第11回『私の中のあなた』 | 大崎由希オフィシャルブログ「ゆきちーたいむ」Powered by Ameba

第11回『私の中のあなた』


こんにちは。
今回の映画は『私の中のあなた』。

監督は『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス。
主人公の母親にキャメロン・ディアス。

11歳の少女アナは、白血病の姉に臓器を提供するドナーになるために、遺伝子操作によって、この世に生まれた。
母親のサラは愛する家族のためにと、癌に侵されたケイトを救うため、幼いころから何度もアナに臓器提供の手術や治療を受けさせてきた。
そんなある日、「もうケイトのために犠牲になるのは嫌。私の体は私のものだ」と、両親を相手に訴訟を起こすことを決意する。
しかしその決断には、隠された秘密があった…



家族が助からない病気と分かったら、
あなたは自分の人生のどこまでを使って尽くすことができますか。
それは本人にとっても、本当に望まれたことでしょうか。

深刻な病気に蝕まれ続ける娘を前に、他の全ての犠牲を顧みず手を尽くす母親。
娘を守るためにもう一つの命を作り出し、狂気的なまでに延命に固執するその姿は、
強すぎる愛とイレギュラーな運命に何かが歪んでしまったようでした。
助からない命と認めず目の前の娘を生かすことだけを考えることは、
果たして本人にとって幸せなのか、それとも単なる親のエゴなのか…

使われるための命として生まれてきた次女アナはそれでも姉のケイトを愛し、
必死に看病をし続けていました。
そんな時告げられる、愛する人の最後の願い。
まだたった11歳の少女は、いったいどんな気持ちで、どんな決意でその願いを受け入れたのでしょうか。

病気の進行と共に歪んでしまったように見えた家族の形。
それでも壊れなかった愛に、本当の絆が見えたような気がしました。


また、
現在、青山・シアターイメージフォーラムでは、
「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ」と題し、
監督ニック・カサヴェテスの父、ジョン・カサヴェテス特集を開催しています。
19年ぶりにスクリーンに映し出される『ラブ・ストリームス』を始め、
ジョン・カサヴェテスの名作達に是非、出会いに行ってみてくださいね★

大崎由希