第12回『OLD BOY』 | 大崎由希オフィシャルブログ「ゆきちーたいむ」Powered by Ameba

第12回『OLD BOY』



みなさんこんにちは。


今回ご紹介する映画は『OLD BOY』。
2003年公開、パク・チャヌク監督による韓国映画です。
第57回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリ、
第37回シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞。
原作は土屋ガロン・作、嶺岸信明・画による日本の漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』。


突然何者かに連れ去られ監禁された主人公オ・デスは、15年後にいきなり解放される。
監禁中、テレビで自分が妻殺しの犯人にされていることを知るが、解放された時には既に時効が成立していた。
街に出たデスは、小料理屋で知り合った若い女性料理人ミドの協力を得て、監禁部屋のあるビルを探し出す。
そんな中ミドは、次第にデスに愛情を抱くようになっていく。
やがて2人の前にデスを監禁した男ウジンが現れ、「5日以内に監禁された理由を解き明かせ」と告げ、5日以内に謎が解けたら代わりに自分が死ぬという。
こうして、互いの命をかけた「デスゲーム」が始まった…


突然拉致され15年も監禁された上に、突然解放されたデス。
いったい誰が何のために…
復習を誓うデスの前に現れた男は、何故監禁されたか当ててみろという。
重要なのは、監禁ではなくそのあとであること、
自分を監禁した犯人に復讐を誓ったはずが、実は復讐されていた事実。
犯人と自分の関係は、そしてミドと自分の関係は…


想像のつかないストーリーが目まぐるしく繰り広げられる映画でした。
濃い、パンチの効いたスピード感のある展開に、思わず息を呑んで見入ってしまいました。
人間の心理。それぞれが信じていたもの。今目の前にある事実。
そういうものって、何かのきっかけできっと簡単に壊れてしまう。
復讐をされるように仕向けることで復讐をし、それによって最終的に自分の自我まで崩壊してしまったウジン…
それほどまでの執着心や、それを引き起こさせるほどの愛。
人間って、本当にもろくて弱い生き物なのだなと、
そしてそれと同時に、愛する人のために使えるパワーというのは本当に想像のつかないほどの強さがあるのだなと、いろいろ考えてしまいました。

どうしようもなくせつない気持ちになるラストですが、
自分のせいなこともそうじゃないこともどうしようもない事実も、
それでも全部背負って生きていくしかない。
そんな風に思わせてくれる映画でした。

みなさんもぜひ、このもやもやを体験してみてくださいね。笑


それでは。
また素敵な作品に出会えますように。

大崎由希