コウノドリ23巻を、TSUTAYAで借りて読みました。
私は、出生前診断について、息子を亡くす前までは、まるでドラマの世界の話としか思えなかったし、現実的に考えようとしても「命の選別」の材料になるだけだとしか思えませんでした。
自らすすんで受けるつもりはないので、こういうのも希望すればできるんだ、自分たちには関係なさそうだけど…みたいな感じに思っていました。
息子の異常が分かってから、色々調べているうちに、いつもの検診で行っているエコー検査も、「広い意味では出生前診断」であることを知りました(コウノドリ23巻で小松さんも話しています)。
まさに、息子の異常な状態「羊水過少」は、エコー検査で分かりました。
羊水が少なくなる原因は、主に2つで、①破水もしくは、②赤ちゃんの腎臓や膀胱がないあるいは機能がうまくできていない、です。
私の場合は、破水の形跡はなくて(出血も一度もしたことがなかった)、エコーを見てもらったとき、うろ覚えですが、腎臓と膀胱はあるんだけどなー、みたいなことを先生が言ってたような記憶があるので、機能がうまくできていなかったんだと思います。
妊娠16週で羊水が過少どころか、ほとんどないと言われたので、状況からして肺もきちんと育たないだろう、ということは、奇跡的に産まれてきても呼吸ができず、長くは生きられないだろうという先生の見解でした(お腹の中で亡くなってしまう可能性も高いと言われました)。
確定診断は特にありませんでしたが、個人的に色々調べて、私は息子はポッター症候群だったと思っています。
それまで一度も聞いたことのなかった病名。
普段何気なく受けているエコー検査で分かった、羊水がほとんどないという、致命的な異常。(エコーは3人の先生に診ていただいて、皆同じ見解でした)
いわゆる「出生前診断」で分かることではなく、また、先生にそれをすすめられる以前の問題である状態の悪さでした。
ポッター症候群は、原因不明のようですが、受精したときから決まっているようです。
しかし、赤ちゃんがお腹の中でおしっこをし始めるのが、妊娠4ヶ月の終わり頃からと言われているので、早くても、それくらいまで育ってみないと分かりません。(22週を過ぎてから分かる方もいらっしゃいます。)
いわゆる「出生前診断」で分かるわけでもありません。
色々なブログを読ませていただいて、他にもそういう症例があることも分かりました。
原因が分からず、突然子宮内で亡くなってしまう赤ちゃんがいることも知りました。
コウノドリ23巻を読んで衝撃的だったのが、「新型出生前診断(NIPT)を受ける人のほとんどは、検査前からお腹の子に何かあったら中絶すると決めているんだ」という記述です(異常発覚後の中絶率が96%だそうです)。
これだけ見ると、本当に「命の選別のために検査されている」という印象ですよね。
(ちなみに、NIPTを受けているのは、日本では「全妊婦の1%程度だって言われている」そうです。これを多いと思うか少ないと思うかも評価が分かれるところだと思いますが。)
本来は、「出生前診断の目的は、胎児を検査して病気がわかれば必要な治療を行ったり…情報をもとに出生後の準備を行うことです」と鴻鳥先生は言っています。
もちろんご家庭ごとにさまざまな事情がありますので、それぞれの判断を否定できるものではないのですが…
理想と現実?本音と建前?という感じで、なかなか一致するものではないのですね。
本当に、デリケートで、難しい問題だと思います。
ただ、前述したように、NIPTを含む出生前診断で分からない疾患もありますし、検査も100%確実というわけではありません。
私の息子も、産まれてから解剖したり、胎盤などの検査をしてもらったわけではないので、もしかしたらもっと可能性があったかもしれない…という思いは拭いきれません。
しかし、人工死産という方法で外に出してしまった以上、息子はあとから何をしても戻ってくるわけではありません。
初めての妊娠だったので、悩みはしましたが、今ならまだ、授かったことのない自分に近い状態に戻れると思って選択しましたが、それは間違いでした。
後悔はしていませんが、それまで感じたことのなかった悲しみ、淋しさ、黒い感情が、後を引きます。
同時に、この世にはいませんが、それまで感じたことのなかった「我が子」に対する愛情が、絶えず心に沸いてきます。
自ら亡くした子なのに…と思う人もいるのかもしれませんが、望んで授かった子であることには変わりありません。
遺伝カウンセラーの真田くんが、自らの経験をもとに言うのは、
「安易に中絶を選択する夫婦はいませんね」
続いて鴻鳥先生も、
「中絶を選んだ人の悲しみや苦しみは…死産だった人と変わりはないんだ」
と言います。
そもそも、お腹の赤ちゃんのことを真剣に考えるからこそ、出生前診断を受けるんですよね。
何も考えない人が受けるわけがありません。(もちろん、受けない人が何も考えていないわけでもありません。)
受けるにせよ、受けないにせよ、赤ちゃんのこと、自分のこと、旦那さんのこと、周りのこと、悩んで考えることが大切なんだなと、学びました。
長くなってしまいましたが、読んでくださった方、ありがとうございました。