こんにちは!
5月になり、暦の上では夏になったみたいですね。
日本には二十四節季があり、およそ2週間毎に移ろう季節に名前がついているなんて、
とてもステキだなと思うこの頃です。
さて、今回は20年ほど前に公開された「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」について書きます。
私は子どもの頃からコナンの映画を見ており、この作品は、個人的に好きな映画トップ3に入る映画なんです。
(なんなら一番好きかもしれない。)
今だから思うことも含めて、いろいろこの映画について書いていきたいと思います。
①社会を辛口に指摘する映画
この作品では、バーチャル空間で非現実を楽しめる「コクーン」というものが出てきて、
開発に携わった会社関係のお偉方や日本で財力を持つお偉方と彼らの子どもたちがたくさん出てきます。
作中で好き勝手に振る舞う2世・3世を見たコナンと灰原や、人工知能・ノアズアークが、
これを日本の悪しき縮図だと指摘する場面があります。
子どもながらに強烈だと思いながらも、そうだなと妙に腹落ちしていた記憶があります。
この作品は推理要素はあまり多くはないですが、エンタメ要素よりは辛口な現代風刺をしている点が、
個人的にとても面白いなと思っており、好きな理由の1つです。
②コナンの王道
名探偵コナンと言えば、シャーロック・ホームズが好きな工藤新一が主人公ですよね。
この作品には、バーチャル世界ではありながらも、1900年頃のロンドンを舞台に、
史実と小説を織り交ぜ、シャーロック・ホームズやモリアーティ教授まで出てくる。
私はシャーロックホームズシリーズがほとんど手つかずなので、胸熱とまではなりないが、
そんなレベルの人間でも、この作品はコナン映画の中でも原作色が強いように思うし、
原作好きにはたまらない作品であろうと想像できる。
そして、蘭ちゃんがちゃんとヒロインらしいし、歩美ちゃんのかわいらしさや光彦の気持ちが少し垣間見えるので、
とても楽しい。哀ちゃんもコナンを頼りにしている感じがいい。
初期作品ということもあり、作品の質が高く、普段から漫画やアニメを見ている層には結構受ける作品ではないか。
そして、近年(ここ10年くらいかな)は怪盗キッドや服部平次、安室さん、黒の組織、赤井さんなど、
人気メンバーに焦点を当てて物語る映画が多いが、初期作品のこの作品には、まだそのようなものがなく、
純粋に楽しむことが出来るように思う。
③ムーンショットみたい
Twitterでもたまに見かけるが、この題材そのものがムーンショットみたいだと私も心底思うのだ、
コナンたちは、「コクーン」という楕円状のカプセルのようなものに一人ひとりが乗り込み、
自分の意識をバーチャル世界に飛ばしてゲームを楽しむことが出来るものだ。
劇中で100年前のロンドンを訪れたコナンたちは視覚・聴覚だけでなく、寒さなどの触覚やスモッグなどの嗅覚までも
現実の様に感じると言っている。
光彦や歩美たちは「すごい!」と驚いているが、哀ちゃんは「五感を支配されているということよ」とサラッと言うのだ。
また、コナンたちが英語で書かれた本を開いたときに、ゲーム参加者が英語を読めるようにプログラミングされているため、
元太は「俺、英語読めるなんてすごいじゃん。このままでもいいや」というシーンがある。
ムーンショットも体・時間などの制約を受けずにバーチャル世界でいろいろなことを楽しめると書かれているが、
哀ちゃんの視点を欠如してしまうと、バーチャル世界に吞み込まれる人たちもいるのだろうなと思った。
便利さや刺激的なものに魅力を感じることもあるが、見方を変えてみたり、突き詰めて考えてみたりすると
見えてくるものがあるのかもしれない、と最近は思っている。
物事もほどほどにうまく活用できるといいのではないかな。
コナン映画のこの作品は、風刺がきいていて、個人的にお薦めです。