チリ産“薬漬け”サーモンは、人体にとってどれほど「危険」なのか!? | -10kg.ダイエット成功・健康と美容のための生活習慣

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生活習慣の乱れは、数値の乱れ。体内環境のバランスが整えば体型体重も整う筈。そのためには何を摂取したら良いのか記事にしています。生活習慣を見直したらあなたも素敵に変われます。

日刊SPA!より

チリ産“薬漬け”サーモンは、人体にとってどれほど「危険」なのか


「チリ産養殖サーモン」についてネット上で大論争が巻き起こっている。チリの養殖サーモン“薬漬”の危険な魚で、海洋汚染も招いているという。そこで識者を直撃した!!

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1145379


アイセン州のサーモン養殖場。「業者は海を汚しては他に移ることを繰り返す」と佐野雅昭教授(鹿児島大学)


危険性は極めて低い」が、“ゼロ”とも言い切れない

チリ産サーモンが“薬漬け”は、どれほど人体にとって「危険」なのか。

安全安心のための養殖管理マニュアル』などの著書のある舞田正志教授(東京海洋大学)はこう話す。

「養殖期間中に抗生物質などを使用した場合は、『休薬期間』を経てから出荷されます。これは『抗生物質の投与をやめて一定の時間を置き、体内の抗生物質がほぼゼロになる』期間のことです」

休薬期間を経て日本に出荷された輸入水産物は、検疫所で残留薬物などの抜き打ち検査を受ける。

「もし違反している事例が見つかると、『命令検査』ということで『ある国から輸入されるものについては必ず検査をしなさい』というシステムがあります。過去に、チリ産サーモンでこの命令検査になったことはまだ一度もありません。残留基準を超えたサーモンが紛れ込んでいる可能性は極めて低いと思いますが、検査のカバー率は数%程度なので“ゼロ”だとも言い切れません」(舞田教授)


チロエ島のサーモン養殖場「業者は海を汚しては他に移ることを繰り返す」と佐野雅昭教授(鹿児島大学)


「それでも心配」な人は国産のサーモンを

また、チリのサーモン養殖場を視察した佐野雅昭教授(鹿児島大学)もチリ産サーモンが“薬漬け”という実態は認めながらも「安全性についてはそれほど神経質になる必要はないと思います」と語る。

しかし、エビやウナギでは基準値を超えたケースもあり、米国の大手スーパーなど輸入をやめる企業もある。日本の検査体制や基準値が本当に安全なのか、不安に思う消費者もいるだろう。

『それでも心配』という方は、選択肢が他にいくらでもあります。例えば、漁協や調達関係者らが監視の目を光らせている、国産の養殖モノを選ぶことです。

さらに、国産の天然モノもあるので、そうしたものを選択すれば安全性や環境汚染のリスクを減らすことができます」(佐野教授)



JICAのウェブサイトでは、チリのサーモン養殖がJICAの技術支援で成功したと報告している

佐野教授は「チリ産サーモンの養殖に関して多くの問題が起きているのは、チリ現地での政策の問題が大きい」と語る。

「養殖は常に環境問題、病気問題と向き合いながら行う産業です。環境に配慮し、飼育密度を下げた養殖をすればいいのですが……。チリはノルウェーに比べて規制が緩く、規制も守られにくい社会的環境です。もともとチリの海洋環境自体は良かったので、養殖を始めた当初はあまり気にしなくても悪影響は出ませんでした。ところが、海の環境が悪化すると新しい漁場に移ってごまかす“焼き畑農業”的なやり方を繰り返してきた結果、新しい漁場も少なくなり、限界に来ているのかもしれません」



チリ産サーモンのASC認証に疑問の声


イオンの鮮魚売り場で売られているASC認証のチリ産サーモン

こうした問題を解決するため、環境に優しく持続可能な養殖場でつくられた水産物であることを示す、国際的な“お墨付き”がある。「ASC認証」といって「ASC(水産物養殖管理協議会)」が各国の養殖場をチェック、環境に大きな負担をかけず、地域社会や人権にも配慮した「責任ある養殖水産物」と判断されると認証が与えられる。このASC認証を得たチリ産サーモンを日本の大手スーパー「イオン」が4月から売り始めた。

ところが、チリの養殖現場を視察した佐野教授は「ASC認証を受けるには非常にお金がかかり、資金力がないと取得できません。その認証過程も不透明で、信用できない部分もある」と指摘する

チリの漁業検査官B氏は、ASC認証を受けた養殖場のリストを見た瞬間、「これは何かの冗談ではないか」と思ったと告白する。

「ASC認証の『原則2』には『自然環境および生物多様性への悪影響の軽減』とありますが、養殖業者は自然環境も生物多様性も保護していない。また、原則4は『飼料、廃棄物、化学薬品等の適切な管理』ですが、チリの養殖場に抗生物質の規制がないことは誰でも知っている。こんなチリの養殖業者が認証されているのであれば、ASCは良い認証システムとは言えず、明らかに機能していない」


サーモン養殖専門誌に掲載された、殺虫剤「Byelice」の広告。チリの養殖場で使われている(『salmon expart』より)

舞田教授も疑問を口にする。
「ASCの認証の基準の中に『もともとそこにいない魚は養殖しない』というのがあります。生態系に何らかの影響を及ぼす可能性があるということです。それなのに、チリのサーモンはどうして認証を受けられたんでしょうか」

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