第19回『ショーシャンクの空に』 | 大崎由希オフィシャルブログ「ゆきちーたいむ」Powered by Ameba

第19回『ショーシャンクの空に』

 もし、事実ではない出来事に自分の人生をまるごと狂わされてしまったら…?
あまりにも非現実的な、しかし実際には誰しもに起こりうる恐ろしい現実に、思わず息をのまずにはいられませんでした…

 皆さんこんにちは。

今回ご紹介する映画は『ショーシャンクの空に』。
普段はあまりメジャーではない映画をご紹介することも多いこのコラムですが、
この作品は知っている方も多いのではないでしょうか。




 原作はスティーブン・キングの中篇作品集『恐怖の四季』に収録されている、『刑務所のリタ・ヘイワース』。1994年にアメリカ映画として公開されています。
監督・脚本は、ホラー映画の監督としても有名なフランク・ダラボン。
主演は『ザ・プレイヤー』『ミスティック・リバー』のティム・ロビンス。
共演のモーガン・フリーマンは本作品で主演男優賞を受賞しています。

 銀行員のアンディ・デュフレーンは、妻と間男殺しの罪で終身刑の判決を受け、ショーシャンク刑務所に収容される。しかし独特な自分の世界を持つアンディは、異様な雰囲気の漂う刑務所には馴染まずにいた。
 そんな中、調達屋と呼ばれる囚人レッドと知り合い、趣味である彫刻用のロックハンマーを調達してもらったりと交流を深めるうちに、彼を慕う囚人たちとも次第に打ち解けていく。元銀行員の経緯を発揮し、刑務官の税務処理や刑務所内の環境改善などに尽力し一目置かれる存在になるが、アンディには内に秘めるある考えがあった…


 たまたまその場にいたから。たまたま条件が一致したから。
たったそれだけの理由で殺人犯に仕立て上げられ、何十年という歳月の自由を奪われる。
実際に日本でも起きていますね。「不運だった」で片づけられてはいけないことです。
今平和に過ごしている私達にとっては現実味のない話ですが、実際に絶望の淵に立たされた主人公アンディの静かで意志の強い行動には、語り役として物語の核となる相方レッドのように、きっと誰もが憧れ、そして勇気をもらえるでしょう。
 「心の中には誰にも奪えないものがある…それは希望!」とはDVDパッケージの裏表紙にある言葉ですが、どんなにつらい目にあい続けようとも希望を捨てなかったからこそ、その先の未来が切り開けるということを、教えようとしていた気がします。
 また作中には、幾歳もの歳月を獄中で過ごし、50年ぶりの外の世界が不安で苦痛で自殺してしまう老人が出てきます。
「更生」という意味合いを持たせた牢獄生活で、社会との交流を持てず人としての感覚を忘れていく様は、ある種問題提起作品としてのニュアンスも含まれているように感じました。

 一番物語の核となる部分やその感想については、ネタバレになるので此処で書くのは避けますが、
今でも多くの人の心に、そして映画史に残る名作として愛され続けている『ショーシャンクの空に』。
みなさんにも、是非一度見ていただきたい作品です。


それでは。
また素敵な映画に出会えますように★

大崎由希