こんにちは!ゆきです😊
久しぶりに朝から雨が降っていて、こんなお天気はいつ以来かしらと嬉々としています。
夏の雨降りの日はどこかに行く気にはとてもなれないけれど、涼しくて好きです。
さて、今日は本の感想です。
凪良ゆうさんの「星を編む」です。
「汝、星のごとく」の続編で、暁美と櫂を含むその周りの人たちの話を読むことができます。
「星を編む」では3編収録されており、
①北原先生と結ちゃんのお母さんお話
②2人の編集長のお話
③暁美と北原先生のお話
が読めます。ざっくり書きすぎですね(笑)
わたしは「星を編む」を読んで、北原先生のことをより一層好きになりました!
北原先生が自分を自分として生きられるようになった経緯と、暁美と櫂がそんな北原先生に出会って、北原先生と暁美がお互い勘違いしながらも少しずつ紡いでいく関係を知ることができて、読んでいて楽しかったです。
「汝、星のごとく」は、個人的にはただただ辛い話でしたが、この物語のあとにも登場人物たちは生活していて、どんな風に生きているのかを知ることができて、「星を編む」があって救われたなと思ったんです。
北原先生みたいな周りの目は気にせず、自分の生きたいように生きる生き方をしている大人(人間)を、わたしはカッコいいと思っています。
そんな北原先生も始めからそういう生き方をしていたわけではなく、周りのために生きてきた両親が、周りからは都合のいい人間として利用され、その代償として貧しい暮らしをして、子どもである自分にしわ寄せが寄っても、「家族だから」と犠牲にされたことに怒りを持っていたこと、そして、親が早くに亡くなっても周りにはいいように利用されただけだと結局思い知らされて、周りを思って自己犠牲して生きても、せいぜい周りにとって"都合のいい人"でしかないことを悟って、自分のしたいように生きたいように生きることに決めたんですね。
そんな北原先生が、暁美と家族になっていく様を読むことができて、個人的にすごく嬉しかったですし、暁美も北原先生のことを大事に思っていく過程を読むことができて、幸せでした♡
2人の編集長の話では、女性編集長の側に特に共感して読みました。「汝、星のごとく」では櫂に小説を書くように話を何度もして向き合い続けた女性で、一癖あるのかなと思っていましたが、この話を読んで、彼女は彼女なりにいろいろ抱えながら生きているんだなと知りました。
この女性編集長(二階堂さん)の配偶者が、理解ある風の男性なのですが、お互いの仕事のことを理解できているから、お互いを尊重して生きられるからと条件がいいからと婚姻を結んだわけです。
子どもが欲しい男性と、仕事が楽しくてキャリアを断ちたくない女性とが描かれ、女性側は、今子どもが欲しいと思えなくて「そのうち」と曖昧にぼかしているうちに、ある日突然「子どもが欲しいし、相手もいるから離婚してくれ」と突然離婚を切り出されます。
お互いがお互いを尊重して、これからどうしたいかをちゃんと話し合えていなかったことが一番の問題だと思いますが、女のわたしの立場からすると、この物語に出てくる"理解している風の男の人"が、「俺は君を理解しようと努めたけれど、俺を理解しようとしない君がいけない」みたいな感じで、厄介だなと思うんです。この作品の二階堂さんの夫さんは、今の二階堂さんの気持ちを理解している風であって、本当には理解しようとしていないように思うのです。「今はそうかもしれないけれど、いつか子どもを持ちたいと思ってくれるはず」という期待感がどこかにずっと漂っているようで、そういう気持ちを二階堂さんは重く感じていたのかもしれないなと思うのです。
一般的に仕事のキャリアを断つことが少なく、妊娠・出産・産後の身体の負担がないので、子どもが欲しいと言いやすいのだろうなと思うのですが、子どもは産まれたら終わりではなく、むしろスタートなので、配偶者の協力なしに子育てすることは正直厳しいと思っています。きっとこの女性編集長はできる仕事の幅や裁量が広がり楽しくて、子育てするにしても配偶者の協力がちゃんとあると思えたら、もしかしたら子どもについて考えたかもしれません。しかし、子育てを"お手伝い"と捉えているような人とは、子育てしたくないと思うのではないかと。子育ては夫婦の共同事業だと思っているので、配偶者の考え方によって楽しくもなるし、大変さを感じることの方が多いのかもしれません。わたしは子育てしていないので、想像することしかできませんが、この"理解している風の男性"が苦手だなと改めて思いました。
なんだか女性編集長の話でいろいろ思うことを書きましたが、この女性編集長はそのあと一人でもカッコよく生きているので、自分を曲げずに好きなことをして生きられてよかったなと思いました。わたしが性別的に女であるから二階堂さんに共感しましたが、他の人から見たら、全然違う見え方もするのだと思います。
どれも正解なんですよね。
今回はここまで。読んでいただきありがとうございました♡