2016.12
定期的に行われる小さなイベントで参加者として私と風子さんを中心にした仲間、そしてrun君は夕飯を共にすることが増えてきた。


run君は相変わらず あの写真の話を思い出して話してみたり、私が持ってる小物を見つけては「この蒼が素敵。いいなぁ。」と ポソッと つぶやいてみたりしている。

ー今まで、こんなこと あっただろうか。

いつも このイベントの紹介者でチームの中心的リーダーの風子さんと まるで姉弟のように仲良しな二人。

私は そこの新参者として、更に後ろを歩いてついていく感じだったし…

私と run君は風子さんがいなければ 話すら ままならない関係だったのに。

あの9月の夜から普通に誰も入れず二人で話せているなんて、本当に不思議だ。
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…実は私、小学校時代のトラウマなど で「男性(集団)恐怖症」な部分があり 男性と(特に1対1)で話すことが正直、大の苦手。

自分のそばや横をすり抜けたり 触れられたり 触れに行くと強い緊張を感じたり、ひどい時は鳥肌が立つこともあった。
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だから、無意識に自分の近くにいる男性が(どんなに仲が良い友達だとしても)どこにいるかを感じ取ってしまう私。

…それなのに、その日の帰りはrunくんの立ち位置に全く気がつけなかったのだ。

夕食後、仲間たちと解散しようと駅の入り口に来たところで冷たい空気を吸い込んだ私は


寒暖差アレルギーが出てしまい、みるみる咳き込みがひどくなっていった。

ーいつもの事だから大丈夫、すぐ電車にのれば落ち着くはず。

と、自分自身に言い聞かせていたのと同時に咳き込みは続くものの、ふと暖かくなり気管支のゼェゼェ感が少し引いてきたのだ。

お、いい感じ☆と思ったところで「大丈夫ですか?」と後ろからrunくんに声をかけられた。

「大丈夫、大丈夫!」と咳き込みながら返事をして振り返ると、ただ声をかけただけじゃないことを知る。

ー彼が私の背をさすっていたのだ。

たしかに厚いダウンジャケットを着ていたけれど、離れたところでも気配をキャッチする私が
彼の立ち位置どころか背をさすってくれていたことに気がつけなかったのだ。

えぇ?なんで?

あまりの衝撃に言葉を失ったものの、すぐに切り替えて 彼にお礼を伝えた。

その後、みんなで少し話して解散。彼と友達の優しい「お大事にー。」を受けながら帰宅の途に着いた。

ーなんで気がつけなかったのか?私のアンテナ(互いのオーラ)を擦り抜けて彼の手は私のボディまで到達できてしまったのか。

その時は理由を「思い出せない」まま、不思議な感覚だけを背中に残していた。


追記 20230326

そうだ…すっかり忘れていたけど

今、パッと思いだした話。


いつも別れる地下鉄の入口で最後、いつも皆との別れ難くて暫く皆で話すのだけれど。


その時も風子さんが、なんかの話の延長でいつもの若手にやらせる無茶振りが。


「run君、雪暉さんに壁ドンして!」


私にとっては本気も、ふざけてでも男性に、こんなことされたことがないし


真面目な顔をして(おふざけ)run君が、あまりに顔近くに寄ってきてやったもんだから


「キャ───(*ノдノ)───ァ(赤面)」


予想外の私の反応に風子さんや周りの仲間たちもビックリして


「雪暉さん!キャーってw。かわゆー♥」

「相手、run君なのに…そんなんならなくても💦」


背中を摩られて気づけなかった自分に大混乱中で、その張本人に…そんなことをされたら更に恥ずかしくなるでしょうよ。


(¯―¯💧)その後、彼に対する様々な混乱が…ずっと自分の中で続いたのでした。