母親っていうのは、もともと専業主婦になりたかったわけじゃなくて、

都会で着飾って一人で遊んでいたかっただけの人だ。

 

だけど、親や世間の目を気にして、嫌々専業主婦という職業に屈した人間だ。

自分の親から受けた仕打ちの復讐とやら、自分自身のせいで奪われていった自由の腹いせを子供を作っていじめることによって晴らしてきてもうじき70歳にある。

そして彼女の私たちに対する呪いが、ある時私の統合失調症という形で開花する。

 

彼女からすると、早々(形式上)巣立ってもらって自分の夢をかなえる計画だったはずだ。

自慢の子供たちをママ友たちに言いふらしながら。

だが、次女はいつまでも家に寄生し続け、私に至ってはもうじき40なのに未だに親のすねをかじり続ける無職として君臨し続けている。

彼女からすると我々子供というのは、元々邪魔な存在だった。

だが、自分がしてきた仕打ちが子供の巣立ちをむしろ阻害し、いつまでも親に寄生する結果を生み出したことによって、

やがて彼女自身への呪い返しとなってもう直健康寿命を迎えようとしている。

 

彼女は、自分の自由を奪う、専業主婦である自分を恨んでいた。

だが、彼女のその心が、皮肉にも、いつまでも彼女を専業主婦という役割に縛っているのだ。

 

多分、我々が巣立とうと巣立たまいと、彼女が自分にかけた呪いというのは、彼女自身が解かない限り、

物理的に都会で着飾り一人で遊んでいても、解けないだろう。

永遠に専業主婦という肩書の、呪いが付きまとう。

 

だから、我々子供たちがどうにかできるものでもないし、そもそも我々の人生とは関係のないことなのだ。