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ゆとり公認会計士の挑戦の記録

2008年の公認会計士試験に合格した人のブログです。アメブロ久しぶり。。

非上場株の評価をよくやります。

非上場会社の株式は上場会社と違って市場で流通していないので株価というものがありません。そこで、譲渡するときはどうするかというと、相対取引で合意された金額なら基本的になんでもokです。ただ、あまりにも実態とかけ離れた価額で取引した場合には、差額に課税されてしまう場合があります。※

※税務での譲渡価額は特別な関係のない第三者間で成立した譲渡価額こそが適正な価額とされるため、たとえば、第三者間なら100円で売買したであろう商品を、親子会社だからとか、経営者が恋人同士だからといって20円で譲渡した場合には買った側は得した80円分について受贈益として課税されるし、売った側は相手に80円を寄付したものとみなされます。この寄付金については本来費用項目なのですが、税額計算の中では一部費用として認められない場合があります。このように適正価額以外の価格での売買はお互いハッピーになりません。

そこでどうするかというと税理士や会計士などの第三者が行った株価評価の報告書が必要になってきます。
報告書はばちっと御社の株は1株1万円!とか書いてあるわけではなくて、弊社が評価した結果御社の株は1株8000円から13000円の価値があると思われますので、譲渡価額の決定の際に参考にしてください。的な書きぶりになっています。このレンジのあいだで譲渡価額を設定すれば税務上客観的な価額。ということになります。

株式評価の方法としては、対象会社の事業計画(将来性)に基づく評価方法や、業種や取扱商品が似ている上場会社の株価を参考にして算定する方法、資産負債を時価評価して時価(に近い)純資産の価額を算出してそれをもとに評価する方法があります。

株価算定に携わってみて一番びっくりしたのは、株価は実は算定前に決まるということです。
だいたい、株価算定を行うときはクライアント(買う側につくことも買われる側につくこともあります)キックオフMTGをやるのですが、お話の中盤くらいになるとうちの先生が聞くんです。
「で、いくらくらいにしましょうか?」
それに対してクライアントが
「1株5万くらいでお願いします」
これで、ターゲットにする評価額が決まります。そう、株価算定は受験の時管理会計でやったような白紙スタートでいろいろな情報をもとに算定するのではなくて、実務ではゴールありきで算定がはじまるのです。
考えてみれば、取得企業としても資金繰り計画に基づく投資資金が決まっているわけで、そこを大幅に上回るような株価では困るわけです。

そこからの実務では一度教科書的なやり方で株価を算定します。すると、ターゲットに対して高すぎるor低すぎる株価が出てくるので、ここから大変な鉛筆をなめる作業がはじまります。いろんなロジックをこねまわして割引率をいじったり、事業計画の一部を使わないことにしたりなど、やり方は様々ですが、結果的にクライアントの提示した株価が評価結果のレンジに入るように調整します。

このようにして非上場企業の譲渡価額は決まります。
で、おそらくだいたいの会社は取得する相手と譲渡価額についてだいたいこれくらいにしましょう、と合意した上で会計事務所に評価を依頼します。なかには、あいつなかなかこっちの提示した株価に納得しないんですよ先生なんとかしてくださいよ!ってケースもあるかもしれませんが。
また、いろいろなリスクを避けたい会社は自社の経営企画とかが一度自分で計算してその結果をもとに相手と合意、会計事務所の評価は自社で行った確認と税務リスクをつぶすためにとる場合もあると思います。

私はまだまだ入口にいますが、株価算定の業務奥が深いです。。