長年音盤を聴いていると録音運の良いアーティスト、悪いアーティスト
そういうのがあるような気がします
パスピエが聴いてきた範囲で指揮者とピアニストを一人づつあげると
指揮者はハイティンク、ピアニストではブレンデルとなります
ともにフィリップス録音
フィリップスの録音は一番安心して聴けるものですが、なかでも二人の録音には殆どハズレがなかった、もちろんパスピエが聴いたのはほんの一部ですが。
 

そのブレンデル
ハイドンのソナタと並んで大好きなのが「イタリア協奏曲」や「半音階的幻想曲とフーガ」などを収めたバッハ作品集

 


(左は国内盤が発売されていなかった時期に買った輸入盤
右はその後オリジナルジャケットのものが欲しくて買った国内盤)
 

とてもロマンティックなバッハで、これを嫌う人はいると思いますが
パスピエは大好き
バッハの鍵盤曲というとまずはグールドだったパスピエですが
近年はこんな美しい、ソフトフォーカスなブレンデルのバッハのほうががお気に入りです
演奏もさることながら、この録音の素晴らしさ!
どう美しいか?
長岡鉄男さんの録音評をネットから拾ってきたので載せておきます
 

録音は1976年5月。このCDはLPのイメージをそのまま残している。本来のピアノの音は、ジンジン、ピンピン、耳をつんざくような鋭い音ではない。柔らかくて芯のある音というのが本物だ。その音がよく出ている。余韻、ホールエコーが豊かで、ローソクの光(芯があり、明るい光があり、その周りにふわっと広がるオーラがある)のような音と音像、これはもう絶品である。しかし、透明度不足、全体にホコリっぽいのが欠点。それでもこれはいい録音だと思う。
(太字のローソク云々のくだりは覚えていました)

演奏、録音ともに申し分ないバッハですが、残念なことにブレンデルはバッハを殆ど録音してくれませんでいた。「パルティータ」や「フランス組曲」。。。
もっと録音していてくれたらな~
このアルバムを聴くたびに残念に思うのです