※4/30の投稿の再投稿です。




高校時代に英国へ留学。当時は思春期で感受性多感な時期だったから色々と大変な思い出しかなかった。

  



大学に進学し、自分の興味は何かを探していた時、「自分はアジア人なのに、アジアを知らない。」と思い、アジアに留学しようと思った。




それに、自分の中で過去の日中間の戦争やそこで起こった出来事への関心が高く、例えば南京大虐殺でも、日本兵に殺されたという中国人の犠牲者の数に違いはあるけど、メディアを通じて見えてくるのは実際に何が起こったのかわからない。自分の目で見てみようと思った。





そこで大学が提携先を結んでいた香港中文大学へ留学。そこで広東語を学んだ。

  



香港に滞在しつつ、色々なアジアの国をバックパックで回った。





ベトナム、タイ、カンボジア、マカオ、中国・・・。






中国では2か月間青島に滞在し香港系の企業でインターンシップも体験。





その中で、ある日、そこに住んでいたチャイニーズアメリカンやコリアン・アメリカンの友人たちと一緒に南京へ(周りが皆中国系の中唯一の日本人だったから、少し勇気が必要だったが、。)





そして南京では、祖父母が日本兵に殺害されてまだ傷を引きずっている・・・という女性の家に泊まった。





彼女は、「私もあの博物館行くのがまだ怖いけど・・でもあなたが行きたいといなら、一緒に行くわ」と一緒に行ってくれた。





当時お付き合いをしていたチャイニーズ・アメリカンの彼は、「そこに行くと、自分が傷つくから、行くべきではない」と止められた。





私が「明日博物館に行ってくるね、。少し怖いけど」と父に話すと、歴史をよく勉強している父からは、私の中の恐怖心を知ってか、「戦争を起こしたのは祖父母の世代。貴方の世代は、罪悪感を抱くのではなく、両国の溝を埋め、架け橋になっていくべき世代」だと温かい言葉をもらった。

 



翌日博物館へ、。
そこにあったもの。





日本の学生たちからの折り鶴が庭に飾ってあり、中に入ると、ほとんど写真だらけ。中国語が読める訳ではないから全てわかるわけではないけど、明らかに中国政府の洗脳の意図を感じられる場面だった。それに、大人だけでなく、小さな子供たちもが博物館へのアクセスを許されていた。





個人的には、公平な展示内容で戦争が良くないことを皆に伝えるための展示であるのであればまだしも、このような偏った見方を何もわからない子供が、見せられたら、一方的に日本に対して負の感情しか抱かなくなるだろうな、、と思うと同時に、日本の学生や団体からの善意と良心の贈り物に感動した(穿った見方をすれば、それさえも、政治的ツールなのかもしれないが、。)

(※なお、同博物館はその後改修されたようなので、今は展示物な内容等また異なるかもしれません、。)




またその博物館で、私が感じたこと。







自分自身を守るためにそのような見方をしたのかもしれないが、結局、あの時代、そして今の時代も、国境線がたまたま今の所に引かれて、日本という国と中国という名前で呼ばれる国が存在し、たまたまその時代に戦争をすることになったけど、国境線の引かれ方が違っていたら、私も中国人だったし、相手だって日本人になれた







結局、そこで闘って相手を傷つけていたのは私も傷つける側にもなっていたかもしれないし、傷つけられる側になっていたのかもしれない






そして、更に仮に輪廻転生を信じるのであれば、今は日本人として生まれているかもしれないけど、前世は中国人であったかもしれないし、いずれにせよ、そこにいた自分たちの祖先は皆同じ人間であるということ。







つまり同じ人間が同じ人間を傷つけていた行為。それが戦争。・・・そうおもうと、単純に戦争は良くない、と思った。






世界中の、一家族を思う多くの善良な市民たちが、時代と国に翻弄され、戦いたくないのに、戦に駆り出され、多くの人を傷つけ、また自分も多くを傷つけられた時代。多くの若者が若くして命を落としていった時代。家族や恋人、大切な人たちともっと一緒に過ごしたかったのに、それが許されず短くして命を落としていった人たち。そして今も収集しきれていない海外に散らばる多くのご遺骨・・。





・・・こうした先人たちの犠牲の上に、今の私たちの平和が存在している。






その重みをかみしめて今を生きていきたい。