ミナです。
お読みくださりありがとうございます
初めての方は
内容がわかりにくいかもしれないので、
はじめのお話から読んでいただけると嬉しいです。
▼はじめのお話▼
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▼いっこ前の話しはこっち▼
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新しい仕事を始めて数カ月。
とにかく疲れ切ってた。
とにかく眠くて…
毎日のルーティンの他に何かをする
気力が全く湧いてこなかった。
それでも、
好条件に魅力を感じて転職を決めたのは自分。
たとえその条件が
思っていたのと違ってたとしても
選んだのは自分なんだから。
ここでできることを精一杯やらなくちゃ。
頑張ろう!
頑張ったら本当に
お給料が上がるかもしれないし。
頑張って子どもにお金のことで
我慢させないようにしなきゃ。
頑張れ!
頑張れ!!
と自分に言い聞かせるように
気持ちを奮い立たせるように
何度も何度も心の中でいった。
今思えば、
最初からその仕事内容に馴染めなかった。
嫌だな~って
心の奥底では思っていたのかもしれない。
それをかき消すように
がんばれがんばれと
何度も自分で背中を押していたのだろう。
そうしてないと
すぐにでも崩れそうな気がして…
クソまじめの末路までのスタートだ。
上司は熱心に仕事を教えてくれた。
上司の仕事に同行させてもらい
学ぶこともたくさんあった。
絶対に結果を出して生活を楽にしたい!
そのために頑張るんだ。
一人で外へ出たとたん
動けなくなったのは
それから1カ月後。
いつものように外勤に出た。
車に乗って訪問先へ向かう。
いつもと同じ。
何一つ変わったことはなかった。
ところが、、
到着したのに足が震えて下りられない。
手をドアノブにかけてるのに開けられない。
その手は冷たく固くなっている。
ダメだ、
こんなんじゃダメだ。
頑張れ、早く行かなきゃ。
・・・
・・・
・・・
結局その日は
そのまま出ることができず帰社。
上司に報告です。
上司はちょっと困った顔をした後、
「そーゆー日もあるよ!
みんなもっとサボりながらやってんだから
あんたもちょっと肩の力抜きな!」
「次、頑張って!」
翌日も
その翌日も
何をやっても上手くできなくなり
更に上の上司から呼び出しが。
かなりキツイ言葉で叱責された後、
「もう〆まで1週間切ってるんだから、
週末の休みはないと思って!
はい、頑張って!」
肩をポンと叩かれた。
あー、
頑張ってきたつもりだったけど
頑張ってなかったんだ。
なんでできないんだろ…
こんなことじゃダメだ!!
もっと頑張らなきゃ。
今週も休みないのかー。
息子預かってもらえるかなー。
きちんと仕事をこなせない自分を責め
結果を出せないがために休みが少なく
子どもに寂しい思いをさせている自分を責め
これまでやらかしてきた自分の失敗を
ふと思い出しては過去の自分を責め
あんなに眠くて仕方なかったはずなのに
ある日を境に眠れなくなった。
いや、正確に言うと眠ってたんだろう。
身体は疲れていたから。
眠りが浅かった。
何度も何度も夜中に目覚めた。
ただそれだけ。
そんな折、
仕事中に突然でんわが鳴った。
保育園からだ。
熱でも出したかな?
久しぶりだなー。
電話に出てみると、
担任の先生はちょっと焦った感じで早口に
「お母さん、お仕事中すみません。
○○保育園の○○です。
今インターホンで息子くんの父親だ
って名乗る人がきてて…」
・・・
・・・
ゾッとした。
一瞬、時が止まったかと思った。
わたしも焦って
「え...?その人今どーしてるんですか?」
同じように早口で聞く。
「一応園の規則をお話して
お引き取り願ったんですが…」
「少ししてからK先生(男性の先生)に
見に行ってもらったら
まだ園の前に車があって
園庭の方とか見て回ってるみたいで…」
スマホを持つ手が震えた。
震えながら
「うちの息子は?」
聞くと、すぐに奥の教室に移動してる
と先生は言った。
少しホッとしたけど
手はまだ震えていた。
なんで保育園が分かったの?
なんの為に来たの?
何しようとしてるの?
疑問しか浮かんでこない。
あれから今までほぼ連絡はなかったし、
月1万の養育費すら振り込まれなくなっていた。
仕事が終わるまであと3時間。
3時間なんていつもはあっという間なのに
その電話のあとは長かった...
息子は無事だろうか。
心配で仕方がなかった。
上司に事情を話し、定時になるとすぐに会社を出た。
迎えに行った時
元夫はすでに保育園からは姿を消していた。
早く息子の顔を見たい一心だったが、
先生に呼ばれて話を聞く。
父親だというその男は
インターホンを鳴らし
息子を迎えに来たので開けてほしい
そう言ったそうだ。
けれどその園では
迎えに来る人を3人まで登録していて
IDが発行されてる。
つまり
登録した人以外は園の中にも入れないし
園児を迎えることもできない。
加えて、要注意人物として元夫についても
情報を記載しておいたので、
先生たちは息子をすぐに外から見えない部屋へ
移動させてくれたんだとか。
「父親なのに子どもを返せないなんて
どーなってんだこの保育園は!」
と元夫は大声で叫んだみたい。
対応してくれた先生方に頭を下げ、
息子を迎えに行った。
元気に走ってくる笑顔を見て
心の底から安心した。
そんなこともあり、
相変わらず夜は眠れず
眠れないせいだろうか、
体がだるくて…
何も食べたくなくなった。
息子が心配するから、
子どもと一緒の時は
同じものを口にするようにしたけれど、
味がしなかった。
ここがまた始まりだったなんて
自分では気づかなかったんだ...
子どもと一緒にいられることが
幸せだったから...
だけど、
その時は刻一刻と近づいていた。