前回の続きです
「この人に抱かれるよ」
振り返ると
年下の上司がいました
頭に降ってきたこの言葉から
数日が過ぎたころ
上司と何となく打ち解けてきました
上司=クール、責任感がある
など固めなイメージだったのですが
私の前だけでは
ルンルン♪しているように見え始め
お茶目な一面とでも言いましょうか
クスッと笑って欲しいんだろうな
という変なリアクションがあって
正直、笑えるは笑えるのですが
仕事場で誰も見ていない隙の
一瞬の出来事とはいえ
どこまでその気持ちに
応えたら良いのか、、
ちょっと戸惑いが生まれていました
ある日、上司が休みで
休みと分かった瞬間に
「あっ今日は仕事に集中できるな」
と思ったし
いつくるかわからない
お茶目な一面に戸惑わずに
一日を過ごせるんだと思えば
とても安堵した気持ちになりました
私たちの仕事は
販売に関する仕事です
いつも通り
バタバタと過ごしていると
どこからともなく
「あっ上司だ」
という声が聞こえてきました
声の先を見ると
お客様として来た上司が
他スタッフと談笑をしていて
自惚れかもしれないけど
私に会いに来たんだな
と感じました
一通り皆と言葉を交わした後
私の方に話しかけてくれました
私は話せる嬉しさよりも
日々思っていた戸惑いの感情が大きくなり
会話のテンポよりも、思わず
「「あなたは私の事が好きなんですか?」」
という、心の疑問が出てきてしまい
口で言うわけではなく
ただただ困惑した表情で
その感情のまま無言で
上司を見つめてしまいました
好き、だの
愛おしい、だの
瞳の奥を覗いても
そんな気持ちが掴めずに
でもでも
気持ちの何かを掴みたくて
会話のラリーも早々に
ただ見つめていました
上司は空気を読むことができる人です
何かを察知したのか
私から見つめられた後
「「やってしまった」」
というような
表情を一瞬したと思ったら
すぐにきびすを返し
帰っていきました
私はというと
自分の感情に精一杯で
「「なんなんだろう、、」」
「「どうしたら良いんだろう、、、」」
その気持ちでいっぱいになり
その日を終えました