ご訪問ありがとうございます音譜
コンフリクトマネジメントアドバイザーのユキエですビックリマーク

先日、ある医療機関の研修があり、考えるところがあったので、今日は医療コンフリクトマネジメントについて書こうと思います。

平成19年3月に厚生労働省が出した【医療安全管理者の質の向上に関する検討作業部会】の中の
医療安全に関する職員教育・研修の実施にあたっての指針に、
「患者、家族、医療関係者間での信頼関係を構築するためのコミュニケーション能力の向上のための研修」
が盛り込まれています。

これは、医療現場におけるコンフリクト・マネジメントの習得を推奨していると思われます。

通知が出されてから随分経ちましたが、まだ医療現場には十分にコンフリクト・マネジメントが浸透していないのかなという
印象を受けています。

医療機関での研修後アンケートでも、「初めて聞く」という方が多く、研修をきっかけに少しでもコンフリクトマネジメントが浸透していけばいいなと思っています。

医療現場で、何故、コンフリクトマネジメントが必要なのかというと、患者からのクレームが多く、医療者がその対処に追われ疲弊しているということ、また人の命がかかっていることなどが挙げられます。

そのため、医療機関によっては、「医療メディエーター」という患者と医療者をつなぐ対話促進者が置かれ、
問題が起こると医療メディエーターが入り、患者と医療者と医療メディエーターの3者でのメディエーションが行われています。

医療現場で、事が起きるとすぐに裁判になるという、いわゆる「医療崩壊」にならないために、裁判ではない形で、対話を通して解決をしていこうという動きです。

以前、ある台湾の先生からお話を伺う機会があった際、すでに台湾では「医療崩壊」が起こっているということを知りました。

日本でも、大学病院での医療事故や患者に対する暴力など、医療に対する不信感が募るような事件が報道され、
「医療崩壊」にはいたっていないものの、医療に対して少なからず不信感を抱く患者も増えてきたのではないかと思います。

だからこそ、医療コンフリクト・マネジメントが医療者に浸透し、医療者と患者の信頼関係が崩れないように、信頼関係で患者と医療者が結ばれた、気持ちの良い病院が増えるようにと願ってやみません。