●子どもとの関係改善の魔法のツール! | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

暴力、悪態をつくなど、子どもの言動が気になる。



そんな悩みをお持ちの方が、これからお伝えすることを生活の中で使ってみると・・・。



きっと、子どもに対する見方が変わり、楽になるのではないかと思います。



そして、子どもを責めることがないので、子どもの自己肯定感を下げることもないでしょう。



それに加えて、子どもと親御さん、もしくは教師がタッグを組んで、問題に対処する体制ができあがる可能性が!



少し、具体的な例を考えましょう。



ある小3の女の子は、先生に対して嘘をついたことで、叱責され、それ以来、学校に行けなくなりました。



そしてイライラした女の子は、おばあちゃんを叩いたり、髪を引っ張ったり、物を投げるなどの暴力をふるうようになります。



お母さんはそんな子どもの行動を見て、厳しく対応するのですが事態は悪化するばかりで、対応に困り果ててしまった。



そんな状態のもと、カウンセラーは、お母さんに助言を行います。



もし、こんな時にお母さんの責任を追及して、「あなたの養育態度が悪いから」と言ったところで、事態は改善しないでしょう。



かえって、お母さんの心を閉ざしてしまい、問題を悪化させるだけかもしれません。



この時、カウンセラーがしたのは、「子どもを受容し、暴力行為は否定する」という見方を示すこと。



「あなたは、大好きだけども、暴力をふるう行為自体は受け入れられない」



この言い方は、人格は認めつつも行動は否定しています。



しかし、学校で問題をおこした子に対して「そんな子はうちの子じゃありません。そんな子はお母さん嫌いよ」なんて言ってしまうことがあるかもしれません。



その言い方だと、人格と問題行動をいっしょくたにして否定してしまっていますね。



人格の否定は相手の心を傷をつけます。



だから、人格と行動は分けて考える必要があるわけです。



そのカウンセラーは次のように助言しました。



○子は好きで暴れているわけじゃありません。どうしようもなく苦しくてやっています。○子はとても良い子なのに、たとえば、“イライラ菌”が○子を苦しませている。



それなのに○子が悪いと勘違いしてしまうと、○子自信を責めることになり、ますますその“イライラ菌”は○子のなかで暴れてしまいます。



○子は良い子で、悪いのは“イライラ菌”というように分けてとらえてあげることが大切です。暴れるときは「“~菌”出ていけ!」と菌に対して叱り、○子は抱きしめて守ってください。



このように子どもの問題を“~菌”とか“~虫”と名前をつけて、本人から切り離して外側に位置させる。



これを外在化と言います。



この外在化のメリットは・・・



先にも述べたように、問題と人格を分けて捉えることができるようになります。



それと外在化によって、誰をも責める必要がなくなり、子どもと親、もしくは教師が共にその“菌”に対して戦いを挑む協力者となれるのです。だって、悪いのは“菌”なんですから!



高熱が出て、学校を休まなければならないのは、風邪やインフルエンザのウィルスが悪いのであって、その子が悪いわけではありませんね。



それと同じです。



問題を克服するためには、本人は薬を飲んで、お母さんには温かい食事を作ってもらうなど、共に協力して“菌”に抵抗することができます。



この記事の女の子のようにお母さんが、子どもの暴力行為で悩んでいる場合も、“イライラ菌”とか、“かんしゃく虫”などと問題を外在化させることで、それを退治するには、どうしたらいいか、子どもと一緒に問題に対処できますね。



その際に、子どもには、自分の中の“かんしゃく虫”を絵にしてもらってみるのもいいでしょう。問題が具体的に視覚化されます。



もし、子どもが暴力を振るおうとしたらユーモアを交えて、



「『かんしゃく虫』が出てきちゃったね~、どうやって退治する?」



なんて言ってみるとか!



これだと子どもの人格を否定することにもなりません。



ちなみに先の女の子は、カウンセラーの継続的な介入で、2週間後には学校の宿泊行事に参加でき、順調に学校に行けるようになったそうです。



外在化は、関係改善の魔法のツールと言えそうです。



(今回はブリーフセラピーに関する記事です)



参考図書 


指導援助に役立つスクールカウンセリング・ワークブック