昨日は午後出勤だったので、午前中は映画「月の満ち欠け」を観に行きました。
【ストーリー】
愛する妻(柴咲コウさん)と高校生の娘を事故で亡くした小山内(大泉洋さん)のもとに、ある日三角哲彦(目黒蓮君)という男性がやってくる。
三角は、小山内の娘が、かつて自分が愛した女性、瑠璃(有村架純ちゃん)の生まれ変わりだったのではないかと語り始める・・・。
【感想】ネタバレあり
私は原作は未読です。
「過去の幸せだった家族の風景(小山内)」と、「過去の悲恋(三角)」との時間軸が交差しつつ展開していく筋立てでした。
「生まれ変わり」がテーマでしたが、私は誰に感情移入していいのかわけらんうちに終わってしまった感じです。
時系列を考えると、小山内に会いに来た時の三角はもっと中年のはずですが、目黒蓮君の見た目はずっと若いまま。個人的に混乱ポイントでした。
同じ生まれ変わりをテーマにした作品に、「妻、小学生になる。」がありました。
あれはとても説得力があったし、やがて記憶が薄れて元の人格に戻ってしまうというタイムリミットがあったから切なかったのですが、「月の満ち欠け」は逆なんですよね。
なぜか7歳で瑠璃として覚醒(生まれ変わり)をして、だんだん過去の記憶が強くなっていき、人格が瑠璃になっていくという展開なので、もうこれホラーですよ。
もし私が夫を亡くした後に、近所の小学生男子がやってきて、自分は夫だと言って家族の思い出話をされたら、シンプルに「えっ、ちょっ、怖っ!!」となるし、生まれ変わりが本当だとしても、小学生男子とこの先どうしろと?ってなると思う。
伊藤沙莉ちゃんが自分の娘(覚醒して瑠璃の人格が発動)に、三角に会いに行ってこいと送り出すシーン。
いやいや、中の人格は瑠璃でも、身体は小学生よ?いくらかつて愛した男性だと言っても相手は中年よ?一人で行かせて何かあったらどうすんの?せめて母親がついて行こうや!!とモヤモヤでした。ドラマチックなシーンなんだろうけど、何だかなぁ。
これから先、身体は自分の子だけど中身は瑠璃という大人の女性を育てていく母親の気持ち考えたらいたたまれん。伊藤沙莉ちゃんは、瑠璃が親友だったこともあって覚悟を決めたんかもしれんけど、いやそれ残酷じゃね?と思ったよね。
ラスト、娘だけではなく、妻も身近な小学生に生まれ変わってた?と思わせて終わるところはやっぱりホラーでした。
妻の方が自分にベタぼれだったことをビデオを見て知る新幹線の中の場面で終わって欲しかったなぁ。女性陣、念が強すぎるよ!!
あと、田中圭君がモラハラDVの夫役。温厚そうな人が実は・・・の役がとても上手くて怖かったです。有村架純ちゃんの時の踏み切りの事故はともかくとして、次のあおり運転で事故を誘発しといて何も罰を受けないのは釈然としませんでした。
愛する人と死別した悲しみと再生の物語だったのかもしれんけど、結局だれも救えない話だったなぁという感想でした。
なんかこの感じ、見たことあるなぁと思っていたら、監督がこの人だったのですよね。
読み直したら、今回の感想とだいたい同じでした。自分と監督との相性かしら。
目黒蓮君と有村架純ちゃんの恋は、美男美女でうっとりでしたし、目黒蓮君はラブシーンを頑張ってたと思います。
劇場内は、すすり泣きも結構聞こえてきてたので、私みたいに屁理屈こねない人は、素直に感動できるのかもしれませんね
ではまたニャ~!