ホラー映画じゃないのにホラー映画より怖く、観た人にトラウマを与えるという伝説的映画「震える舌」。
私は、高校生の頃に読んだ漫画「ここはグリーンウッド」の中で、ものすごい怖い映画として語られていたのがとても印象的で、いつか観たいと思っていました。
昨夜、アマゾンプライムでたまたま見つけ、夫を付き合わせて観賞。
【ストーリー】
幼い娘が埋め立て地の泥遊びで破傷風になってしまう。
死亡率が非常に高い破傷風。
わずかな光や音の刺激でも激しい反応を起こしてしまう娘の病状は凄まじく、娘に付き添う父親と母親は疲労困憊。母親はだんだん精神を蝕まれていき・・・。
【感想】
娘が破傷風になり、回復するまでの話なので、特にネタバレうんぬんと言ったストーリーではありません。
光や音に反応して絶叫し、海老反りになって舌を噛んで口から血がドバー!!の子役の演技が凄まじくて、本当に破傷風になっているのではと思うほど。
トムとジェリーの好きなシリーズに「王様を起こさないで」というのがありました。お昼寝してる王様が絶対音を立てるなとトムに言って寝るのに、ジェリーがあれやこれやのイタズラで音を立て、起こされた王様がめっちゃトムを怒るやつです。
子ども心に、大きな音がする度に反応してハラハラして面白かったですが、「震える舌」はそれどころじゃない。大きな音がしたら即エクソシストなのです。
小児病棟のチビッ子たち、山盛りに運ばれて「絶対押すなよ」状態の食器ワゴン、狂ってしまって病室で騒ぐ母親・・・みんなみんな静かにしてってばよ!!
緊急治療のために医者から「乳歯だからいいよね」と言われて前歯を折られたり、気管切開したり、幼い我が子が目の前で死ぬかも・・・というところを延々と見せられるわけだから、そりゃ親は頭おかしくなるよねぇ。
母親が娘の状態を淡々と記録したマークが、呪いの亀甲文字みたいな感じですこぶる怖かったです。
うちの息子二人は小さい頃によく転んで顔を切って縫っているのですが、長男が目の上を切って縫合する時、病院で「お父さんは子どもさんを押さえつけて下さい。お母さんは見ない方がいいです」と言われ、私は診察室を出たのですが、夫は嫌がる長男を押さえつけた時の気持ちを思い出したと言っていました。
破傷風って、子どもの頃に親に「錆びた釘を踏んだら破傷風になる」と言われ、ナイチンゲールの偉人伝で破傷風は恐ろしい病気だと知っていたので、錆びた釘に対する恐怖心は大きかったです。
実際、なると怖い病気なんですよね。
1980年制作の本作品。
病院の古めかしさがすごいホラーなのですが、団地の感じとか、部屋の家電製品やインテリアも昭和レトロで懐かしかった。
あと、古い時代の映画を見る度に驚くけど、この時代はどこでもタバコをスパスパ。病院の廊下や待合室にも灰皿があって、今では考えられないなぁと思いました。
若い渡瀬恒彦さん(サロペットも着ていました。時代~)や、今見ると改めて寺尾聰さんそっくりな宇野重吉さん、凛として上品な医師の中野良子さん等、俳優さんの見所もあり、面白かったです。
でも当時の年齢でこれを劇場で観たら、やっぱり激しくトラウマだっただろうな~(笑)
俺はこの木札があるから、病気にならずに元気だニャ!!
若い渡瀬恒彦さんを見て懐かしくなった夫が、「戦国自衛隊」を見たくなったと言っていました。うん、懐かしい!!今度見ようっと!!