腹が立つけど、この時代は、それも許された時代だったのかも知れません。
デイジーは、従兄のフランクリンの母親に、フランクリンの鼻炎の具合を見て欲しいと言われ、手伝いに行きます。手伝いに行ってみると、フランクリンは大統領の職務に追われ、鼻炎の具合を見るも何も、ただ、話し相手になるだけ。場違いだと感じたデイジーは帰ろうとするのですが、君と話していると和むと言われ、段々と、フランクリンに好意を抱くようになります。
フランクリン大統領って、小児麻痺で足が不自由だったんですね。全く知りませんでした。その事について本人が話す場面があるのですが、マスコミは、小児麻痺で足が不自由ということを書くと、障害を報道して差別したと思われると思って書かないのだというような事を言うんです。確かに、この時代は、そういう障害などは、隠すことが普通だったのかも知れません。でも、本人は、その障害も自分の一部なのだと認めて欲しいように思えました。そりゃ、当たり前ですよね。障害も含めて、一人の人間であるのだし、目の前にあるものを、観ていないようにされるのは、自分を否定されたような気持ちになると思うんです。あるがままの姿を受け入れて欲しいと思っていたのでしょう。
そんなフランクリンの姿をそばで観ていて、彼を助けたいと思ったのだと思うのですが、奥さんが居るのに、フランクリンと不倫の関係になってしまいます。フランクリンは、君が一番だよみたいな事を言って、デイジーをメロメロにするのですが、どうしてそんなインチキおやじに騙されるのよぉ~ってムカつきました。お互いが遊びだと割り切っているならまだしも、デイジーはのめり込んじゃって、それはダメでしょ~って思いました。
二人が付き合っている時に、大きな出来事があるのですが、あの「英国王のスピーチ」のジョージ6世が、フランクリンを訪ねてきます。戦争の手助けを頼みに来たのですが、英国王という立場上、面と向かって助けて欲しいとは言えず、フランクリン側も、助けて欲しいんだろうとは言えず、難しい駆け引きが続きます。この中で、ジョージ6世の吃音の話や、彼の兄が駆け落ち同然で国王を辞めたことなども描かれています。
フランクリンは、ジョージ6世の心を上手く解きほぐし、凝り固まったイギリスの考え方を変えさせます。そして、ジョージ6世は、アメリカ風の食事などを受け入れ、その姿は、アメリカでの高感度を上げて、戦争の手助けをすることも問題なく進むことになるのです。
そんな風に、相手の心も変化させることが出来るフランクリンにゾッコンだったデイジーは、ある日、フランクリンが、たくさんの女性とも関係を持っていることを知ります。自分だけだと思っていたデイジーは、裏切りにショックを受けて、フランクリンを許さないと激怒します。そんな時に、フランクリンと関係を持っている秘書がデイジーに、みんなの大統領なのだから、分かち合うしかないのよと説得しに来るんです。これ、観ていて、マジで納得出来ませんでした。同じ女なのに、何言ってんのって、私の方が激怒でしたよ。そんなもん、分かち合えるわけないっしょ!!
その後、デイジーが、どういう道を歩むのかは、映画を観て確認してくださいね。いくら素晴らしい大統領でも、私は、たくさんの女を囲っているような男は許せないけどね。ビル・マーレイのフランクリン・ルーズベルト大統領役は、結構、良かったと思いますよ。
でも、本当のルーズベルトは、ステキなオジ様なんですよね。ビル・マーレイよりイケメンだと思う。チャーチルは、ブルドックみたいな顔をしていたけど、フランクリンは、俳優のような顔でした。「TIME」の有名な写真で、チャーチルとフランクリンとスターリンが一緒に座っている写真が残っていて、この写真でも、フランクリンの足が不自由という事は判りません。面白いよね。
私は、この映画、まぁ、お勧めしても良いかなぁという感じかな。ハッキリ言って、スッキリしないし、ゆっくりした進み方だし、何を訴えたいかという事も明確ではないので、超お勧めとは言えないのですが、歴史の1ページとして、そういう時代に、フランクリン大統領という人が居て、どんな人だったのか、その周りには、どんな人が居たのかということが面白いと思います。「英国王のスピーチ」の番外編としても観れるしね。観た後に、古い時代の写真などを探してみると、面白いと思いますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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