再建しないことを選択された方の情報を知りたいと思い、Googleで、"乳がん"と"再建しない"というキーワードで検索してみました。


すると米国では、最近、全摘後の術後ありのままの傷が残る姿をSNSで公開する方が増えていて、話題となっていることを知りました。

"Going Flat"と呼ばれているそうです。

早速、Instagramで、#goingflatとタグ検索してみると、術後の胸を大胆に撮影した多くの女性たちの画像があらわれました。中にはフォトグラファーに依頼して撮影されたような美しい画像もいくつかありました。その多くの女性が両側全摘されています。

共通していることは、皆、自信ある姿で写真に写っていること。

彼女たちはあまりに潔く、あまりに素敵。

これからは、隠したり、偽ったりせずに、ありのままの自然体で見せることも当たり前の時代になるかもしれないと感じました。
近年、LGBTを公表する人が増えてきたこともまた、似たような意味合いを感じます。

わたしはそれらの画像を見た瞬間、これだと感じました。少しだけまだわずかにモヤモヤしていた気持ちが吹っ切れると同時に、さらに気持ちを後押ししてくれたように感じました。

わたしは自然がとても好きです。
これまでにブナ原生林や山岳など歩いてきました。
そして嘘や誤魔化しが嫌いで、
いつも馬鹿正直。

そんな性格の自分は、やはり、あらためて再建しない選択が自然に感じます。そして片側だけでなくもう片方にもリスクがあるなら、両側全摘するほうがバランス良くしっくり来るようにも感じてしまうほどです。

これで昨日の遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の遺伝学的検査の結果が陽性になったとしても、怖くなくなりました。



わたしは今のところ非浸潤性乳管がんと診断されていますが、範囲が広いため乳房温存は難しく、全摘するしかありません。

でもたとえ温存可能だったとしても放射線治療をなるべく避けたい気持ちが大きいため、全摘が確定する前にもうすでに全摘することを考えていました。


また、昨日の遺伝学的検査のカウンセリングを受けた時には、再建しないことを98%の確率で決めていました。残りの2%は、念のため形成外科の先生の話を伺ってから判断するつもりでした。


そこまではっきりと決めていた理由は、近年、乳がんとは関連のない発がん性物質を含むシリコンが存在していたことを知ったこと、また、感染症が起こったり、人工的なものなので破裂する恐れがあることなどがあります。


もちろんおっぱいを失うことは苦しいです。


これまでの人生において、このおっぱいにまつわる良い記憶、忘れられない思い出が蘇ります。


でも再建することで発生する僅かなリスクが、怖い。


また、乳腺外科の先生からは、"合併症のリスクがあるのに、皆、再建を軽く考えすぎているところがあります"と伺ったことが、さらに再建することから気持ちが遠のきました。


この"Going Flat"を知り、再建しない気持ちが99.9%になりました。


残りの0.1%は、手術が終わっていないので術後の気持ちがまだ分からないこと、そして未来のこと、例えば10年後の再建に関する医療技術については今の段階では予測することができないからです。