yukiharuのブログ ピストンの作り方
 パート1


ピストンの製作工程を、何回かに分けて説明します。

OS技研では、20年前からピストンの製作を行っています。



弊社製品(RB30,RB315,その他レース),OEMピストン,と共に特注ピストン(フルオーダー生産)の製造を行っています。


今回の紹介は、特注ピストンの作り方です。(料理では無いですよ!)

まず、お客様から依頼を受けます。(当然ですね!)

データが有るピストンも有るのですが、原則として見本となるピストンと、製作されたい希望(ボア径,圧縮比,プロフィール等々)を送っていただきます。

ご希望に添って、ピストンの製作が可能かどうか,ピストンリングが有るかどうか等を確認します。

お客様に、納期&コストを了承して頂いて、GOがかかります。


1,見本のピストンを採寸します。(純正ピストン)



2,ご希望,目標馬力,NAorターボ,重量などを考慮して図面を書きます。




3,その図面を元に、設計と加工部(工場)で加工法案を練ります。

(コンピューターにより機械を制御するプログラムを作成します)  

           実際の加工が始まります。

おっと、その前に素材の説明です。

ピストンの素材として、A4000系の特殊材を鍛造したブランクを使用しています。(A4000系アルミ:シリコンを含有させて熱膨張を抑えた素材)

ここには、3種類の素材が写っていますが、合計8種類の素材を用意していますよ。
素材は、ボア径+ピンハイト等で選択します。



4,まず、最初の加工は、NC旋盤で荒取り加工を行います。

(このときは、仕上げ代を残して加工しておきます。)

注意:このときに、変芯しないよに注意が必要です。


5,マシニングセンター(コンピューター制御のフライス盤)で、ピストンの中とピン穴加工を行います。



このときに、肉厚が一定でトップからの熱の流れが良いように加工します。

     下の写真は、肉厚検査のために切断した物です。

トップの肉厚が綺麗に一定になっています。

そのため、ピストンヘッドで発生した熱がピストン全体に効率よく流れます。

ここまでで、パート1を終了します。 パート2に続きます。


            弊社の力作ピストン達です。

              ポルシェのピストンです。

ボルトオンターボにするために、ピストン作製を依頼されました。

俗に言う、スリッパ型ピストンですね。




BSAって言う、イングランドのバイクのピストンです。

これは、ピストンがもう手に入らないための製作依頼ですね。




これは、極めつけですね。 なんと 古いブガッティのピストンです。

こういう仕事をしていると、いろんな車&バイクのピストンが見られて楽しいですよ。

OS技研では、ピストンの特注製作を受けております。
価格は、フルオーダーで44,100円/個~になっております。
(お寿司屋さんの、時価って感じが有りますので、見積もりもお受けいたします。)
バイク用ピストンも作製できますよ。


次回の、パート2 ご期待ください。