医龍4 Team Medical Dragon 4 | 世界の果てまで理学療法!

世界の果てまで理学療法!

「必要としている人に理学療法を。」
という理念のもと、発展途上国の人々や災害被災者に理学療法をどうやったら届けられるか考えます。

お久しぶりです。

10月から介入を続けていた患者さんが今週一人で屋外歩行ができるようになりました(^O^)/
まだ不安定ですが、このまま家族や介護者と歩行練習を続ければ自立歩行も可能でしょう。
自分の脳卒中リハについての知識や技術では患者さんを治すことはできませんが、運動や栄養など「患者さんが自らの力で良くなっていく」環境を整えました。
なので、良くなっていったのは患者さんの努力の賜物ですね。



その一方、先週、1年前に脳卒中を発症した40代の患者さんに出会いました。
麻痺側上下肢ともに麻痺の程度は中等度、前脛骨筋の随意収縮も可能。
年齢を考えても、麻痺の程度から推測しても「歩行可能」と予測できるレベルだと思います。

しかし、発症後からずっとリハビリテーションを受けずに自宅で寝たきり状態。
麻痺側の股関節と膝関節は拘縮し、ほとんど曲げられない。
非麻痺側への押し付けが強く、寝返りも重度介助。

発症後、リハビリを受けられる環境にいれば今頃歩いてたかもしれません・・・少なくとも発症したという情報がしっかり伝わっていれば、前任の方や自分が訪問できたかもしれません。


基本的に誰が脳卒中になった、障害を持っているといった患者情報の情報源は


「口コミ」


です。病院に入院した、退院した、という話を地域保健助手や看護師が知らない場合もあります。
訪問リハの対象患者もそんな感じでしか抽出できてません。
病院から保健センターへの申し送りなんてありません。
病院で働く理学療法士も退院したら、それっきりです。ほとんど気にもかけていません。


「今の医療制度からこぼれ落ちる命をビジネスの力で救いたい」


そう言ったのは、医龍4に出てくる岡村征です。


まさにこのことを痛感する症例でした。
保健センターでの医療はほぼ無料ですし、ボランティアによる巡回も無料です。
それでも現行の医療制度では救えない人がいました。


理学療法士が腕を磨いて、目の前の患者さんを良くする。


それだけでは救えない患者さんが大勢いる。
特に発展途上国と呼ばれる国には。

そんな現実を目の当たりにしました。




そして、今までは整形外科疾患を中心に学んできましたが、

理学療法士が脳卒中を何とかしないといけない

そんな風にも考え始めました。
特に整形外科やスポーツのことばかり考えているこの国の理学療法士を見ているとそう思います。
整形外科はいろんな他の職種の人が何とかしてくれる。
でも、脳卒中の病態や症状を理解して治療を行えるのはやはり理学療法士。
途上国の医療も進み、それまで死亡率の高かった脳卒中から生き残る人が増える。そうなれば、後遺症に苦しむ人も増えます。
それを理学療法士がなんとかせんといかん。


改めてボバース法、認知運動療法、川平法等、脳卒中に対する治療法をもっと勉強したいと思っています。

脳のなかの身体―認知運動療法の挑戦 (講談社現代新書 1929)/講談社
¥777
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今この本を読んでます。認知運動療法はペルフェッティ先生の著書しか読んだことありませんでした。

帰って一番最初に読みたい本はボバース・コンセプト。脳卒中領域の語彙力を増やすためにも英語で読みます。
Bobath Concept: Theory and Clinical Practice in.../Wiley-Blackwell
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認知運動療法―運動機能再教育の新しいパラダイム/協同医書出版社
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片麻痺回復のための運動療法―促通反復療法「川平法」の理論と実際/医学書院
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鹿児島とイタリアでも学んでみたい。特にイタリアには留学したい。


ただし、治療法についてだけではなく、今の回復期リハビリテーションの現状もどうにかしないといけないと思っています。
治るか治らないか分からないのに、というか、その議論と検証が臨床現場で十分に行われていないのにも関わらず、漫然と一日3単位×3療法が行われている。
医療費の無駄遣いです。



自分が進んでいくべき道、学んでいくべきことがまとまりつつあります。
理学療法のことも一人前にできないのに公衆衛生を語りたくありません。
まだまだ半人前なので、一人前になれるよう理学療法の勉強を続けていきます。


長くなりました。

それでは、また。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。