こんにちは! ゆきです
Amazon Prime Video で「夜明けのすべて」が配信されたので、早速見てみました。
最近、原作小説を再読したばかりだったので、映画はどんな風に描かれているのか興味がありました。
映画を観ていない方でネタバレを気にする方は、ご留意くださいね。
わたしは、映画よりも原作小説の方が好きです。
映画化するときに、原作改変するものが多いと思うのですが、映画「夜明けのすべて」は、原作よりもちょっと重い感じの改変に思えてしまって、もう少し軽めというのか、心がほっこりする感じで見たかったなと思ったんです。
原作では栗田金属に勤める藤沢さん(上白石萌音さん)と山添くん(松村北斗さん)を主人公に、各々が抱えるものをちょっとした感じで助け合っていく感じの話です。
藤沢さんは重いPMSに悩んでいて、自分では制御できない怒りを人に当ててしまったり、PMSの辛さから薬を服用して新卒で入った会社で寝てしまったりして、しばらくアルバイトをしていましたが、栗田金属とその職場の人に出会って、PMSで職場の人に当たってしまっても、上手に流してくれる職場の人たちに支えられながら生活しています。山添くんは急にパニック障害になってしまい、発作が起きてしまうから、電車に乗れない、仕事に行けない、人付き合いも以前のようにできないので、栗田金属に出会って、生きていくためにほどほどに何とか働いている、という感じです。
基本的な人物設定は小説と同じですが、物語の展開が小説の方が、もっと個人の力を信じているというのか、なんか温かいように思うんです、わたしは。会社が金属のネジを扱っている栗田金属が、映画だとプラネタリウムとかを作ったりレンズなどの光学系を扱っている栗田科学になっていて、そういう変更はあまり気にならないんです。
ですが、入っていて欲しかったシーンがことごとくなくて、わたしはすごく寂しかったんです。
藤沢さんが「ボヘミアン・ラプソディ」を観て、その感想を映画を観られないであろう山添くんに語りに行って、山添くんが学生時代にバンドを組んでいてQUEENを歌っていたから、QUEENに詳しかったり歌も口ずさんだりして、自分が音楽を好きだったことを思い出すシーン。
藤沢さんが買ってきた和菓子を食べて、美味しいものをただ食べていなかったことと、和菓子を好きなことを思い出すシーン。
藤沢さんが虫垂炎で入院したのをお見舞いに行くのに、山添くんが自転車を買って向かい、徒歩じゃなくても電車に乗れなくても、自転車で移動できることを知るシーン。
会社の人たちが何気なく藤沢さんと山添くんを見守っているシーン。
こういうシーンが観たかったんですが、観られなくて残念でした。好きな相手ではなくても、相手を気遣うことはできるし、お互いを助け合えることがあると伝えてくれる作品だったので、そういうところがわたしは好きだったんだなと映画を見てわかりました。
映画は、山添くんは栗田科学で働き続けることを決め、一方で藤沢さんが母親の介護をするために栗田科学を辞め、母と一緒に暮らすヤングケアラーになるところで終わります。PMSにパニック障害。それだって十分に描くことが難しいだろうに、加えてヤングケアラーまで出てきてしまって。それを選んだのは藤沢さんだけども、テーマが重くて、辛くなってしまいました。
小説を映像化すること、特に感情の機微を描くことは易しくないのかもしれませんが、わたしは原作ベースでこの映画を見たかったなと思いました。それも、好みの問題ですね!
今回はここまで。読んでいただきありがとうございました♡