ピストンの作り方 パート2
ピストンの製作工程を、2回に分けて説明しています。
今回は、最終回です。
前回のブログで、マシニング加工まで終わってましたね。
6,NC旋盤にて、スカート部内側と、リング溝加工を行います。
写真的には、完成に見えますがまだまだ、これからが重要な所です。
この状態では、リセス(バルブの逃げ),オイル穴,スカート楕円加工がまだの状態です。
7,特殊なマシングセンターで、ピストンにリセスを加工します。
これが、その様子です。
下側の、ピストンが傾いているのが解りますか。
この状態で加工します。
実際のバルブの径に合わせて削って行きます。
(ビッグバルブを使うとか、バルブリフトを上げる場合は、この状態で加工径,加工深さを調節します。)
リセス加工の、加工前(奥側)と加工後(手前側)です。
これは、ツーバルブですね。
ドカティのピストンです。
8,加工の最後は、特殊なNC旋盤で、全体のプロフィール+スカート部の楕円加工を行います。
この機械は、ホント優れものですよ!!!
上に見える刃物(単結晶ダイヤモンド刃)を、一分間に3000回揺動(前後に細かく動き)して、ピストンのスカート部をコンマ数mmの楕円形に切削します。
この楕円度も、ピストンには非常に重要になってきます。
熱膨張を考えた楕円度で、NA,ターボ,バイク(空冷)などによって変える場合が有ります。
この、最終工程でピストンの径が決定します。
通常は、できあがった、ピストン径+ピストンクリアランス=シリンダーのボーリング径となって、後からボーリング加工で合わせるのが普通なのですが、中にはボーリングができないので、シリンダーのボア径に合わせてピストンを製作しくれと言う注文も有ります。
そのときは、シリンダーも貸して頂いて、そのボア径に合わせていきます。
9,各部寸法の確認
ボア径,楕円度,ピストンピンクリアランス等々の寸法検査工程です。
リング溝も、隙間ゲージ(ブロックゲージ)を利用して、1/100mm単位まで測定します。
10,最終工程として、設計部の製品検査&手仕上げです。
最後に、設計した本人の製品検査と、各部手仕上げ行程です。
製品検査は、設計者の意志に沿って加工ができているかを、チェックします。
(寸法的に問題なくても、この検査で作り直しになることも有ります。)
弊社では、確認&寸法確認用に必ず必要個数+1個(最低)を一緒に加工します。
肉厚的に、怪しいところは切断して肉厚を確認します。
手加工は、最小限のバリ取り及び面取り加工です。
11,その他の部品(ピストンリング,ピストンピンなど)と一緒に梱包して発送します。
これが、ピストンの作り方です。
どうでしたか?
弊社の作品です。
日産L型のピストンです。
この方は、自分でリセスを削られるので、うちではリセス加工はいたしません。
アルファロメオ105系のピストンです。
ちなみに、アルファロメオ,アバルト用ピストンは、注文が多いですよ。
その他、バイク用ピストンは ドカティ,BSA,トライアンフ,メグロなどが多いですかね。
OS技研では、ピストンの特注製作を受けております。
価格は、フルオーダーで44,100円/個~になっております。
(お寿司屋さんの、時価って感じが有りますので、見積もりもお受けいたします。)
バイク用ピストンも作製できますよ。
OS技研 ピストンの作り方でした。
詳しい事が知りたい方は、個別に連絡くださいね。