行ってきました
映画『沈黙のパレード』
去年の夏
映画化が発表され
原作を読んで以来
ずーっと楽しみにしてきたんです
去年の夏は
夫婦2人で
観に行くことになるだろうと
思っていました
そうしたら
なんということでしょう
映画化を待っている間に
息子がどんどん
福山さんに
傾倒していくではありませんか
父親の影響って怖いですね
しかも、9月のコロナ闘病中
暇な時間を持て余していた息子に
夫が何を与えたと思います
昔、録りためていたTVドラマ『ガリレオ』ですよ
なぜ
なぜ今ソレなの
息子、ドハマりですよ
行くしかないじゃないですか
家族全員で
しかもですよ
私が
原作面白かった
原作面白かった
と毎日口に出すものだから
息子は「読んでみたい」って
言うじゃないですか
私が昨年図書館で借りてきた時は
ハードカバーだった原作が
現在は書店で文庫になって
しかも映画バーションの装丁に
買ってしまうではないですか…
映画バージョンの装丁の下には通常版の装丁
息子、初めての本格的な小説を前に
数ページで挫折
「やっぱり映画でいいや」って
読む気になった時がチャンス
と思ったのですが
早かった
しかし、映画の方も
本編130分と大作
今まで息子が観てきた映画の中で最長ではなかろうか
最後まで集中できるのでしょうか
フォーラム盛岡の
劇場入り口には
湯川先生のパネルが
これ、地味に笑ったりしゃべったりする
そして着席しますと
なんと、小学5年生の息子より
小さいお子さんが数名いらっしゃる
ガリレオ、恐るべし…
さて
今から映画の感想を書こうと思うのですが
これから映画を観られる予定の方
これから原作を読もうとされている方
どうかここでお引き取りくださいませ
激しくネタバレします
楽しみ半減どころではないレベルです
既に映画を観た
または
今後全く観る(読む)予定がないという方
引き続きよろしくお願いいたします
まずは何と言っても
役者陣の演技の素晴らしさです
柴咲さんの演技力に
改めて感動
ちょっとした仕草
セリフ回し
もう惚れ惚れでした
少しお見かけしない時期があったけれど
戻ってきてくれてありがとうございますという気持ち
そして福山さんと北村さんの
年を重ねてこその魅力
ため息ものです
主題歌もまた…ステキ
夫がだいぶ前から
ダウンロードしていた『ヒトツボシ』
映画を観ていない段階で
家で1人聴きながら泣ける
前奏が流れてきただけで泣ける
福山さんの書く詞がツボです
語尾が「ね」か「の」かで
受け止め方が全く異なるよね
などと1人で静かに興奮してしまいます
映像もまた
私が原作から思い描いていた
定食屋さんやパレードの様子など
そのままスクリーンへ飛び出てきたようでした
冒頭、並木佐織の輝かしい生前を凝縮したシーンの数々には魅せられました
さすが劇場版
こうきたか
と、涙しました
それだけに
それだけに…
新倉留美の動機が
「嫉妬」という
1つの単語にまとめられてしまった
という印象を受けたことが
残念無念
人間の複雑さを
段階を追って丁寧に
描いていた原作の素晴らしさに
改めて気づかせていただきました
原作を読んだ私の印象は
「嫉妬」だけではなかった
そして、並木佐織の描かれ方が
原作とは異なる印象を受けたため
人としての印象も違った
きっと映画のみを観られる方にとっては
その描写だからこそわかりやすくなっている
それはとてもよくわかって
さすがだな、と
あれだけの長編小説を
1本の映画にまとめるには
絶対にどこかで
何かを削らなければならない
何を、どこを削るのだろう、と思っていたのですが
そうだよね、仕方ないよね
でもねー
というところでした
少し前に観た『ONE PIECE FILM RED』と
どちらが泣けたかと問われたならば
私の個人的な指標では
『ONE PIECE FILM RED』です、というところ
『沈黙のパレード』は
この小説1冊分で
連続ドラマ1クール分
できるのではなかろうか
むしろそちらで観たかったかも知れない
いや、映画→小説の順で楽しめばよかったのか
長編小説が原作の映画化って
本当に難しいお仕事だと思うのですが
ぜひとも小説→映画の順で
楽しむことをオススメしたい作品は
やはり福山さんが主演された
『マチネの終わりに』です
こちらも今回同様
原作を読んでから映画を観に行きました
これはもう
いろんな場面が削りに削られているのですが
なんでしょう、その削られたものたちを全て
音楽が補填してくれているのですよね
そして、原作の中で
ここだけは役者さんの声で聞きたい
と熱望していたセリフは
完全体で存在しているのですよね
削りに削った部分は
他のもので埋められることなく
音楽で補填されているので
こちらとしては
原作からいただいた情報
背景だったり感情だったりを
全て映画に投影できました
同じ著者の作品である『ある男』が
来月の映画公開を控えていて
こちらも原作が面白かったので
非常に気になっている私です
ちなみに息子ですが
130分間、ソワソワすることもなく
最後まで鑑賞しました
原作小説を読む楽しさを
わかってくれる日がくるのでしょうか